エルフの森 連続ツルツル事件(十一) 激突、もさもさモッサン!
うっすらと夜が明けてくる。
シマ君のねぐらである『おやすみハウス』にはマジックミラーのように内側からのみ外を覗ける巨大な窓があり、木々の間から朝焼けの鮮やかなオレンジ色の光が差し込んでいた。俺はベッドの上で緩やかに覚醒しながら、その光の帯の中で煌めきながら踊る小さな埃を眺める。すぐそばでは仲間たちの寝息。皆良く眠っていた。
昨日は楽しかった。
夕食には俺がシマ君に言った通り、ありとあらゆる料理を並べた。ちょっとした満漢全席といった感じで、大興奮したのはシマ君だけでなくフレイとセーラも随分とテンションが振り切っていたように思う。特にセーラ。野菜だけでなく肉も大好きなエルフはモーモー鳥の丸焼きを口一杯に頬張り幸せそうな顔をしていた。基本的に美味しいものなら何でも食べるらしい。フレイも「食べられる時は食い溜めしておく」という極貧生活時代からの習慣が抜けないらしく、苦しくなるまでガツガツと食べまくった。その点、普通の家庭育ちのリリーとシスターであるルシアは上品なものだ。常識的な範囲で沢山食べてくれた。俺のストックは結構減ってしまったが、その分喜んでもらえたしこれで良かったのだろう。
その後は眠気が来たセーラとルシア、リリーが先に寝て。フレイは工房を借りて弓のメンテナンス、俺はシマ君に罠の扱い方を教わる事になった。フレイはマレビトの工具に面食らいながらも器用に扱い弓を整備し、作業を終えた後は眠くなるまで俺が罠に四苦八苦する姿を見て笑っていた。シマ君の用意してくれた罠は、思いのほか扱いが難しかったのだ。まるで巨大な花のつぼみを開いて行くように、畳まれた金網の板を手順に従って広げて行く。とても固く、閉じる力が尋常ではない。それを付属の金具で固定して行きながら一つ一つ展開して行くのだが、広げきった姿はさながら金属製のラフレシアであった。その中心には俺。外に出る事を忘れてしまった為に自ら罠に引っかかった格好になり、フレイに爆笑されてしまった。少しでも動いたら重みに反応して金具が外れてしまうので、仕方なくまた一つ一つバラしてやり直す事に。シマ君の『ホンマは二人がかりで組み立てるもんやけどな』という言葉に殺意を覚えたのはここだけの話だ。
シマ君の助力を得て罠を広げきった所でフレイは就寝。シマ君もルシアのベッドに潜り込んで眠りについた。……止めなかったけど良かったのだろうか。まぁいいか、猫だし。そして俺もアイテムボックスから取り出したウィスキーをひっかけながら、メモ帳に今日起きた事を走り書きして就寝。女性陣から少し離れた場所にあるベッドに横になって、そのまま眠った。……まぁ、当然だよな。さすがにこのシチュエーションでセーラと一緒のベッドには入れない。
いつもならセーラの重みと温もりを感じながらの目覚めとなるハズなのだが、今朝は幾分寂しい起床となった。俺はベッドの上で四肢をぐっと伸ばすと、上体を起こしてベッドを下りようとする。その時、何やら小さな重みを胸板の上に感じて俺は動きを止めた。重みの正体はシマ君だった。
『兄さん、起きたか』
「おはようシマ君。君も早いんだな」
時刻にして朝の5時半くらいだろうか。四六時中寝ている猫にしてはシマ君は元気すぎるような気もするが、そこは猫と猫妖精の違いだろうか。
『起きて早速で悪いんやけど、よくわからん事がおきとる。悪いけどみんなを起こしてくれるか?』
「……いいけど、緊急事態なのか? 俺が起きるまで待つ余裕がある所をみるとそうじゃなさそうだが」
『んー……まぁ、今んとこ大丈夫なだけやけど。とにかく手分けして起こそ』
何とも煮え切らない返事だが、仕方ない。彼がいたずらに不安を煽るような事をするとは考えにくいし、ここは言う通りにしようか。
