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追放された第二王女、辺境王領の監査官になる 〜毒舌黒柴フェンリルと暴く王国の陰謀〜  作者: 柴門そら


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第4話 王領セレーヌ領

ガタゴトと馬車は揺れる。

相変わらずお尻は痛い。

でもそれも今日で終わりよ。


ヴェルは座席の上で丸くなって眠っている。


バスケットの中のサンドイッチは全部彼のお腹の中。

よほど気に入ったらしい。


私たちの食事は、アイテムボックスから出した干し肉と硬いパン。


「なんならもっと食料を持ってくればよかったわ。甘いものとか。」


窓の外を眺めながらつぶやいた。


「レオノーラ様はお腹が空くとちょっとご機嫌斜めになりますよねー。

甘いものだって結構たくさん持ってきていたのに、

あと1日で着くからって昨日食べちゃってましたし。」


ぐうの音も出ないが、お腹はぐうと鳴る...


日が暮れる頃、城壁が見えてきた。


「レオノーラ様、お待ちしておりました」


領主の館では、執事が出迎えた。横に補佐官もいる。


今は領主不在で臨時に補佐官が執務を指示している。


先日領主が川で遺体で発見されたのだ。

護衛をつけずになぜそんなところにいたのかは不明だが、領主不在のまま、そして事件は解決されないまま3ヶ月が経っていた。


「出迎えご苦労様です」


「お部屋の用意ができております。

晩餐の準備が出来次第、お呼びいたします。

そして荷物を運ばせますので」


と言ったところで馬車も1台で荷物が少ないことに気づいた執事。


「後から荷物を積んだ馬車がくるのですか?」


「荷物は全部アイテムボックスに入れてきたわ。

部屋で必要なものを出すから大丈夫。

家具の配置換えなどで必要があれば人をお願いするわね。」


「承知しました。それではお部屋にご案内致します」


とその時、黒い小さな犬がレオノーラの足元にいることに気づく


「レオノーラ様、この犬は・・・?」


首を傾げるヴェル。


ちょっとあざとい系じゃないこの子。

さっきとは態度がぜんぜん違うじゃない。


「あ、あぁ隣町からここに向かう途中で拾ったのよ。

この子の寝床になるようなクッションや毛布も用意してもらえると助かるわ」


「はい、承知いたしました。

おや、この辺りでは珍しいですね...東の国にいる犬種じゃないでしょうか?

黒毛のものは小さな狼に似ていると。茶色のものは狐ににていると聞いています。

確かシヴァ?いやシバ?でしたか。私も初めてみました。」


「そうなのね」

(知らなかったわ、とにかく魔獣ってバレなくてよかった...)



「それではお部屋にご案内致します」



執事の案内で廊下を歩く。


手入れの行き届いた屋敷だが、なんだか寒々しくて暗い感じがする。

あんな事件があってまだ解決していないのだから当然か。


「こちらのお部屋でございます」


シンプルだけど明るい部屋だ。

もう暗くなってしまったが日当たりは良さそうだ。


「私は隣の使用人部屋を使わせていただきます」とエイミー。


「お屋敷のご案内は明日にでも」


「わかったわ、ありがとう」


まずは湯浴みをして、着替えなければ。


「ヴェル、あなたも一緒に入る?埃だらけでしょう?」


「な、ななな何を言う。オレは汚れてなんてないぞ。風呂は入らん」


「へぇ、魔法とかで綺麗になるのかしらね。それなら便利よね」


猫はお風呂嫌いな子が多いって聞くけど犬もそうなのかしら。

いや、狼か?魔獣?


抱き上げて頭の辺りをくんくんしてみたが、確かに臭くない。

お日様の匂いだ。


もふもふして気持ちいい。

嫌そうに前足で突っ張って距離を取ろうとするのはなぜだ。解せぬ。


「ヴェル、喋れることはエイミーとトーマス以外には秘密よ。」


「ああ、わざわざ面倒なことはごめんだからな」


ぽすん、と毛布の上に丸くなった。



湯浴みをして着替えをしたら、

お茶と焼き菓子が用意されていた。


「ありがたい・・・お腹すいた・・・」


温かい紅茶と焼き菓子を堪能していたら、

横からぐいぐいとアピールしている黒い物体が。


「オレにも菓子をよこせ」


「ええ・・・あなたお菓子食べても大丈夫なの?」


「もちろんだ。さっきもパン食べてただろう。

食事は人と同じで大丈夫だ。というより同じものがいい」


「あなた、魔獣よね?」


「さあな」


その時ドアがノックされた。


「晩餐の準備ができましたのでご案内致します。」


「ありがとう。今行くわ」

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