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イカと信仰心と成長補正

 仲良くなったクロスたちに連れられてやって来たのは、トレットという漁村だった。初期の『ワイルドフロンティア・オンライン』では、フォーリードで受けるクエストは大体この村に関する事が多かったので、俺も結構覚えている。干物や瓶詰めといった食料品を運ぶお遣いクエストが定番だった。実際にその食料品を口に出来るという事で、俺のテンションはかなり上がっている。態度には表さないが、出来る事ならスキップしたいくらいだった。裸で。


 トレットは木造の家が殆どで、浜辺では魚やイカの干物を作っていたりする長閑な村だ。食事処は一カ所しかなく、時間帯によっては村人の集会所のようになってしまう。俺たちが行った時は混雑する時間帯を過ぎていたらしく、のんびりと食事を取る事が出来た。食べたのは焼き魚定食。舞台がヨーロッパチックな癖に和風の食べ物があるという所に、和製RPGの良心を感じる。


「ふぅ……久しぶりに沢山食べた。満腹だ」


「そりゃそうだろ、二人前だぞ。そんなに切り詰めた生活していたのか?」


 呆れるクロスたち。これが俺の普通なんだが、勘違いしてるらしい。まぁいいかと嘘をつく事にした。


「旅をしてれば、食える時に溜め食いするって習慣がつく。基本的に旅の最中は保存食をチビチビ食って、後は現地調達だからな。腹が膨れるなんて事はめったに無い」


 因みに定食は800Yだった。通貨はYで読みはエンである。露骨に和風設定なので、某反日国のユーザーから洗脳だとイチャモンをつけられたという逸話があるが、本当かどうかは分からない。とにかく2食で1600Y。ごっつぁんである。


「そう言えば、旅費とか大丈夫なんですか? 随分大変な旅をなさってるみたいですけど」


 シスタールシアが尋ねて来た。この人はやたらと少食だった。食費を節約出来て羨ましい限りだ。


 俺は指摘されて初めて所持金を確認していない事に気づく。そう言えばアイテムボックスってこの世界でどう再現されるんだろう。試しにアイテムボックスを呼び出してみると、腰に少し大きなウェストポーチが現れた。


「あ、さすが魔法使いですね。私も空間魔法でアイテムの持ち運びしてるんですよ」


 どうやらアイテムボックスは普通に再現されるらしい。中身を脳裏で確認して、指定してからポーチから取り出す、という流れだ。とりあえず金額を確認すると……


『182億7911万4500Y』


 ………。


 ああ、お金はボーナスポイントに変えられないから、そのまま引き継いだのか。ビックリして心臓止まるかと思ったよ。


「11万ちょっとだからそろそろ稼がないと厳しいな。フォーリードに行って、日雇いの仕事でも探すか……」


 辻褄を合わせる為、とっさに低い金額で答えた。が、どうも低すぎたらしい。途端にルシアだけでなくアメリアとフレイが眉をひそめる。クロスに至ってはヤレヤレといった表情でため息をついた。


「カトー、そんなにキツいなら格好つけずに俺たちに槍を売れば良かったんだ。そうでなくても、サハギンを倒したのはお前なんだから賞金はお前がもらうべきだろう」


「いや、別に構わないよ。俺はまだギルドに登録してないただの一般人だから。賞金を受け取る権利は無い」


 そう、よく分からない仕組みなのだが、こうした討伐の賞金は一般人では受け取れない事になっている。受け取れるのはギルドに登録した冒険者のみなのだ。だから俺は受け取れない。今となっては受け取らなくても構わないんだけど。


「じゃあこうしよう。仕事を探すついでに、俺たちと一緒に冒険者ギルドに寄ってくれ。そこで俺たちが受け取った賞金を、お前に渡す。サハギンの賞金は300万だから、しばらく生活費には困らないだろう」


「いや、それだとお前たちが困るだろ。そんなに金を渡したいなら、50万でいい。それだけあれば大丈夫だ」


「いやいや、なら200万! せめて3分の2は持ってってくれないとこっちもプライドという物があるんだ、何もしないで大金は受け取れない!」


「じゃあ100万、それで勘弁してくれ」


「いや、150万! 半分以上は俺たちも受け取れん!」


 結局賞金は半々にする事となった。色々あべこべな値切り交渉だった。アメリアは呆れて、フレイとルシアは笑っていた。なんなんだろうな、これ。とりあえずクロスがお人好しだという事は、イヤというくらいに分かった。







 食事の後クロスたちは、サハギン討伐を依頼した漁村の村長の下へ、討伐完了の報告をしに行った。その間俺は保存食を買いだめしに、村の店を回る事にした。そして何故か、シスタールシアが俺に同行する事になった。


「なんでだ?」


「邪魔ですか?」


「いや、別にいいんだけど」


「良かったです」


 ニコニコしながらついてくる。まさか俺の裸を見て惚れたワケじゃないだろうな、と一瞬思ったのだが、相手はシスターである。それはないだろう。俺は気にするのをやめて、食料品を探す事に集中した。


 保存食は高い。加工に手間がかかるからだ。この村では主にイワシの瓶詰めとアジの干物、スルメを作っている。スルメ五枚で2000Y。現実世界ならぼったくりも良い所だ。いや、こんなものだったか?