ベッドから下りて先ずはセーラの元へ。枕を抱いて顔をうずめているセーラは文句なしに可愛らしい。これを起こしてしまうのは気が引けるが、心を鬼にして起床をうながそう。
「セーラ、セーラ」
「ん……んみゅ?」
………。
いや、ダメだ。心を鬼にするんだ、俺。
「おはよう、セーラ。すまないが起きてくれ」
「……カトーさん、大好きれふ」
………。
やっぱりやめようかな、と思った時。その隣のベッドから奇妙な声が聞こえて来た。
『ルシアの姉さん、起きてんかー…うごぁっ!?』
布団が突如三角の山を作り、突き上げられたシマ君が一瞬で真上に2メートル近くぶっ飛ばされたのだ。
「うーん……治療の順番は守ってくださーい……むにゃむにゃ」
どういう夢なんだ。順番待ちの患者が割り込んだのだろうか。それをアッパーカットで制裁とか、このシスターは鬼か悪魔か。落ちて来たシマ君はベッドの端でぐったりしてるし、やっぱり必然的に起こすのは俺の仕事になるんだろうなぁ。嫌すぎる……。
嫌な事はさっさと終わらすに限る。俺は天使のベッドを離れ猛獣の眠る巣へと移動した。そして、暴れても大丈夫なように布団の上から両腕を抑えて声をかける。これなら寝ぼけても蹴りくらいしか飛んでこないだろうし、自慢じゃないが腹筋の頑丈さでは誰にも負けない自信がある。多少の蹴りにはビクともしないハズだ。
「ルシア。すまないが起きてくれ」
「ん……ぁ、あれ、カトーさん? って、ど、どどどど!?」
一発で起きてくれたのは良かったんだが、途端に顔を真っ赤にするルシア。一体何事かと思ったが、よく考えたら凄い体勢で声かけてるよな、俺。上から覆い被さった状態で、これじゃ誤解されても仕方がない。
「落ち着いてくれ、ルシア。これは別に君をどうこうしようというわけじゃなくて……」
「どどど、ど、どうぞ召し上がれっ!」
「いいから落ち着け」
寝ぼけてらっしゃいました。
全く何を口走ってるんだルシアは、俺が独り身で自制出来ない人間ならお言葉に甘えていた所だぞ……
「シマ君が言うには、ちょっとおかしな事が起きてるらしい。皆を起こしてくれと頼まれた」
「へっ? シ、シマ君……ああ、猫妖精の。ここ、そう言えば遺跡のベッド……」
困惑しながらも何とか冷静さを取り戻すルシア。さすがだな。猛獣を起こすという一番の難関は、これで突破できたようだ。後はリリーとフレイ、セーラだが……
リリーは普通に起きていた。というか今の騒動で起きたのだろう。横になったままぼんやりとこちらを見ている。
「カトさんがエロい事してる……」
「誤解だ」
リリーは大きな欠伸を一つして、目蓋を手でグシグシとこする。これならもう二度寝はしないだろう。次にフレイはどうか。彼女は結構遅くまで起きていたから後回しにしてあげたい所だが。
リリーの隣、鼻先まで掛け布団をかぶって眠るフレイ。頭に生えた両の猫耳はこちらの方を向いてピンと立っている。おや?
俺が動くと耳も動く。右に歩けばそちらの方へ、左に歩けばこちらの方へ。明らかにサーチモードに入っていた。これはもう起きてるだろう。
「フレイ。すまないが起きてくれ」
「ぐーぐー」
こんな分かり易い狸寝入りがあるか。隣のベッドでは備え付けのカーテンをひいてリリーが身嗜みを整えているが、そのカーテンの向こうからこんな事を言ってきた。
「カトさん、フレイはルシアみたいに起こしてもらいたいんじゃない?」
「ルシアみたいに?」
それはアレか、上から抑えつけながら起こすやつか。よくわからん趣味だな。とりあえずリリーの言う通りに両腕に手を置いて覆い被さる形になる。そして耳元でささやいた。
「フレイ、朝だ。起きてくれ」
「……それじゃダメ」
なんだと?
