休日のミッション クロス編
ホテルから出る際に時計を確認した所、時刻は大体午前11時。そろそろ昼食を買って帰らないといけない時間だ。俺はいつも通っているパン屋へと向かう。さあて、今日は何を買って帰ろうか。いつもハムとチーズを挟んだパンだからなぁ、と頭の中で色々考えを巡らせながら店を目指した。店に向かう道は以前通っていた職業斡旋所のそばを通る。見ると、今日もあの緑色の屋根の建物には職を求めて人々が集まっていた。
あの頃は気づかなかったが、この街には異種族が多い。エルフやドワーフ、巨人に猫人族。普通の人も多いが、少なくとも視界に一種族しかいないという光景が珍しいくらいには多種多様な人たちで賑わっている。俺が知るゲームのフォーリードよりも活気があるようだ。捕まったあの木こりのリーダーや憲兵の話では、最近移民が多いらしいし、これからこの街はもっと変わって行くのだろう。
斡旋所の前の通りを抜けて、俺は目的の店にたどり着いた。パン屋『ローナー』。この店は言い方は悪いがややボロく見える。石造りの建物だが歴史が古いようで、テレビで見る北欧の田舎のパン屋のようなのだ。パンを焼く窯が何百年も前から使われているような、そんな感じ。そしてそんな店の主も雰囲気に合ったようなしわしわの爺さんであった。
「爺さん、また来たよ」
「……おお、大飯食らいが来よったな。また沢山金を置いていけ」
「強盗じゃないんだから、その言い方は止めろって言ってるだろう。ちゃんとパンを出すなら置いてくよ」
パウエルとかいう店主はなかなか味のある爺さんで、鼻が非常に長くて丸メガネ。パーティーグッズのバナナ眼鏡を掛けてるみたいな容姿だ。髭と髪は無い。今の俺はチクチク坊主だが、以前は二人でツルツル、店内を照らす仲だった。俺は彼を爺さんと呼び、爺さんは俺をお前さんと呼ぶ。木こりの頃から親しくさせてもらっている。
「強盗、か。最近は多いらしいなぁ。いや強盗じゃなく盗賊だったか」
「どっちも似たようなもんだろう。爺さんも気をつけなよ、ああいう奴らは相手が年寄りだろうと容赦しないから」
「ふぇっへっへ、こんな老人を襲うやつなぞおるまいて。もし襲われてもワシのパンでボコボコにしてやるわい、今まで何千という敵をワシのパンで蹴散らして来たんじゃからな」
「食べ物を粗末にするなよ……。第一これからそのパンを買おうって人間に聞かせる話か」
どうでもいい会話だが、この脱力するような空間が俺の好みに合ってるんだよな。和むのだ。俺は適当に相手をしながら網かごに並ぶパンを物色する。昼前という事で、なかなかの量のパンが置かれていた。その中からいつも買うパンを4つ。何かの果物をスライスしたのをクリームと一緒に挟んだものを2つ。白身魚のフライと玉ねぎっぽいのを挟んだものを2つ選んだ。もっと買ってもいいが、この店はこれで割と人気があるらしく、あんまり大量に買うと他の客に怒られたりするのだ。俺がトレイに選んだパンを乗せて爺さんに渡すと、爺さんは驚いたように目を剥いた後、神妙な顔をして言った。
「不吉な……」
「俺がいつもと違う物買うだけで大袈裟だろ」
「ワシ、死ぬかもしれん」
「そんなにか」
まあいつ死んでもおかしくない年齢っぽいけどな。言わんけど。
「……冗談はこれくらいにして。お前さんが甘い物を買うとは珍しいのう」
「ああ。嫁が甘い物好きみたいだから、買ってってやろうかなと」
何気に言ってみたかった「嫁」という単語。会社にいた頃、同僚が言うのを聞いて羨ましいと思ってたんだよな。いくら俺の方が沢山仕事を任されて評価されていても、その言葉を聞いただけで負けたような気になってしまったのは、実はあの頃から結婚願望があったからなのかもしれない。
