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第3章 不安

「翡翠の鳥は飛び方を知らなくて」は「LURIA 〜翡翠の瞳 空の蒼〜」の続編です。

◇◇◇ 第三章   不安 ◇◇◇ 


 太陽は西の地平線の上に掛かり、茜の光を放ち始めていた。

 下校のために校門をくぐる生徒達の姿も、今は疎らになっている。

 校門に背中を預け、足許の草を蹴っていたルーの口許から、その時、珍しく深い溜息が漏れた。

「はぁ〜……」

 それを横目で見遣り、リオが微かに笑った。

 訊いて欲しいことがるというルーの無言の合図は見え見えだ。

 ほんの少しだけ間を空け、期待に応えて問い掛ける。

「どうかした?」

 待ってましたとばかりに、しかし、それを表情には出さず、ルーはさも面倒くさそうに答えた。

「アルフのことだよぉ。もう少し人当たりが良くなってくれないかなぁって。

ねぇ、リオもそう思うでしょう?」

 どうやら、今日の昼間、メリーという少女に対してアルフが取った行動が不満だったらしい。

 ルーにしては珍しく、拘っているようだ。

 ちなみに当のアルフはといえば、天文学のパルマン先生に、明日の講義の準備を手伝わされている。

 これは天文学の講義を受講する全ての生徒が順番に受け持たなければならない当番であり、逃げることはできない決まりだ。

 というわけで、リオとルーは、今、校門の前で彼を待っているのだった。

「どうしたの、ルー。急にそんなこと言い出して」

 リオは笑いながら訊いた。

「アルは人付き合いに関して不器用なんだ。それは、昔から変わらない。

今更驚くことじゃないじゃないか。どうかしたの?」

「それは、ボクだってわかってるよ。

でもね、アルが皆に誤解されたまんまなのが我慢できないんだよ。

みんな、アルのこと無愛想な乱暴者だと思ってる。

ホントは全然違うのにさ」

 草を軽く蹴りながら、ルーのぼやきは続く。

 普段、常に大らかな彼にしては珍しい。

 誰かに何か言われたのかな? 心の奥でそう思いながら、リオは小首を傾げた。

「大丈夫だよ、ルー。

皆、そのうちわかってくれるさ。

それに、僕等がアルの言葉になってやればいい。

アルが照れ臭くて言えないようなことを、僕等が変わって伝えればいいんだよ。ね?」

 しかし、今日のルーはなかなかにしぶとくて、慰めるリオの言葉にも、なかなか納得してくれない。

「リオの言うことは、わかるよ。

でもね、やっぱり、自分が直接言わなきゃ伝わらないことだってあるでしょう?」

「へぇ……」

リオは眼を見開き、少し大袈裟に驚いて見せた。

「随分、大人びた発言だね、ルー」

 途端、ルーが無邪気に胸を張る。

「えへへん。ボクだって成長するんだよぉだ」

「へえ、すごいねぇ」

 ルーを頼もしげに見つめながら、彼の口調を真似てリオは笑った。

 しかし、次の瞬間、無意識に視線が足許に落ちる。

「アルは、……優しいんだよ。優しすぎるくらいに」

 長い睫が、微かに震えた。

「自分に関わる人への想いが深すぎるから、友達関係にさえ冷静になれないんだ。

見返りを求めない、何処までも深く、真っ直ぐで一途な想い。

だから、大勢を気安く『友達』なんて呼べないし、適当に付き合うことも出来ない。

でも、確かに不器用だけど、いざという時、一番頼りになる友達だ。

……ううん、家族だよ」

 その視線は、上がると同時に傍らのルーを捉えた。

「僕達とアルは、身近な人、家族や友達に対する想い方が、ほんの少し違うんだ。

それはアルが、僕達が知らない幸せを知っていて、僕達が知らない悲しみを知っているから。

アルはね、僕達と違って、育ててくれたご両親や村の人達を、本当の家族、本当の仲間だと信じて育ち、愛していた。

けれど、そんな彼の思いは、……最悪の形で終りを迎えざるを得なかった。

その時の彼の哀しみの深さは、きっと僕達には計り知れない」

「うん」

 同意を示すように、ルーがコクリと頷く。

 リオが訝しむ視線を投げると、ルーは少し照れくさそうに笑いながら、短く言った。

「ボクもアルから聞いたんだ。僕等に逢う前の話」

「そっか」

 今度はリオが小さく頷く。

「だからアルは、他人と必要以上に深く関わろうとしないんだ。

アルは誰よりも深い情を持ってるから、一旦関われば大切に想ってしまう。