布団を被ったままフレイは言葉を続ける。
「なんかルシアの時はもっと甘かったような気がする。もっと愛情込めて欲しいな」
ううむ。難易度が跳ね上がったような気がするが仕方ない。俺に出来る精一杯の愛情を込めてやろう。それにしても愛情込めた起こし方って何だ? よくわからんから、母親の起こし方を思い出しながらやってみよう。
「ほらフレイ起きなさい、もう朝になったわよ?」
「ブフォッ!?」
布団の下で爆発した。
「クッ、クククククァハハハハハ、アハハハハハハ、なにそれ、なにそれー!」
「愛情一杯じゃないか?」
「き、きもい、きもすぎるアハハハハハハハハハ、アハハハハハハ!!」
確かに野太い男の声でこのセリフは変だとは思うが、それにしたって笑いすぎだろ。呼吸困難になるくらい笑い続けるフレイ。これはもう起きたと言っていいな、というか起きてるし。じゃあお待ちかね、セーラの元へ行こうか。そう思って目を向けると、セーラのベッドにはいつの間にか意識を取り戻したシマ君がちょこんと乗っていた。おい。
『嬢ちゃん、起きてんかー。朝やでー』
ぷにぷに
「んみゅう? あれ、シマさん?」
ぅおのれぇぇえええええ!!
『え、えっとな。早よう起こしてしもて申し訳ないんやけど、先ずはこれを見て欲しいんよ』
ルシアの肩の上で尻尾をボサボサにして震えながら、シマ君は壁に取り付けられた液晶パネルのような物を指差した。何を怯えているんだろうな、俺にはサッパリ分からないや。
『こ、ここや。これが遺跡の結界を操作するパネルなんやけど、トラップ作動回数も確認出来るんよ。で、これが今日既に14回も作動しとる』
ん?
『んで、その作動した瞬間の映像記録がこれや』
シマ君がパネルを操作すると、液晶に少し荒い画像が映し出される。監視カメラで映したかのようなその画像には、何やら丸いものがぐるぐると回転する姿が。これはまさか、ヤツか?
「カトさん、もしかしてモッサンってこっちの居場所が分かってる?」
少しビビり気味のリリー。確かに怖いな、遺跡内部にいる俺たちの居場所をしっかり捉えているのはどういう絡繰りだろうか。というか俺が寝たまま気づかなかったという事は、索敵をくぐり抜けていたという事だろう。忍術系スキルのせいだろうか。ちょっと洒落にならないぞ。
映像はヤツが結界トラップに引っかかって消滅する所で一旦止まる。が、その10分後にまたヤツの姿が映し出された。身体中に黒く禍々しい煙を纏いながら、突っ込んでくる毛玉。ギュルギュルと音を立てて、また空中で消える。結界に引っかかると森の外まで飛ばされるというが、つまり、ものの10分で森を突っ切って来たという事か。ありとあらゆる呪いをその身に受けながら。明らかにパワーアップしてないか、コイツ。
「『索敵』を持ってるんだろうな。見た目からして一回り大きくなってるし、あれからまた成長したのかもしれない」
「うげー……」
フレイがウンザリした顔で呻いた。
「迷わずこちらに向かって来ているという事は、俺の髪がお気に召したようだな。探す手間が省けて助かるが、さてどう戦おうか」
突進力は恐ろしい。多分俺でもダメージを受けるレベルには達していると見ていい。となるとセーラとフレイは絶対に前に出せないし、まだパラメーターを見ていないがルシアも後方待機だろう。俺が前に出て、リリーが遊撃というのが基本の形になりそうだ。
「カトーさん、私は木の上に陣取って隠れながら攻撃するよ」
「フレイ……。わかった、狩人ならそのスタイルが一番やりやすいかもしれないな。充分に気をつけて戦ってくれ」
「うん」
ルシアは……どうしようか。俺が目を向けると、彼女は冒険者カードを差し出しながらこう言った。
「私は前線でも戦えますよ」
名前 ルシア(Lv27)
種族 人間 19歳
職業 ミリア教僧侶(Lv30)
