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  作者: 華村メイ
3/4

嘘3

上村さんと再会して

幾日か経ってからメールが届いた


上村と再会した日も暑かったが

夏の暑さはまだまだ相変わらず変わらない


外に出るのが面倒になる

そんな時はせっせと作品を書く


今は何をしているの?

メールには彼の聞きそびれた質問が書かれていた


涼子はいつもパソコンを使っている

だからメールの返信は早い


しかし上村はメールはよこすけれど

あまり返信は早い方ではない


他愛もないメールのやり取りが何度か続いた

いつの間にか


涼子は上村からのメールを楽しみにするようになってる自分に気がつく


早くメールこないかな・・・


上村とのやりとりの中で

その中で、涼子は小さな嘘をついた


涼子は自分でごくごく普通のパート職員として働いていて

ありふれた家庭の中で主婦をしている子供は二人

平凡ですと伝えた


それは嘘だった


涼子は有名ではないけれど作家であり

講演家としても様々な場所に出かける

月の半分は仕事で留守をしている


でも岡かおりというペンネームで活動しているので

香川涼子=岡村涼子=岡かおり

その事実を知る人はそう多くはない


なぜ嘘をついたのか

面倒だった、それだけ


仕事の話も長くなり、作品だ

あれやこれや、聞かれることが面倒だった


おまけに夫という存在はすでに何年も前に

自分の中では抹消していて


いわゆる夫婦円満ではない

しかし講演でも夫婦円満のように見せかけているので


あまり表で夫を悪く言う事はない


メールはお酒のお誘いだった

「今週末、一緒にお酒はどうですか?」


あれ?ホントに飲む予定にしているんだな

ちょっとまじめな人かも、素直にうれしい


ちゃんとお酒に誘ってくれた事に対して

彼に対する評価が高くなった


「では金曜日にしましょう」


涼子は会ったらどんな会話をしようかともう考えていた

あれからもう20年以上も時が経過をしている


(共通の話題ってあるかな?)


わかりやすいように駅近くで待ち合わせをした

待ち合わせの場所に到着するまでに

何度かメールのやり取りをする


「まもなく着きます」

「私もまもなく着きます」


「ところで、上村さん、私の顔、わかりますか?」

「わかるに決まっていますよ」


なんだかちょっと嬉しくて

ちょっとわくわくしながら


涼子は彼との待ち合わせの場所へと

小走りに急いだ



「あれ?涼子さん?」


涼子が時々通うエステサロンのオーナーの

長浜恵子が小走りに急ぐ涼子を見つけた



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