嘘1話
嘘、嘘は時として相手を思うがゆえに口にする言葉。嘘、上手な嘘は相手を幸せな気分にする。嘘だとわかっていても、人はその嘘を信じ、また求めて行くものである。
夫以外の男性と恋がしたい
女性は口に出さないだけでそう思う人は多い
涼子もそんな女性の一人だ
マンネリ化の夫婦生活にそろそろピリオドを打ちたいと思っている
でもそう簡単ではなくダラダラと夫婦関係が続いている
「恋人でもいたらな~」
女40代後半
そう思っても不思議ではない
大抵の主婦は「私には無理」
現実にはそんなことは無いと言いながら
TVドラマの様なそれを心では願っている
TVドラマセカンドバージンを見た時、やっぱり羨ましい、
私だっていつか。。。
そう心のどこかで思いながらもそれを自分で否定する
「私だって」
あのドラマを見て何千人、いや
そう思った主婦が全国に何万人いたのだろう
自分の妻がそう思っていると
考えた夫たちはどれだけいたのだろう
涼子もその一人
「私だって」
そう思った
若い男性、それもハンサムと恋に落ちるなど、
考えても手に入れることなど出来ない
TVの中の女優はいとも簡単にそれを手に入れる・・・
自分とあの女優の違いはなんだ?と考える
結論はやっぱり
美貌か・・・
それしかない
女はやっぱり綺麗だとなんでも手に入るってこと?
世に中、美人に親切で美人は許されることが多い
暑い夏、電車の隣の席は
やっぱり美人が良いに決まっている
ちょっとエステでも行くか
即効性がないとわかっていても
あわててエステ、ダイエット
いつか私も、と何かTVのような激しい変化を妄想のように求める
まだまだ女を諦めたくない、そうかといってもう身体も心も隠せない年齢との戦い・・・
自宅へ帰ればめったに口もきかない加齢臭を身をまとう夫がいて
反抗期が生きている証かのような娘がいる
涼子には仕事もあり、家庭もあり、友人もいて
彼女の抱える不満など
贅沢極まりないことなのかもしれない
それでも、やはり何かもっと変化を求める自分がいる
それが女としての正直な部分だ
もう一度自分を女として見てくれる人がほしい
でも自分を取り巻く状況はどうか?
私の女としての活躍はもうないの?
「昔は私だって・・・」
過去の栄光をいつまでも抱きかかえ、国宝のように大事にする
最近買い物をしても荷物を持ってくれる人もなく、
車のドアを開けてくれる人などいるわけもなく
自分の事は自分で、下着もだんだんと地味になる
「どうせ誰にも見せないし」そんな女を捨てるモードに入って行く
セカンドバージンを見て絶対50歳までには1華咲かせたいと思った
まだまだ磨けば私だってちょっとはイケるかも
いや、まだまだイケる
決めた!恋人をつくろう!
そんな涼子に
一つの出会いがあった
パトナーと出会う事。
年齢とともに価値観は変化する。立場とともに考えも変化する。その時々にどんな男性と出会うか・・・それによって女性は輝きを増す。それがパトナーだと思う。
良い男に出会うための条件は、やはり自分が良い女になること。男性との出会いと別れからそれが一番の真実だと思う。輝いている時は輝いている人と出会い。しょぼくれた考えの時はしけた男と出会う。
自分をもっと輝かせてくれる、もっと自分を奮い立たせる、そんな男性との出会い。私はこれからも求めて行きたい。