 ちなみにルシアはスルメが苦手らしい。天日干しをしている作業場を通りかかった時、鼻を押さえていた。


「私、このニオイ苦手なんですよ……」


「そうなのか?」


「あの、なんて言うか……ニオイというかニオイが連想させる物が苦手というか」


 ああ、あれか。


「つまり男性の股間のニオイに似ているから苦手と」


「思いっきりあからさまに言わないで下さい!!」


 顔を真っ赤にして叫んだ。何故だ。


「よく分からないな。あんなに興味深々に俺のを見つめていただろう?」


「や、あ、あれは違いますっ! というか興味津々で見たりしてません!」


 それは嘘だろう。穴が開くほど見つめられたぞ。実際に穴が開いたらどうしようと不安になるくらいに。


「そんなに大声で否定しなくても聞こえる。見ろ、周りの人が驚いてるじゃないか」


「えっ!? あ、あぅぅ……」


 娯楽の少ない小さな漁村である。注目されるのは当然の事だった。


「全く、いけない子だな」

「カトーさんが悪いんじゃないですかぁ……」


 小さくなって恥ずかしがるルシアは、なんとも言えない愛らしさがあった。


 スルメの次はアジの干物である。これは三枚で1500Y。高いか安いかまた微妙な所だ。やや小ぶりだから、高いのかもしれない。けど保存食だから仕方ないのだろう。ルシアは大人しい。さっきからかったのが思いの他効いたようだ。


 他には竹で作られた水筒が1000Y。麦藁帽子も同じく1000Y。合計5500Yを使った。うん、地味に高くついたような気がする。しかしこれから2日も歩かなければフォーリードにたどり着けないのだから、これでも少ないくらいだろう。日差しが強いこの辺りは麦藁帽子が特に必須なハズだ、無駄にはならない。そう思って待ち合わせの村長宅前に行くと、クロスから思わぬ言葉を聞く事になった。


「運良く丁度今、商隊の護衛の仕事が入ったんだ。移動は馬車の荷台に乗れるらしいから、フォーリードまで早くつけるぞ!」


 麦藁帽子はいきなり戦力外通告を受ける事となった。










 正午を周り、俺たちはトレット村を出発した。商隊と言っても規模は小さい。馬二頭で屋根付きの荷台を一つ牽引するタイプが3つ。先頭をクロス、二台目にアメリアとフレイ、三台目に俺とルシアが乗る事になった。ルシアは何故か俺と一緒になりたがる。不思議だったのでそこら辺を聞いてみると、意外な答えが返って来た。


「私の信仰神が、ミリア様なんです」


 なんじゃそら、と一瞬思ったが、直ぐに納得した。そう言えばルシアはシスターである。僧侶系の職業は信仰心の上昇で使えるスキルが増えたり強力になったりするのだが、信仰する神によって信仰心を上げる方法が変わってくるのだ。


 勧誘して信者を増やせば信仰心が上がる、という傍迷惑なネズミ講チックなものもあれば、規則正しい生活をするだけで信仰心があがる神もいる。生け贄を捧げなきゃならない神や、ログイン回数を増やさなきゃならないという変わった神もいるのだ。そんな中、ルシアの信仰するミリア教と言えば……。

「優しい人と一緒にいる、もしくは誰かに優しくしてあげると信仰心があがる、というやつか」


「はい。カトーさんはとても優しいですし、私も何となくカトーさんには優しくしてあげたくなるんです。不思議なんですけどね」


「全くだ」


 俺のどこが優しいと言うのか。もしかしたら槍の件で勘違いしたのかもしれない。こんなセクハラ発言しまくる人間が優しかったら、世界はエロスという名の優しさで満ち溢れるに違いない。


「という事で、カトーさんは気にしないで下さい。単に私が一緒に居たいだけですから」


「よく分からんが、分かった」


 ガタガタと荷馬車に揺られながら、俺は言われるままに気にしないで居た。








 馬車はのんびりとフォーリードへと向かう。道中、モンスターは一匹も現れない。盗賊もだ。俺は表面上呑気に景色を楽しみながらも、別の事を考えていた。


 金はある。身体能力がこちらの世界でもまぁまぁ通用するのは実戦で確認したし、切り札のパンツの威力も確認した。ならこれからどうしようか。そこで俺が気になったのが、スキルだった。


