100、【怠惰】と『【諸刃】の一刀』
作者「読者の応援のおかげでついに100話を投稿することが出来ました!」
フェ「三日坊主になるかと思ってたけど、結構やるわね。」
ベル「目指せ、300話坊主!」
作者「そこまで書いて逃げたら怒られるっての!」
「やったっスか!?」
「これだけの爆風、流石にあのバケモノでも効いたでしょ。」
「ふぅ、何とかなった。今日は早めにご飯を食べたいな。」
確かな手ごたえを感じた三人は一仕事したと言わんばかりに大きく息をはいた。
ミントの魔法は一か所に集中させることは難しそうだが、それを逆手に取り広範囲に魔法球をばら撒いて相手の逃げ場を塞ぐ攻撃のようだ。
手で握るには少々大きいぐらいの直径の魔法球がときには直線的に、ときには山なりに飛んでくるこの魔法は相手の目を奪うには十分な派手さであった。
一方でココアの使用した魔法は近くの石ころをジャイロ回転させながら高速射出させる非常に貫通力のある一撃必殺の魔法であった。
速度のある一撃なので普通に撃っても命中率は高そうだが、ミントの魔法によって足止めされた相手に放たてばさらに命中力は高まる。
貫通力と速度に優れるこの魔法は一発だけでも当ててしまえば致命傷は逃れられないため、その一発を確実に当てる為にひねり出した戦術であろう。
ちなみに飛ばしているのは石ころだが、これは魔法で生み出したものではなく地面に落ちていた石であるため土魔法には分類されず、石ころを飛ばすために使用されている風魔法の方に分類されるらしい。
バニラの使った魔法はパッと見では効果が分からないが、おそらく補助魔法に分類される魔法であろう。
だが地面に文字のようなものを書いてから呪文を唱えた手順にどんな意味があるのかはベルには分からなかった。
フェゴールは驚き半分、納得半分といった表情をしているので後で聞いてみようと思ったベルであった。
ともあれ魔法による爆風(殆どがミントの魔法によるものだが)を体に受けつつアルフレッドが居た場所に立ち上がる土埃から背を向けようとした三人の少女。
だが、その土埃の中にうっすらと浮かび上がるシルエットを見た時、彼女たちだけではなくノーツの顔にも驚愕の表情がハッキリと現れた。
「ば、バカな!?珍妙な魔法ではあったがアレをまともに食らってまだ立っておるか!」
「珍妙って何さ!」
「一体何が悪かったっスか!?」
(三人全員が生存フラグのセリフを言ったからだと思うよ。)
少々的の外れたベルの見解はさておいて、何事も無かったかのように土埃の中から歩いて出てきたアルフレッドが高らかに笑う。
「ハーハッハー!言ったはずですよ、私は無敵であると!物理であろうが魔法であろうがこの漆黒の体は誰にも突破は出来ません!」
「ぐっ、なんてことだ。」
「さて、あなた方の戯れはもう終わりでしょうか?そろそろ私の方も戦いたくて体がムズムズしてきているのですがね?」
全身の筋肉を見せびらかしながらシャドウボクシングのように拳を前後に軽く振りながらそう語るアルフレッド。
筋肉ダルマであるノーツと並べても違和感のないほどの肉体から解き放たれる一撃がどれほどの威力を持っているかなど火を見るよりも明らかであろう。
「くそぅ、誰か奴を止められんか!?ベル!フェゴール!」
「私じゃ無理!お姉ちゃんは!?」
「さっきから状態異常系の魔法は狙っていたけど全然効いてない!」
「何!?奴は状態異常まで弾くとでも言うのか!?」
「当然ですよ、私のこの力の前にはあらゆるダメージが通りにくいのですからね!」
「…じゃあ無敵じゃないんだ。」
「モロハ?」
誰もが絶望の眼差しを送ることが精いっぱいの中、白く長い髪と桜模様の着物を優しく揺らしながらモロハが前に進む。
それが当たり前のように感じるほど自然な動きでもって、少女は鞘に収められたその美しい刀身を抜き、構えた。
「なるほど、確かに『ダメージが通りにくい』と『無敵』ではゴブリンと竜ほどの大差がありますね。しかし先ほどそこのギルドマスターの攻撃を受けきった事を忘れてはいませんか?それとも打撃ではなく斬撃だから通るとでも思っていませんか?試してみるのは構いませんよ、その薄っぺらい剣を折る覚悟があるのでしたらね。」
「……」
ニタニタとした顔つきでアルフレッドが忠告するものの、両手で柄を握り構える少女の顔には迷いも動揺も一切感じられない。
ただ立っているだけのアルフレッドと構えた状態のまま集中している様子のモロハ、この両者の視線は互いに相手の目を睨めつける。
先に動いたのはモロハであった。
「……『【諸刃】の一刀』ッ!!」
銀の刀身が紅く光り刃全体を包み込む。
怪しげなオーラを纏った鉄塊はアルフレッドの腕に吸い込まれるようにめり込み、そして──
「がッ、ぐぅゎぁぁあ!」
無敵の剛腕を一振りで輪切りにした。
作者「ちなみに『諸刃』って両刃の事だそうです。」
フェ「『諸刃の剣』は剣を振り上げる時に自分を切ってしまう恐れのある剣の事で、転じてメリットもデメリットも大きな物事のたとえになったそうよ。」
ベル「でもモロハの武器って刀じゃん。刀って片刃じゃなかったっけ?」
作者「あ。」




