第7話 事件の現場と赤い石
次の日、
領主の遺体が見つかった現場へと向かうことになった。
もう3ヶ月も経っているし、
とくに何か見つかるわけでもないかもしれないが。
騎士団長のキースと私、そしてエイミーが同行する。
馬車を降りて少し歩くと川が見えてきた。
この距離は、屋敷からは歩いてくるのは無理ね。
領主は馬で来たのかしら。
キースが発見時の様子を伝えてくれる。
その後、領主の馬が見つかっているので、単身馬で来たようだ。
それを聴きながらあたりを見回してみる。
もう何も手掛かりがないかと思ったら、
何か川縁に光るものがあるのに気づいた。
「ねぇ、これ何かしら?」
「綺麗な赤い石ですね。」
「宝石かしら」
キースとエイミーがじっくりと眺めながら答える。
『魔鉱石だ』
頭の中に声がした。ヴェルだ。念話ができるらしい。
またあたりをキョロキョロと見回した。姿はなし。
(もう驚かないわよ。また無断で私の影に入ってるのね。)
『とりあえず余計なことは言わずに、屋敷に一度戻れ』
(わかったわ、後でちゃんと説明してよ)
「レオノーラ様、どうされましたか?」
キースとエイミーに向き直って、
「なんでもないわ。確かに見たことがないような石ね。
まずは、これが何か調べてもらわなくては。何か手掛かりになるかもしれないわ。
二人とも、念の為この石のことは内部の人にも内密にしてちょうだい。」
「「わかりました」」
キースが屋敷まで送ってくれて、そこでテイラー補佐官が出迎えてくれた。
「現場はどうでしたか?何かわかりましたか?」
「テイラー補佐官、わざわざ出迎えに?
今日は南の地区での会合だったのでは」
「はい、早く終わり先ほど戻っておりました。
そして先ほど馬車の音が聞こえましたので。」
『石のことは言うな』
頭に響くのはヴェルの声だ。
エイミーにも聞こえているらしく目を合わせて軽く頷く。
「現場を見せてもらったけれど、
キースに説明を受けたこと以外にはなにも見つからなかったわ」
「左様ですか。その...そうでしたか。」
昨日と違って表情が固く言い淀む感じが少し気になる。
まだ何か話したそうだったが、
これからトレバーと話があると言って、
話をそこで切り上げた。
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私室に戻り、一息つく。
エイミーがお茶を淹れてくれる。
「レオノーラ様、何を考え込んでいるのですか?」
「うーん、ちょっとね。
ねぇヴェル、寝てないで説明してちょうだい」
夕日が射す窓辺に丸くなっているヴェルが、顔を上げた。
「それは魔鉱石だ。それもただの魔鉱石ではない。かなり面倒な代物だ。
それを狙っている者を見つけてしまったんだろう。だから領主は消されてしまった。」
「ヴェル、それはどういうことなの?なぜそんなことを知っているの?」
「この話は、絶対に口外するな。命に関わる。」
「今夜、動きがあるはずだ。
あの怪しかった補佐官の動きを見張る」
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