 この世界で生きるのならば、いつか定住する場所を見つけるだろう。仕事だって見つけなきゃならない。俺にとって仕事とは金も勿論だが何より社会との繋がりである。何かしら繋がりが無いと不安で仕方ない性分なのだ。だからこそ仕事を得る為に、何か手に職を持ちたい。ゲーム世界で言うなら生産系スキルが、現実世界で言う所の資格に当たるだろう。ボーナスポイントを使って、そこら辺のスキルを身につけられないかと思ったのだ。


 ステータス画面を開き、ボーナスポイントの欄を見る。ポイント使用を選択して振り分け先の欄を見ると、おびただしい数のスキルが表示された。頭が痛くなる。錬金、金属細工、調合等のメジャーなものから暗号解読、盆栽、息止め等よくわからないものまで。視界いっぱい文字だらけで気持ちが悪くなった。


 俺はとりあえず、ポイント消費の大きい物だけをチェックして行った。コストがかかる物ほど良いものだと信じて。すると項目の中で一際コストの高いスキルを発見した。それは所謂パッシブスキルに分類されるもので、消費ポイントは5000。一気に所持ポイントの半分が消し飛んでしまうスキルだった。


『成長促進(最大)

 全ての成長に補正がかかる究極のスキル。これであなたも神になれる!?』


 胡散臭い事この上ない説明文である。しかしこれ一つ獲得すれば他の細々とした項目に目を通さなくてもいいのなら、獲得すべきだろう。俺はこのスキルを選んで「確定」をチェックした。


 身体に変化は無い。まだ何もしていないから当たり前だが、ちょっと不安ではある。いや、もうポイントは振り分けてしまったのだ。今更ビビっても仕方ない。俺は気を取り直して馬車の外を眺め続けた。









 大体三時間くらい経過しただろうか。海辺から森へと移動し、少し開けた草原地帯に出た所で休憩をとる事になった。本来ならば川のそばを通りたかったらしいが、今の時期は川近くに毒蛇が大量発生しているらしい。よって川から離れた場所で休憩を取る事になったのだが、やはり水分補給は大変である。二台目の荷台に飲み水を積んでいたのだが、その水を入れた瓶を覗き込んだ商人たちが渋い顔をした。


「う~ん、大丈夫かなぁ。この暑さで、水が悪くなったかもしれない」


 俺も近づいてニオイを嗅ぐ。確実にアウトだとわかるニオイだった。この世界ではまだイケるのかもしれないが、日本育ちの俺には無理だ。


「空の瓶か桶はあるか? 魔法で水を出してみる」


「ああ、売り物だけど一つあるよ。水が得られるなら使って構わない」


 大きさ縦1メートル、横70センチ程の綺麗な装飾が施された瓶を受け取る。皆が見守る中、俺は以前やったようにウォーターヒールの魔法を唱えた。


 両手から光り輝く水が瓶に注がれる。しかしこれだけでは4分の1しか貯まらない。続けてウォーターヒールを唱えると、身体の周りに光の輪が現れファンファーレが鳴り響いた。


 パララパッパラー♪


「あ、スキル上がりましたね。おめでとうございます」


 ルシアが言う。そうか、これレベルアップの音だったのか。手から流れ出る水が量を増す。いや、ちょっと多いだろコレ! 予定では4回で満たす所を、2回目で満たしてしまった。……威力3倍?


「とりあえずこれを馬に飲ませてやってくれ。新鮮な水だから安全だ。俺自身で試した事があるから、保証するよ」


「あ、ああ、ありがとう」


 目を丸くして驚いていた商人たちだったが、そのうちの一人が直ぐに馬を連れてきて、水を飲ませ始めた。馬は余程喉が乾いていたのか、凄い勢いで水を飲み始める。味も気に入ったようだった。


「俺、回復魔法を飲み水代わりにするヤツ初めて見た……」


「飲むか? 結構美味いぞ」


 買ったばかりの竹の水筒に、威力を調整してウォーターヒールを唱える。バンバン零れたが、なんとか満たしてクロスへと渡した。


「……なんだこれは。美味いにも程があるぞ」


 一口飲んで、つぶやいた。そして一気にガブ飲みを開始する。


「あ、ズルい! カトーさん、私にも下さい!」


「こらフレイ、余りムチャを言うな。……でももしMPに余裕があるなら、私たちにもいただけないだろうか」


「カトーさんの優しさを信じていますっ」


 結局俺はMPの半分以上使ってウォーターヒールを唱え続けた。いや、別に苦にはならない。熟練度を上げる良い機会だったからだ。ちなみに成長補正のせいか、作り出した水は完全に俺の好きだったスポーツ飲料を再現していた。これはアレか、願望とかが反映される仕組みか。タブ○リアとかマイナーな飲み物も作れるのだろうか。今度試してみよう。