HP 512/512
MP 320/320
筋力 85
耐久力 90
敏捷 110
持久力 43
器用さ 86
知力 58
運 10(+50)
スキル
カインドヒール(Lv13)
ホーリーヒール(Lv22)
ホーリーキュア(Lv25)
アースプロテクト(Lv1)
キリマン流闘拳術(Lv32)
奥義・外道昇天脚(Lv5)
奥義・局部圧殺掌(Lv1)
奥義・心的外傷幻惑拳(Lv1)
究極奥義・不死鳥的理不尽蘇生(Lv1)
自動カウンター(Lv5・気絶効果付与)
物理攻撃無効(確率・少)
戦闘中物理防御力上昇(Lv25)
素晴らしき大防御(Lv9)
紫外線ブロック(Lv88)
猫好き(Lv62)
※招き猫の祝福(幸運を呼び、乱数を味方につける)残り82日
……なんだ、これは。
モンク的キャラクターなら確かにこんなパラメーターになるだろうが、ここまで物理に強いスキルで固まってると盾役が務まりそうな勢いだな。というか招き猫って何だ、意味不明すぎる上に乱数とかゲーム内だけの話じゃないのか。理不尽蘇生とかどんなバグキャラだよ、俺よりよっぽど凶悪な存在になってる気がするぞ。
「カトーさん……ダメ、ですか?」
「いや、これを見たらダメとは言えないだろ。けどリリーほどの耐久力も持久力も無いから、遊撃するにしても無理は禁物だ。全体の状況を見て、攻撃と回復のどちらを優先するか判断しながら戦って欲しい」
こう言うしかないだろう。ルシアは嬉しそうに「はいっ!」と元気良く返事をしたが、防御系スキルが上手く発動しなければ致命傷を負う可能性もある。常に気を配っていた方が良さそうだ。さて次にセーラだが、セーラは何やら考え込んでいた。
「どうかしたか?」
「え、あ、ちょっと考えてたんですけど。カトーさんはまず罠を使ってネズミさんの動きを止めるんですよね」
「ああ。足止めして、その間にダメージを与えて戦いを有利に運ぶ。昨日言った通りの戦い方で行くつもりだ」
「ふーむ……」
ガサゴソと腰に付けたポシェットをあさるセーラ。何を取り出そうと言うのだろう。そう思って待っていると……
ドンッ!!
大きな音と共に、出入り口の扉が震えた。
「まさか、結界を突破したのか!?」
『いや、そら無いで! いくら何でもマレビトの血を持たんヤツが結界を突破出来るわけ……』
ドンッ! ドンッ!!
慌ててパネルで確認する。そこには扉目掛けて体当たりする毛玉の姿。また一回り大きくなっているような。これじゃ小型のクマじゃないか。
「ど、どうするのカトさん! これじゃ計画が無意味になっちゃう!」
「大丈夫だ、落ち着け!
……まず皆は扉から離れてくれ。扉の前に罠を仕掛ける」
こうなったら仕方ない。昨日広げたままにして置いていた罠を、扉の前へと移動する。そして俺は肩まで伸びた自分の髪の毛を片手でまとめると、腰に下げたディメオーラを抜いて一気に切り落とした。
「「「あっ」」」
「緊急事態だ。諦めてくれ」
髪の毛を紐で束ねて、罠の中央に置いた。これで仕掛けは終了。後はヤツが飛びついて罠に引っかかった所を攻撃するだけだ。
「罠が作動した所に思いっきりドロップキックでもかまして、外に放り出してから戦おう。
……よし、シマ君扉を開けてくれっ!」
『よっしゃ、任しとき!』
ピッという電子音。
同時に扉が音を立てて開く。そして逆光を受けた大きなシルエットが、俺たちの前に飛び込んで来た。それはさながら毛の長いクマ。決してネズミではない。よくもまあ短期間にこれだけ成長したものだ、と思いつつ俺は嫌な事に気づく。もしやこれ、俺の成長補正スキルを吸収したからとか?
『毛、毛ダ……!!』
その毛玉は真っ先に罠の上の毛を見つける。飢えた獣という表現がピッタリ来るくらいの貪欲さで、罠の上に飛び込んだ。
『毛、腹ガ減ッ…』
ガシャガシャガシャガシャ……ガシャンッ!
