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序章の前に

「じゃー、長話もアレだしー。とりあえずそろそろ一回、転生してみようかー」


「随分軽いノリだなおい」


「重く言っても軽く言っても同じでしょー?」


「いや、そうだけど……仮にも俺の人生だしあんまり軽くされると不安なんだが」


そうでなくても担当者がめちゃくちゃ不安なんだから、せめて少しでも安心感が欲しい。しかしそんな俺の気持ちが伝わるはずもなく、それどころか


「まあ心配しなくてもー、最初の方はわんこそばみたいに転生繰り返すと思うからー、心配しなくてもいいよー」


アリミディアは更に不安が増すような言葉をこっちに吐き出した


「はい?……ちょっと待て!それ何回も死ぬってことじゃねえか!そんな簡単に死んでたまるか!」


「うーん、でも統計的にはー、そう言う数字が出てんだよねー」


アリミディアの話では、記憶を引き継いでいる転生者というのは文化の違いについて行けずにわりと簡単に死ぬことが多々あるらしい。また、どんな風に転生するかの運もかなり絡んでいる、らしい


「というか運の要素の方が大きいかなー、運が悪い人だとー、転生して三秒って人もいるしー」


「三秒って、スタート直後にクリボーにぶつかるマリオじゃねえんだから……」


「あー、冗談みたいに言ってるけどー、ホントにそうやって死んじゃう人だっているんだよー。だから運は大事なのー」


「マジかよ……生まれ変わるのに運ゲーしなくちゃいけないのか」


「そうそうー。でー、君の場合は長く繰り返してるからー、それだけカルチャーショック大きだろうしー、それに君あんまり運なさそうだしー。だから十回位死んじゃいそうだなーって思ったの」


余計なお世話だ。こうなりゃ意地でも上手いこと生き残ってやる。運要素がなんだ!自慢じゃないがくじ引きとかしたら二等とか三等とかそこそこの結果出してたんだぞ俺は。まあ……そういう時は必ずその直後の人に一等出されるとかだったけど


「じゃー、まずはどんな世界に生まれ変わるか決めようかー」


「え?そういうのってこっちで選んでいいのか?」


「普通は駄目だよー、書類関係面倒だからねー。だからこの一回だけねー。まー、私なりのサービスってやつー?」


……アリミディアが天使に見える。いや正しくは天使じゃなくて神様だし、声だけ聞こえているから姿は見えてないんだが


「でー、君はどんな世界がいいのー?」


「そりゃ、剣と魔法のファンタジーな世界がいいな、やっぱり」


「……ありきたりだねー。なんかいかにも凡人の発想っていうかー」


ええい、うるさい。ありきたりで悪かったな。一度でいいから魔法とか使ってみたかったんだよ。リセットは魔法なんかじゃなくて呪いみたいなもんだと思ってたし


「まあいいけどさー。それじゃ、次はエディットに移ろうかー」


「エディット?」


「んー、簡単に言うとー、どういう姿形にするかを選ぶことだねー」


「マジで!?容姿を選べるの!?じゃあ金髪碧眼の顔は超イケメンで…」


「はい、そこまで」


容姿についての希望を言っていたらアリミディアに止められた。なんだよ、希望はまだあるぞ。何ならノート一冊分くらいに細かく書いてから渡してもいいぞ


「あのねー、選べるって言ってもその世界に完全に溶け込めるようにー、一から容姿を再構築するように設定するかー、多少の不具合が出ても今までの姿をキープするか位だよ」


「全然選べてないじゃないか!……どうせあれだろ?ほんとは細かく設定できるのを面倒だからってやってないだけなんだろ?」


「失礼だねー、まー、その通りなんだけどさー。そこまで言うならちゃんと選ばしてあげてもいいけどー、設定がすごい面倒だからー、三日位は覚悟しておいてねー」


「ぐぬぬ……このサボり魔め」


三日間もこの生殺しの様な状況が続くのは出来れば御免被りたい。泣く泣く俺は確実なイケメンの可能性を放棄する。ちなみに容姿に関しては完全ランダムの方を選択した。確率が低くても、少しでもイケメンに生まれる可能性に賭けたい。まあ失敗しても魔法のある世界だし、最悪魔法で何とか出来るだろうという目論見もある


「オーケー、設定終わったよー。じゃあ初めての転生、いってみよ~」


アリミディアの声と共に、まるで深い闇の中に引きずり込まれる様に意識が遠のいていく。初めての異世界転生、果たしてどんな運命が俺を待っているのだろうか……

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