「おぉそうか。なるほどお前さんの嫁、のう。よほどの物好きか趣味の悪い女じゃろうな、気の毒でならんわい」
「ここのパン、好きだってさ」
「手放してはならんぞ、きっと二度とは巡り会えん素晴らしい女じゃ。今度連れて来るといい、色々おまけしてやろう」
この爺ぃ……。
以前女性の客のケツを見るのに夢中で俺の会計を後回しにしやがったからな。こんなスケベの前にセーラを連れてこれるか。
その後、セーラの部分的な外見的特徴を色々聞いて来たが適当にボカして答えた。爺さんは聞きながら妄想タイムに入りアホな顔をしていたが、話も終わり、さて帰るかと俺が店を出ようとした時に少し真面目な顔で俺に声をかけた。
「そういや、お前さんの事を色々聞いて来た客がおったぞ。何かやらかしたりしたか」
「……ん?」
俺の事を聞く? はて、どういう事だろう。
「心当たりはないな。爺さん、それはどんな人だった?」
「背はひょろ長で、やつれた男という感じじゃったな。多分お前さんと同じ猿人族じゃろう。黒いマントを纏っておってな、死人のように虚ろな目をしてたのう。ただの客の事などわからん、と言ってあしらってやったわ」
「そうか。ありがとう爺さん、その対応は俺としても助かる」
「実際、大飯食らいで最近女を作ったくらいしか知らんからの。……以上じゃ。ここ最近、街の空気がおかしい。用心する事じゃな」
「ああ。気をつけるよ」
忠告を有り難く受け取り、俺は店を後にした。黒マントの男……? 知らないな、記憶には無い。少なくとも俺の交友関係にはそんな男はいなかった。というより俺の知り合いの男ってクロスとボンゾくらいだし、二人ともムキムキだ。俺もムキムキに分類されるだろう。あれ、もしかして三人集まったら物凄く暑苦しい事にならないか。ムキムキだらけじゃないか。どこの誰かは知らないが、こんな俺たちの事を調べていると言うのなら余程の筋肉マニアか変態だろう。ひょろ長のやつれた男らしいから、俺のような身体に憧れている可能性もある。下手に接触したら「兄貴と呼んでいいですか」「俺も兄貴のようにムキムキになりたいッス」とかキラキラした目で言ってきそうだ。……絶対お断りだな。
想像し始めたら嫌な展開を見せ始めたので、俺はそこで考えるのを止めた。これから昼食だってのに食欲が無くなるからな。そう、昼食。セーラは腹を空かせてないだろうか。急いで俺はホテルへと向かった。
「という事があったんだ」
「ムキムキまで説明する事無いじゃないですか。食後感最悪ですよ……」
ホテルの部屋にて。
俺はセーラと共に買ってきたパンを食べながら午前中に起きた事を話していた。セーラは服の修繕に集中してたらしく、うみんちゅシリーズを完璧に修繕し終えていた。スーツとズボンに関してはもう済んでいるが、靴とネクタイは時間がかかりそうだという。海水でヨレヨレになった靴と千切れたネクタイを直せると言い切るセーラは神様に見えた。
修繕しかしていなかったセーラに比べて、俺の方の報告は少し長くなる。セーラは白身魚の挟まれたパンを美味しそうに頬張りながら話を聞いていたが、俺がもう3つも蜂蜜の瓶を渡したと聞いて目を丸くした。別に今日中に終わらそうとしなくていいのに、と言ったが、俺は頼まれた仕事をさっさと終わらせるタイプだ。後々に置いておくのは気持ち悪くて仕方ないのだ。
アメリアと別れてからパン屋へ行き、パンを買う所まで話した時には、セーラはもうパンを食べ終わっていた。そこで冒頭のやりとりになるのだ。セーラは胸焼けを起こしたような顔をしていた。
「でも気になりますね。カトーさんの何を探ってたんでしょう」
「もしかしたら、ギルドの職員が俺の素行をチェックしてたのかもな。セーラやボンゾさんと違って俺は最近この街にやって来た移民だから、職員の中には警戒する奴もいるんじゃないか」
