異界からの呼び声。
新作投下してみるマン。タイトル通り、異世界に召喚された主人公が過保護な御主人様(達)と、その仲間と何やかやする話です。
僕の名前は津田優樹、女の子みたいな名前で背も低いけど、これでも一応男の子です。お父さんは僕が産まれる前に死んじゃったらしく、デザイナーの仕事をしているお母さんは、よく海外に出張に出掛けます。
その間、僕は隣に澄んでいる佐久島悠李ちゃんの家にお世話になって居ます。
『おい、優樹何見てんだよ。』
学校の休み時間中、海外に出張に行ってるお母さんからの手紙を読んでいると…
剛君が話しかけて来ました。
『あっ、剛君、なっ、何でもないよ。』
『んな訳無いだろ、見せろよ!』
お母さんからの大切な手紙を取り上げられてしまいました。
『なんだ、手紙かよ。何々…でぃーいーえーあーる…としの優樹ちゃん…“優樹ちゃん”って所しか読めないな。ってかお前優樹ちゃんって呼ばれてんの?だっせー!』
『剛君、俺にも見せてよ、』
『おう、ツネか、良いぞ。それよりお前、塾通ってたよな。これ読めるか?』
『おーけー、何々、でぃあーいとしのゆうきちゃん、おげんきですか…………あなたのことがだいすきな、ままより。』
『くっ、ぷぶっ…ぶひゃひゃひゃひゃっ!腹痛ぇ!“優樹ちゃんの事が大好きなママより”だってよ!』
『剛君笑ったら流石に…でも…ぶふぅ…』
『止めて!』
僕は剛君を叩いてしまいました。
『…痛ぇな!』
剛君が僕に殴り掛かろうとしたのを見て、恒君は
『剛君、殴るのは駄目だよ!その代わり…ちょっとそいつ押さえといて。』
『おうツネ、こうか?』
剛君が僕を羽交い締めにすると、手紙を声に出して読んでいた方、恒君がお母さんからの手紙を使って紙飛行機の形にしていきます。
作り終わった恒君は窓を開けると…
『……それでは剛様、お納めください』
恒君の態度に何かを察したのか剛君は紙飛行機を受け取り、あろう事か外に飛ばそうとしています。
『お願い!止めて!手紙返して!』
必死にお願いしましたが恒君が
『おい、優樹、お前さ剛君に何か言う事あんだろ?』
『ぶったの謝るから、お願いだよ剛君』
『駄目だな“せいい”って奴が足りない。よって“ばつ”として…』
お母さんからの手紙は窓の外へと飛んで行ってしまいました。
『こらー!アンタ達、あたしの弟になんて事してんのよ!!』
『やべ、委員長だ、行くぞお前ら』
『先生に言うからね!!』
『うっせえ、ブース!』
『ブース!』
『ぐぬぬ、アイツ等…そうだ、優樹…大丈夫だった?酷いことされてない?アイツ等に何かされたら、ちゃんとお姉ちゃんに言うのよ?』
『う…うん、大丈夫だよ悠李ちゃん。それに“お姉ちゃん”って言っても、同い歳じゃない。』
『あたしにとっては弟なの!それに幼稚園に入る前からそうだったでしょ?』
『本当に大丈夫だから…』
僕が教室を出て行こうとすると、先生が来てしまったので次の休み時間まで手紙を取りに行けなくなりました。
授業が終わり、外に出て手紙を探していると…
『ほら、やっぱり何かあったんじゃない。』
僕の後ろから悠李ちゃんが話し掛けて来ました。
『前にも言ったと思うけど、優しいのと臆病なのは違うの。アンタの名前は確かに優しいって字を書くけど、“ユウキ”って名前なんだから、勇気を出してアイツ等に“止めて”って言わなきゃ駄目よ。』
『ぐすっ、悠李ぢゃぁん…』
『よしよし、お姉ちゃんに任せなさい!…で、何があったの?』
『うん…実は』
僕は悠李ちゃんにさっきの事を話しました。
『最っ低!アイツ等ただじゃ済まさないんだから!!っと、それよりも手紙ね。』
……悠李ちゃんも一緒に探してくれますが、なかなか見つかりません。
すると…
『どうしたのかな、君達?』
校長先生が話し掛けて来ました
『あ、こんにちわ校長先生。』
『はい、こんにちわ。』
『それよりも校長先生、この辺りで“紙飛行機”見ませんでしたか?』
『紙飛行機?私は見てないね。もしかしたら用務員さんが掃除したのかも…』
そんな事を話してる最中用務員さんがゴミ袋を持って、焼却炉の方に歩いていくのが見えました。
『!!』
『待って!用務員さん!!』
僕と悠李ちゃんは用務員さんを追い掛けます。
用務員さんを追い掛けてる最中、僕の耳に聞きなれない声が聴こえました。
【【【【異界より我が呼び声に応えよ】】】】
『えっ?』
僕は反射的に応えてしまいました。
すると…
僕の足元から得体の知れない光が…
『優樹!』
『悠李ちゃん!』
光が僕達を包み込むと、僕達の意識はそこで途絶えました。
お読みくださいまして、ありがとうございました。
のんびりまったり書けたらと思います。ノシ