 馬が走る。


 休憩を終えて驚く程回復した馬たちは、歩けばいいのに小走りになって草原をすすんだ。途中から走りやすい街道に乗ると商人が必死に減速命令しないと行けないくらいの速さで走り出した。商品に割れ物があった為、俺たちは全員で瓶や皿を支える作業に追われる事になる。仕事の内容がまるで変わっていた。


 そして夜中の10時くらいだろうか。俺たちは予定より大幅に速く目的のフォーリードにたどり着いた。街の入り口まで来ると、月の光を反射して煌めく鎧に身を包んだ門番がこちらへとやってくる。ミスリル製の全身鎧を着ている門番。この街にそれなりに高レベルの人材が多いという証である。


「随分と速い到着だが、何かあったのか」


 門番が商人たちのリーダーに声を掛けた。リーダー格の男が、少し興奮しながら説明をしている。時折こちらを見ながら話している所をみると、きっとウォーターヒールの件でも話しているのだろう。変な目のつけられ方をされなきゃいいが、と思う反面どうでもいいやという気持ちもある。やはり馬車に揺られっぱなしというのは疲れるのだ。早く宿に泊まりたい。……こんな遅い時間に、宿とれるのか?


「よし、通っていいぞ」


 門番が街の門を開ける。馬車で通過する際に門番の顔を見たが、フルフェイスの兜から表情は見えなかった。別段声をかけられなかった所を見ると、俺の行動は大して問題にはならなかったのだろう。内心でホッとしながらも、ポーカーフェイスを崩さずに街へと入って行った。


 解散は街の大通りに入った所で行われた。商隊は商人ギルドへ。クロスたちは冒険者ギルドへ。俺はと言うと、案内役を買って出たフレイと一緒に宿屋を目指す事となった。


「カトーさん、宿屋がどこにあるか分かんないでしょう? 私が案内しますから、安心して下さい」


「それは有り難いが、こんな時間に宿が開いてるものなのか?」


「それは大丈夫ですよ。ここには24時間営業の宿屋が3つもありますから」


 それは凄い。ついでに1日24時間というのも今知った。本当に現実と変わらないんだな。


 フォーリードの街は俺が記憶しているよりもかなり大きな街に変貌を遂げていた。夜中でも街は人が沢山行き交い、活気がある。とても冒険初心者がスタートするための街ではない。よく見ると所々に客引きのお姉さんがいたり、怪しい看板を掲げた店もチラホラ見かけられる。


「治安、大丈夫なのか、この街」


「何言ってるんですか、クオリタの街の方がもっと猥雑としてるでしょう。ここなんて可愛いもんですよ」


 どうなってるんだ『ワイルドフロンティア』。ワイルドにも程があるんじゃないか。そんな突っ込みを入れながらもフレイの後ろをついて行くと、賑やかな通りを一つ離れた路地に目的の宿屋が見えて来た。グランドホテル・フォーリード。ファンタジー気分を萎えさせる名前の割に、貴族の屋敷のような雰囲気のある外観をしている。一泊3万でも利かなそうな立派な佇まいに、少し引いた。


「……あんまり高級なのもどうかと思うが」


「あ、大丈夫ですよ。冒険者ギルドの人間は割引で半額以下になりますから。3人までなら一般人も割引対象になるんで、安心して下さい。値段は15000くらいかな」


 やっぱり3万じゃ利かない宿だったのか。冒険者って儲かるんだな、やっぱり。いや、俺が命賭けで倒したサハギンで300万だろう。それを考えると微妙……なのかな。そんな風にモヤモヤと考え事をしているうちに、フレイはさっさとカウンターへ行き宿の手続きを行っていた。どうも彼女はテキパキと動くタイプで、のんびりとした雰囲気のルシアとは正反対のようだ。俺は恋人に会計を任せて居心地を悪くしている彼氏のような気分を味わっていた。うん、宿の手続きくらいは自分でやりたいな。そう言えばこの間の出張の時も、製造の奴らにはこんな肩見の狭い思いをさせていたのかなぁ、と変な所で感傷的になった。


「よーし、受付終わりましたよ! これがカトーさんの鍵です。……あれ、どうしたんですか?」


「なんでもない。ありがとうな」


「フフフ、どういたしまして」


 少しフレイに癒やされた俺はロビーでフレイと待ち合わせる約束をして、荷物を置きに部屋へと向かう。その途中で、アイテムボックスを使えばいいという事に気づいて恥ずかしくなった。何故なら俺の荷物と言ったらスルメとアジの干物と水筒、そして麦藁帽子くらいだったからだ。高級ホテルでそんな物を手にして歩く俺は、端から見たらえらく滑稽だった事だろう。










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