「クロスさんやルシアさんの紹介があってもですか? お二人の口添えもあって、登録出来たって言ってましたよね」
「ギルドにも色んな人がいる。盗賊と繋がってた人もいたみたいだし、今は神経過敏になってるのかもな。いや、普通に考えればギルド職員じゃなくて、盗賊たちの仲間が調べてた可能性の方が高いか? 俺のせいで木こりをやってた仲間が捕まったんだから」
この数日、バンプウッドやら殺人蜜蜂やらで忘れていたが、盗賊団の件もあったんだよな。今朝クロスがギルドに呼ばれていたのも、盗賊団の事に関する会議だったのかもしれない。午後はギルドへ寄ってみよう。クロスが居なくても、職員に話を聞いて調査の進展を確認できる。まぁ小言も言われるだろうけど。
「ちょっとクロスに蜂蜜を渡してくるついでに、ギルドの職員にそこらへんを聞いてみるよ」
「そうですね。私は午後も修繕をしています。……夕飯はこのホテルで食べますよね?」
「ああ。気をつけるけど、もし俺の帰りが遅くなるようなら先に食べててくれ」
「わかりました」
「ところで……」
俺は聞き忘れていた事を尋ねる。
「パン、どうだった? もし気に入ったならこれからも買ってくるぞ」
美味しそうに食べてたから大丈夫だと思うけど。問われたセーラは一瞬キョトンとしたような表情を見せた後、むむむ、と眉を寄せて難しい顔をした。あれ?
「なんかムキムキの話を聞かされて気持ち悪くなって、味が思い出せません。美味しかったハズなのに……」
そんなにか。それってムキムキな俺も気持ち悪いって事にならないか。愛は終わってしまうのか。俺は試しにシャツ一枚になって腕を組み、胸を張ってセーラに見やすいようにする。
「セーラ、ほらほら」
「???」
ニカッと笑って胸筋ピクピク。
「ぶはっっっ!?」
セーラが飲みかけていた茶を盛大に噴いた。それはまるでプロレスラーが噴く毒霧のように広がり俺に迫る。俺は腕を組み笑顔のままそれを受け止めた。これはどんな茶葉を使ってるんだろうな、とても香りが良い。ほんのりセーラの香りも加わって、絶妙なブレンドである。……今日は一体何回セーラを噴き出させているのか。段々癖になってきてないか。
俺は腹を抱えて倒れたセーラに「ゴメン」と言葉をかけてから、セーラが直してくれたうみんちゅシリーズに着替えてそそくさと退室した。閉めたドアの向こうから、きゅふふふふふとか変な声が聞こえたけど、多分大丈夫だろう。大丈夫だという事にした。
午後1時少し前。麦藁帽子にうみんちゅシリーズという懐かしい姿で俺は街を歩いている。今日は日差しが少し強く、暑くなりそうだったのでプレゼントされたマントも装着済みだ。完璧、そう完璧である。その証拠に通りを歩いていると、道行く人は俺を見るなり笑顔になって行くではないか。時折固まる人や不思議そうな顔をする人もいるが、少数である。この調子で練り歩いて街を笑顔で満たしたい所だが、俺にはやらなければならない事がある。残念だが、ミッションに戻ろう。
歩き出して10分ほどで、目的のギルドへと到着した。今日も冒険者たちはそれぞれ仕事を求めてギルドへとやって来ている。職業斡旋所と比べると、こちらは俺と同じ猿人族が圧倒的に多いようだ。後は猫耳や犬耳の人たちがチラホラ。この違いは何なのだろうなぁ、と思いながらギルドへと入った。
俺を最初に見つけたのは、やはりあの小言をくれた男性職員であった。姿を見るなり笑顔のまま俺のそばへとやってくる。そのこめかみには、漫画なら青筋の一つでも浮かんでいた事だろう。
「こんにちは、カトーさん。どういった御用件でしょう。まさか昨日の忠告を忘れた訳ではありませんよね?」
「ああ。仕事を探しに来たんじゃないから安心してくれ。アメリアからクロスが此方に来てると聞いて、立ち寄ったんだ」