でも、アルの意思に拘わらず、別れは必ずやってくる。

その哀しみを知っている分、それが、……怖いんだ。

傷付くのは、もう嫌なんだよ」 

「わかってるよ」

ルーが顔をしかめた。

「そんなこと、ボクだってわかってる。

けど、アルがリオの十分の一でも友達づきあいが上手いと良いなって思っちゃうんだよなぁ、ボク。

そのほうがずっと楽しいはずだもん」

「それを言うなら、ルー、君だろ?」

 ルーが再度顔をしかめた。

 意味がわからない。そういう顔つきだった。

 リオは少し大袈裟に肩を竦めた。

「僕は友達付き合いが上手いわけじゃないよ。

臆病なだけさ。

誰かを傷付けることも、自分を傷付けることも怖いだけ。

確かに、一見、人当たりが良さそうに見えるかもしれないけど、無意識に相手を格付けしているんだ。

どう接すればいい相手なのかをね」

 口許に浮かぶ笑みに、無意識に自嘲が混じる。

「僕等の中で一番冷たいのは、きっと僕だよ。

いざとなれば、昨日まで『友人』と言っていた相手を、平気で裏切れるんだ。

……きっと、ね」

「そんなこと無いよ!」

 突然ルーが大声を出し、リオににじり寄ってきた。

「そんなこと、絶対に無い! 

ボク、知ってるもの! 

リオはホントに優しいんだ。

だからボクは、……アルだって、君のことが大好きなんだよ。

みんなだってわかってる。

だから、お願いだよ、そんな悲しいこと、もう言わないで!」

 トパーズ色の瞳は必死だ。

「リオは何時も何時も、自分で自分を傷付けてる。

自分が傷付くのが怖いなんて、そんなの嘘だよ。

人を傷付けるのが怖くて、自分自身を傷付けるんだ。

そんな優しさ、辛すぎるよ。

アルは何も言わないけど、何時だってアルが心配してるのはそのことなんだよ。

わかってよ、リオ」

 リオは一瞬だけ眼を見開き、次いで口許を歪めた。

「敵わないな」

 瞳を伏せ、前髪を掻き揚げる。

「ありがとう、ルー。でも、僕は……」

 しかし、言い掛けた言葉は、突然、背後から掛けられた声によって遮られた。

「あの……」

 ルーが首を右に傾げ、リオの背後を覗き込んだ。

 彼の立ち位置からでは丁度リオの陰に隠れてしまい、相手を確認できなかったようだ。

 ルーに倣って、リオも振り返る。

 視界に飛び込んできたのは、赤味掛かった栗色の綺麗な巻き毛。

 メリー・ルーシーだった。

 ルーが明るく声を掛ける。

「やあ、メリー。今帰りなの?」

 リオは視線だけで挨拶した。

 それに微笑みで応じたメリーだったが、それは直ぐに躊躇いの表情へと変わった。

「どうかしたの?」

 ルーが問い掛ける。

 リオが一歩後退ったので、彼女に対峙するルーとリオの位置関係は逆になり、リオはルー越しにメリーを見ることになった。

 足許に視線を落としたまま、暫し何も語ろうとしないメリーに、ルーが推測、……しかし、かなり信頼性の高い推測を口にする。

「ひょっとして、アルのこと?」

 途端、メリーの頬が真っ赤に染まった。

 どうやら図星だったらしい。

「やだ、ルー。どうして?」

 答えるメリーに、だって、君がボク等に話し掛けてくる理由なんて他に無いじゃない? という思いを満面に浮かべながらも、ルーはただニコニコと笑っていた。

 ルーも大人になったものだ。

 リオは心の中で思った。

「あの、ね……、アルフって、……無口よね」

「え?」

 突然の、予想外の問いに、二人は思わず顔を見合わせた。

「無口……?」

 確かに、そう言われれば、そうとも言える。

 ある意味、口煩いとも。

 そんなことを考えていると、メリーは先を促されているとでも思ったのか、慌てたように言葉を継いだ。

「貴方達以外の人とは、あんまり話をしないでしょう? 

……どうしてなのかしら」

「どういうこと?」

「話し掛けても、そっけないし……」

 するとルーが納得の態でポンと手を打った。

「なあんだ。つまりメリーは、アルといっぱい話がしたいんだね」

「そ……、そんなんじゃ……」

「じゃあ、なぁに?」

 ルーの無邪気な問いは、時に容赦ない。

 メリーは口篭もるしかなかった。

「私は、ただ……」

「ただ?」

「ただ、……友達は、少ないより多い方が楽しいだろうにって、そう思って……」

「ふ〜ん。メリーはアルの友達になりたいの? 

