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125、暗黒の密談3

一方そのころ、話の中心人物であるダンジョンコア三人組がどうしているかというと……



「な…ななな……ダンジョンをまだ作ってないっですっっって~!!」

「ま、何とかなるんじゃない?知らないけど。」

「…ん~。」

「あり得ませんわ!後一週間もありませんのよ!」



こちらも休憩地点から離れた樹海の中、ガスティアが咆哮(ほうこう)していた。

皆の場所から離れているため声が大きくても聞こえないだろう……多分。


来るべきダンジョンバトル新米戦。

ガスティアが新米戦に出場する【怠惰】(  ベル )【諸刃】( モロハ )にその心構えを聞いた所、全く準備などしていないと回答されたせいで怒りと呆れと悲しみとその他云々を鍋でグチャグチャに混ぜたような声を肺の底から吐き出していた。


一方で新米二人組はあっけらかんとした様子で構えていた。

ベルに関しては面白そうという思いより面倒くさいという思いの方が強いようで、モロハに至ってはそもそも興味が無いようだ。



「ダンジョンコア新米戦と言えばこの世界をお創りになられた創世神様自らが主催しているダンジョンコアの晴れ舞台!既にこの世界で活動しているダンジョンコアに自らの能力、知恵、情熱を伝えるための貴重な発表会ですわ!この機会を逃せば他のダンジョンコアから舐められるばかりではなく無力なカモとして狙われ続ける事にもなりかねないのですわよ!」

「って言われても面倒くさそうだし……」

「…ん~。」



口調は相変わらずだが、どうやらベルとモロハの将来を心配しているようである。


ガスティアの言っている事を整理すると、どうやら新米戦はこの世界に存在している全ダンジョンコアが観戦できるらしく、その活躍次第では他のダンジョンコアにいい意味でも悪い意味でも注目されてしまうらしい。

もちろん目立ちすぎると出る杭を打たんとしてくる輩もいるが、それでも一年間の新米保護期間があるため新米戦で目立つほどの実力者であれば一年で自衛できるほどまで成長するか、信頼のおける仲間が見つかる事だろう。

しかしその真逆の意味で注目されてしまえば力も仲間も無いまま一年間があっという間に過ぎてしまうであろう。


その先の展開はガスティアの言った通りである。



「そもそもやる気が無いのに何故ダンジョンコアになっているのでしょうか?」

「なってたから。」

「ん。」

「……まぁ、そうでしょうね。」



もはやため息しか出ない。

当初の予想通りこの二人は相当な変わり者であるようだ。



(まぁ、【諸刃】( モロハ )の場合はダンジョンに頼る必要はないでしょうけど……)



何かを知っている様子のガスティアはモロハを例外として扱うスタンスのようだ。



「そもそもただ戦うだけじゃなくって賞品の一つや二つは欲しいよね~。」

「ん。」



つまらなそうに愚痴をこぼしたのはベルであった。

無意味な戦いはただの労力だが何かしらの賞品があればそれはゲームである。

ゲームであれば最初の一回くらいならば興味本位で頑張ってみようかと思える、それがベルの性格であった。


それを聞いたガスティアはさらにため息を重ねる。



「…出ますわよ。」

「ん?何が?」

「賞品。」



直後、硬直。


一秒、二秒と直立不動。

三秒経ってベルが叫ぶ。



「うわああぁぁぁ!!早くダンジョン作らないとぉ!!」



ゲームであればできる範囲で全力を出して楽しもうとする、それもベルという少女の性格であった。

密……談……?

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