「クロスさんですか……?」
アメリアとクロスの名前を出したら、ようやく素の表情になった。そんなに俺は信用無いのか。セーラやボンゾが肩身の狭い思いをしないように、益々頑張って信頼を得るようにしないとな、うん。
「もしかしてもう帰ったか? 会議に呼ばれたとか聞いたんだが」
「いえ、会議自体はもう終わってますよ。クロスさんは奥の部屋です、私の方からカトーさんが来た事を伝えて参りましょう」
「ありがとう、頼むよ」
職員はキビキビとした動きで通路を歩き、奥の部屋へと向かった。俺はクロスが来るのを待っている間、壁に背を預けて腕を組んで立っていた。すると、やけに周囲の視線を集めている事に気づく。おや、またか。そんなにこの格好が気になるのか。ああ、違うな、室内だから麦藁帽子をしたままなのは問題だ。これは済まない事をした、と帽子を取って、俺は周囲に笑顔を振りまいた。
「「「「ぷくっ……くっ……」」」」
皆、何かをこらえるかのように震えて、何人かは部屋を飛び出して行った。いくら何でも傷つくぞ、その反応は。マナー違反には違いないが、だからってそこまで避ける事は無いだろう。それは世間一般で言う所のイジメというやつじゃないだろうか。俺は涙をこらえながら、あくまでポーカーフェイスを貫き通した。
しばらくして、奥の部屋からクロスが現れた。今日は黒い鎧を着ておらず、腰に普通のサイズの剣を下げただけの軽装だ。クロスは俺を見た途端、訝しげな顔で言った。
「カトー、どういう罰を受けてるんだ?」
「よりにもよって罰とか」
あんまりだ。世界はあまりにも優しくない。
「俺としてはバシッと決まっているような感じなんだが、違うのか?」
「……どちらかと言うとクスリが決まってる感じだな。ああ、済まない。傷つけるつもりじゃなかったんだが、つい本音が」
こんな傷つく言葉も無いわ。
「とりあえず話があるんだが、落ち着いて話せる場所は無いか?」
話が進まないので、俺は強引に話題を変える。クロスは少し考えてから、なら会議室を使おうと言った。今日はもう使わないらしい。促されるまま、俺はクロスの後をついて行く。背中にクスクスという声を聞きながら、ようしこうなったらこの世界に合ったファッションを勉強して見返してやる、と心に決めた。
クロスとのやりとりはアメリアとの会話の繰り返しのようだった。蜂蜜を受け取って殺人蜜蜂の倒し方に驚き、婚約と聞いて祝福してくれた。そこらへんは夫婦なのだろう。婚約イコール街に住むという認識も一緒で、旅を諦めるのかと聞かれた。俺自身がそもそも定住する場所を求めていたから、勿論肯定する。クロスは「勿体ない、自由に動けるのは独身までだぞ」と茶化したが、基本的に俺の定住を歓迎してくれているようだった。
さて、これで俺からクロスへの報告は終わったのだが。今度はクロスから俺に何かあるようで、少し待っててくれと言われたので会議室でしばらく待つ事に。次にクロスが現れた時には、手に何やら分厚いファイルのような物を持っていた。その真ん中あたりのページを開くと、テーブルの上に置く。そこには一枚の似顔絵が貼り付けられていた。
「カトーには見覚えが無いか? お前の働いていた木材加工会社にいた男なんだが、事情聴取を取りたくても行方が分からないんだ。憲兵からギルドへ調査の依頼が入っていてな。何人か既に捜索に出ている」
「……うーん、どこかで見たような」
そこには面長で人の良さそうな垂れ目の男の顔が描かれていた。クロスの話では、国の派遣した幻影術師の念写術で写し出した絵を、絵描きたちに複製してもらった物だという。写真が無いと色々面倒なようだ。俺はなかなかの画力で描かれたその絵と、下に書かれた名前を見た。そこには『マルセル・マニマル』とあった。
おや?