でも、どうして?」

 追い討ちをかけるルーの問いに、かなり戸惑った後、メリーは躊躇いがちに短く言った。

「優しかった……、から」

「アルは元々優しいよ。どうして急に?」

「そんなの、あれじゃ、わからないわよ」

 声音に微かに苛立ちが滲んだことを、リオは聞き逃さなかった。

 だがそれは、今目の前にいる二人に向けられたものではなく、此処にはいない黒髪の少年の、昼間の態度に対するものだと思えた。

「アルフって、貴方達以外には凄くそっけないし、話だって必要なことだけ。

他の子と喧嘩したりもするし。

少し野蛮な人なんだって、そう思ってたもの。

なのに……」

 長い睫の奥、グレーの瞳がふっと柔らいだ。

「……この間、私が凄く困っていた時、助けてくれてたの。

酷い怪我したのに、その後も何も言わないで」

「ひょっとして」

「鏡の泉の……?」

 一つの疑問をリオとルーの二人が上手に分けて問う。

 メリーはコクリと頷いた。

「助けてくれたのに、全然、恩着せがましくなくて。

初めてだったわ、そんな子。だから……」

「……好きに、なったの?」

 半歩近付き、メリーの顔を覗き込みながらルーが訊いた。

 彼女の頬が更に真っ赤になる。

 冴えた勘が、もう少し別の方向にも向けられるといいのだけれど。

 秘めた想いをはっきりと言い当てられ、モジモジするしなかないメリーの姿を、少し気の毒だと思いながら、リオはボンヤリと見つめていた。

 けれど、そんなリオの思いなど知る由も無いルーは、両腕を後手に組み、少し得意げに胸を張った。

「わかるよ、ボク。だって、ボクもアルのこと大好きだもん」

 戸惑いながらも、メリーがニッコリと笑う。

 それにつられてルーもニコニコと笑った。

「アルはね、ホントに優しいんだよ。ボク、嬉しいな、君が、そのことに気付いてくれて」

 背後を振り返る。

「ねえ、リオ」

 一歩離れた場所から二人の遣り取りをボンヤリと見ていたリオは、突然話を振られ、戸惑いながらも小さく微笑んだ。

「うん、そうだね」

 その笑みに気を良くしてか、メリーが言った。

「私も、なれるかしら。彼の友達に……」

 ルーが首を傾げ、次いでリオを振り返った。

 リオは僅かに肩を竦めるしななかった。

「それは、アルが決めることだから……。

ごめんね、僕は答えてあげられない」

 メリーの笑みが強張った。

 少し身を引き、視線を足許に落す。

「そう、よね。ごめんなさい、いい気になって」

「ううん、そんなことないよ。きっと大丈夫だよ」

 リオを肘でつつきながら、ルーが満面の笑みでそう言った。

「じゃあ、私、もう行くわ」

 小さく手を振り、立ち去ろうとするメリー。

 その背中に声を思わず掛けてしまったのは、ルーに促された反動だったのかもしれない。

 振り返るメリーに、リオは小走りで駆け寄った。

「ごめんね、メリー。冷たい言い方しかできなくて。

でもアルは、僕にとって、とっても大切な 友達から、彼の心の中に無断で立ち入るようなことはしたくないんだ」

 意味が解らなかったのだろうか、メリーは小首を傾げ、真っ直ぐにリオを見返した。

 本当に綺麗な子だな。

 微かにそんなことを思いながら、リオは言葉を継いだ。

「彼の心は、君が自分で見付けて。

君ならきっとわかるはずだよ」

「どうして、そう思ってくれるの?」

「それは……」

 メリーの問いに、今度はリオが小首を傾げた。

「それは君が、アルの優しさに気付いてくれたから。

彼の優しさはね、色に例えれば透明。

見落としてしまいがちで、気付かない人が多いけど、凄く純粋なんだよ」

 メリーが小さく笑った。

 その笑みは酷く大人びて見えた。

「リオ。貴方って、何時も難しい言い方するのね」

「そうかな。……ごめん。そんなつもりじゃ……」

 リオは困惑気味に前髪を掻き揚げた。

 メリーは気遣うように微笑むと、そっとリオの手を握った。

「ううん。私の方こそ、変な言い方してごめんなさい。……ありがとう」

 立ち去るメリーの背中を見送りながら、リオはなぜか、心の奥にチクリと、小さな棘が突き刺さったような痛みを感じていた。

 しかし、その痛みの理由は、リオ自身にもわからなかった。


「ねぇ、リオぉ」

 まだ来ない黒髪の友を待ちながら、校門の一部である大木の幹に寄り掛かっていると、それまで暫し無言だったルーが、我慢しきれないとばかりに話の口火を切った。

 きっとメリーのことだろう。

 アルの気持ちを理解してくれる人が、自分達以外にも現われたよ。

 よかったね。

 ルーはきっと、そう言いたいに違いない。

 リオは咄嗟にそう思った。

「うん、良かったね。わかってくれる人がいて」

