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居候とプライド

作者: 高杉

夜空を架ける流れ星が見えた。


公園のベンチで泣くなんてベタだとは思っていたが、こんな偶然もあるんだな。少しならず馬鹿馬鹿しくなった。



家に帰る気にもなれない。

どうせなら残業がてら会社に泊まればよかった。社内には心地よい布団も、温かいコーヒーもある。



帰宅途中に誘われて、飲みに行って、公園で一人缶ビール。


家には昔からの居候がいる、でも今はとても会いたいとは思えない。帰りたいとも思いたくない。

…でも帰ったなら。きっとご飯を準備してくれてて、連絡を寄越さなかった俺を心配しすぎて、あいつなら泣いてるかもしてない。



人を思うと、心なしか帰りたいと思ってくる。悲しくて苦しい。



家までは歩いて20分もかからない。



でも強気な自身が「帰らない」と囁く。




空には星、手には空の缶。

心には居候と愛情が浮かんできた。




「…帰ってやるか」

仕方ないから。


あいつの為だと自身に言い聞かせ、早足で帰路を辿った。





家に着いた頃には、早足のせいで息が切れていて。呼鈴を聞いて出てきた居候は、俺をまるで病人の様に介抱した。






はち切れそうな腹に手作りの夕食を詰めては彼のお酒に付き合った。


そして一言「ごめんな」と。

ふいに出た言葉が恥ずかしかった。

ありがとうごさいます。

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