『毛ェーーーーーーッ!?』
「よし、掛かった!!」
中央に乗っかった途端に巨大な金属の花びらが勢い良く折り畳まれて行く。最後に鎖がグルグルに巻きついて、毛玉は完全に檻の中に閉じ込められた。これで外へと蹴り出せば……
「カトーさん、『ウォータージェイル』を!!」
「セーラ!?」
その時後方から鋭い声が。セーラだ。セーラが俺に魔法を使えと指示してきた。驚きながらも反射的に俺は魔力を手のひらに集める。直感持ちのセーラの事だ、きっと良いアイデアを閃いたに違いない。ここは黙って従うのみ。
「くらえ、『ウォータージェイル』!」
檻の中の毛玉を、さらに水の檻で包み込む。そして水流をコントロールして洗濯機のようにグルグル回すと、そこにセーラがもの凄いスピードで駆け寄りポシェットから何かを取り出した。
「ていやーーーーーーッ!!」
にゅるるるるるるるるっ!
『ピギュアァァァァァァァ!?』
水の檻に何かが混ぜられる。毛玉は突然の攻撃に狼狽するばかりだ。そしてすぐさま離脱したセーラがこちらに振り返って叫んだ。
「カトーさん、終わりました! 外に放り出してください!!」
「よし、行くぞ毛玉野郎! どりゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
俺は全力で駆け出し、今まで放って来たドロップキックの中でも最高の一撃を毛玉目掛けて繰り出した。低空ドロップキックは実はド派手な空中ドロップキックよりも威力としては強烈だ。かつて会社の懇親会で行ったキャンプ場で、ヒグマに出くわした際に問答無用でその股間をクラッシュしてみせた(会社内で)伝説のドロップキックが、それ以上の威力をもって毛玉に炸裂した。そして……
ガッシャアァァァァァンッ!!
金属のひしゃげる凄まじい音と共に吹っ飛ぶ毛玉&檻。俺たちはすぐさま遺跡の外に飛び出して、戦闘体制を整える。
「フレイは予定通り木の上へ! リリー、ルシアは俺に続け! セーラは物陰に隠れて魔法攻撃の準備を!!」
「はいっ!」×4
素早く散開して戦闘体勢を整える。俺が一番前、少し離れて左にリリー、右にルシア。超人的な跳躍で木々を飛び移って毛玉の背後の木の上に陣取るフレイ、セーラは俺の後方にある藪に身を隠す。そして肝心の毛玉というと……
もっさあぁぁぁぁぁぁぁ!
『ピギュァアアア!(ナンジャコラァアア!)』
毛が更に長くなり、もはや毛にまつわる新手の妖怪かと疑いたくなるほどの増毛進化を遂げていた。それも金属の網が長い毛に絡みついて外れない。これは痛そうだ!
「毛生え薬か……セーラもやる事がえげつないな」
素晴らしいアイデアだが若干気の毒でもある。檻の中でもがく毛玉、俺の蹴りで歪んだ檻はちょっとやそっとじゃ外れそうにない。厄介だったスピードはこれで完全に死んだだろう、これは大きなチャンスがやってきたぞ。
「行くぞ、総攻撃だ!」
ディメオーラを構え、俺は大きな声で号令をかける。
かつてない死闘が、ここに幕を開けた。
名前 モッサン(仮)(Lv100)
種族 ネズミ型キマイラ
HP 1952/2500
MP 1520/1612
筋力 180
耐久力 220
敏捷 195
持久力 210
器用さ 7
知力 10
運 8
スキル
自動HP減少(胃酸過多による)
自動HP回復(小)
自動MP回復(中)
逃走確率上昇(小)
ステルス移動(小)
影分身の術(Lv16)
身代わりの術(Lv10)
土遁の術(Lv8)
火炎剣(Lv4)
ウォーターヒール(Lv12)
螺旋槍(Lv1)
ソードダンス(Lv1)
粘菌攻撃/吸収/溶解(Lv50)
体当たり(Lv66)
呪詛耐性(強)
ひるがえり(Lv3)
パリイ(Lv2)
狂戦士化(Lv11)
結界破り(Lv2)
成長補正(中・本人のみ)
犬の鼻(Lv1)
※毒・部分的麻痺・身体能力低下・スキル効果減少・寄生の状態異常あり