 ルーは一旦頷いたが、次いで首を左右に振った。

「違う、違う。僕が言いたいのは、そのことじゃなくてね」

 トパーズの瞳が真っ直ぐにリオを捉えた。

「リオ、君のことだよ」

 何のことかわからず眼を見張ると、ルーは口許をへの字に曲げたまま、リオの顔を覗き込んだ。

「さっきのリオ、少し変だったよ。どうかしたの?」

「そう?」

 心の棘の存在を言い当てられたような気がして、少し戸惑う。

「何だか、メリーがアルの友達にならないほうがいいって……、そう思ってるみたいに聞こえた。

彼女のこと、あんまり好きじゃない?」

「そうだったかな。そんなつもりじゃなかったんだけど……」

 胸の奥で、再び小さな棘が暴れだす。痛みというより、少し苦しい。

「でも、彼女にも似たようなこと言われちゃったから、そうだったかもしれないよね。

反省、……してる」

 眉を顰めて俯くと、ルーが慌てて両手を振り、言い繕った。

「違うよ、ボク。そういう意味じゃ……」

「何だよ、二人してコソコソと、何話してたんだ? 俺も仲間に入れろよ」

 不意に背後で響いた柔らかな低音。

 慌てて振り返ったリオの視線が背後に立つ人影に焦点を合わせるとの同時に、ルーが嬉しげに言う。

「アル! 遅いよ。待ちくたびれちゃったよぉ」

「ああ、すまん。待たせたな」

 いつものようにアルフの首筋に飛びつくルーと、微笑むアルフ。

 リオは暫し呆然と、そんな二人の様子を凝視していた。

 何時の間に近付いたのだろう。

 それすら気付けないほどに、僕は動揺していたのか? 

 そう思った瞬間、頬がカッと朱を帯びた。

「どうした、リオ。顔が赤い。熱でもあるのか?」

 目聡く気付いたアルフは、ルーの腕をそっと解くと、金の前髪を掻き揚げて、おでこに手を当ててきた。

 咄嗟に一歩後退りかけ、いつの間にか後ろに回り込んでいたルーにぶつかった。

「どうした? 何かあったのか?」

 再び問われたけれど、胸の奥で暴れ回る棘が痛くて、上手く言葉にできそうにない。

 リオが唇を噛み締め、俯いていると、ルーが得意げに要点を掻い摘んで説明し始めた。

 ただし、彼の説明は、いつも気持ちばかりが先走って要領を得ないのだが。

 アルフを待っている間にメリーが来て、あの子はアルが優しいってわかってくれたけど、アルの友達は僕達だから、どうなるかわからないって答えておいたよ。

 と、……こんな調子だ。

 それでも、随分と大人になったようで、最後、こう締めくくるのだけは忘れなかった。

「リオはね、そんなふうに答えちゃったことで、また落ち込んでるんだ。

でも、リオが悪いことなんて何にもないんだよ」

 ルーの言葉は気持ちで聴かなければ。

 すっかり要領を得ているアルフには、それで充分伝わったらしい。

 そっと髪に触れる指先。

 その温もりに誘われるように漂わせた視線は、漆黒の瞳に捉えられた。

 アルフはまるで、碧の瞳の奥底まで見通そうとするかのように、真っ直ぐにリオを見つめた。

 恥ずかしくて、逃げるように視線を逸らし、リオは足許の草を蹴った。

「僕は、……ダメだね。

僕等の間に別の誰かが入ってくるのが、怖かったのかもしれない。

……ごめん」

「もう! リオ!」

 我慢しきれず、ルーがリオの腕にしがみ付く。

 顔を上げたリオの視線と、黒曜石の視線が絡み合う。

「お前は自分に厳しすぎるんだ。

人誰しも、万人を愛さなければいけないわけじゃない。

そんなのは、頼まなくても神様や天上界の奴等が気にしてくれるさ」

 胸の奥がツンと痛くなった。

 僅かに震える唇から、やっと言葉を紡ぎ出す。

「……幸せ、だから……」

「え?」

 アルフとルーの声が重なる。

 リオは再び視線を宙に漂わせた。

「今がとても幸せだから、この生活が壊れるのが、怖いんだ」

 自嘲気味の笑みとともに瞳を伏せる。

「僕はとても臆病だから」

 リオの髪に優しく触れていた指が離れ、強く肩を掴んだ。腕にしがみ付く力も強まる。

「くだらない心配だ」

「ボク達はずっと一緒だよ。

そう約束したでしょう?」

 交互に耳に届く、二人の友の優しい言葉。

 それは、触れる力と同じように強く心に響いた。

「うん……」

 コクリと頷く。

 不器用でもいい。

 誰にもわかってもらえなくてもいい。

 今、こうして三人でいられれば、それ以上何も望みはしない。

 何時の間にか、溢れそうになる涙を隠したくて、リオは膝を抱え、その場に座り込んだ。


「翡翠の鳥は飛び方を知らなくて」は、原則として週一回更新します。

宜しくお願いします!!

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