「マルセルさんじゃないか。確かに見たな、初めて俺が木こりの仕事をした時に監督してくれた人だ。この人、行方不明なのか?」
「そうだ。実は職歴を追うと色々奇妙なんだよな、この男。器用らしくて色んな仕事をしてはそれなりの役職につくんだが、そうなってから大体一年で仕事を辞めているんだ。今回も俺たちが盗賊の仲間を捕まえる少し前に辞めている。で、この男が辞めるたびに、それぞれの会社からは共通して何人かの失踪者が出ている、と」
「何なんだ、それは……」
辞めている事すら知らなかった。初日に監督してくれた時くらいだからな、顔を合わせて話をしたのは。俺がすぐ仕事を覚えたから、他の連中の指導に行ったと思ってたんだが。それに失踪者。なんだかキナ臭くなって来たぞ。
「マルセルさんが盗賊の一味である可能性がある、という事か。国から人が派遣されているくらいだから、そういう事なんだろ?」
「どうなんだろうな。失踪事件に関与してる可能性があるって事で俺は資料を受け取っているんだが、ギルドへは盗賊団関係者として、憲兵の方から調査・捕獲の依頼が出されている。もしかしたら繋がってるのかもしれないな、色々と」
何だかややこしい話だ。しばらくお互い黙って考え込んだが、クロスが先に疲れたような顔で口を開いた。
「悪いな、めでたい報告の後でこんな暗い話を」
「いや、いいさ。これは俺たちも知っておいた方がいい事だから。……そういやクロス、大怪我したと聞いたけど、それでも仕事を続けてるのか」
「ん? ……ああ、アメリアが言ったのか。大丈夫だよ、大した怪我じゃない」
クロスは笑顔を作って言った。
「ここなら誰も見てないし、カトーなら他言しないと思ってるから見せるが……ほら」
そう言ってクロスが見せるのは冒険者カード。戦士、レベル44。意外と低いがこの街の人間としたら充分強い方だろう。しかしクロスが指差したのはレベルではなくスキルだった。普段は隠蔽されているらしく、光を放ちながらぼんやりと浮かび上がってきた。
『自動HP回復(大)』
おお、凄い。
大って致命傷受けなきゃ数十秒で全快するレベルじゃないか。Lv44の戦士の持つスキルじゃないぞ。
「凄いな。じゃあ怪我はもう完治してるのか?」
「それどころか傷痕すら消えたよ。これを知ってるのはギルドの上層部とアメリア、国のお偉いさん方だけだからな。他言はしないでくれよ」
確かにこれだけ凶悪なスキルを持っていたら馬車馬のように働かされまくるだろう。もしかしたら既にそういう状態かもしれない。国のお偉いさんまで知ってるくらいなのだから、きっとそうだ。そこで俺が言いふらして、更にクロスを利用しようという人間を増やしたら目も当てられない。
「わかった」
そう答えてから、俺は話題を変えて互いの近況を報告し合った。俺を探っていた男についても聞いてみたが、それに関してはクロスも分からないようだ。しばらく移民や盗賊の話を続けた後、頃合いを見計らって俺の方から話を切り上げ、今日はお開きとする。別れ際にクロスは俺のムチャを諫めるような事を言ったが、説得力はまるでなかった。それだけスキルを成長させたんだ、きっと子供の頃から死にかけたりしてるに決まっている。しかし反面、納得してもいた。あのアメリアと結婚出来る人間が、普通の人間なわけがないのだ。クロスは色んな意味で打たれ強いのだろう。
ギルドを出る際に時計をチェックする。まだ時間は二時。これならリリー探しも出来そうだ。ミッションは滞る事なく遂行されて行く。俺は予想以上に順調に行っている事に気を良くし、意気揚々とギルドを後にした。
服の事など、その頃にはこれっぽっちも気にならなくなっていた。
名前 カトー (Lv32)
種族 人間 26歳
職業 魔法使い(Lv30)
HP 755/755
MP 401/401
筋力 80
耐久力 98
敏捷 87
持久力 117
器用さ 72
知力 87
運 79
スキル
ウォーターヒール(Lv13)
ウォーターポール(Lv4)
ウォーターカッター(Lv5)
ウォーターミスト(Lv4)
ウォーターキュア(Lv7)
索敵(Lv28)
力加減(Lv27)
自動MP回復(中)
成長促進(最大・限界突破・効果範囲:小パーティー・現在閲覧不可状態)
短剣(Lv13)
遠見(Lv1)
職業スキル
木こり(斧Lv12 鉈Lv8 植物素材採取Lv17)
※パンツは新たな方向性を模索している……




