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追放された第二王女、辺境王領の監査官になる 〜毒舌黒柴フェンリルと暴く王国の陰謀〜  作者: 柴門そら


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第3話 パン好き毒舌モフモフとの出会い

これから向かう土地は、

王領といっても小さくてかなり辺境に近く、飛地で他領に囲まれている。


今回はそこの監査官としていくのだけれど、

その領地では何やら問題があるらしく。


今回のミッションはそれを探ること。

サクッと解決してすぐに王都にもどるんだから!


さて、王都を出て4日目。

旅にもだいぶ慣れてきた。


ただ、これまでの道中は宿があったけれど、この先領地までは街はない。

なので、なんとか今日中に辿り着きたい。

野営は流石に勘弁してほしい。


しかも昨日からの雨で道が悪い。

さらに馬車が揺れる。お尻が痛い。


「レオノーラ様、なにか軽いものでも食べましょうか?

昨日の宿でサンドイッチを持たせてくれたのですよ」


「そうね、昨日のお宿のパンはすごく美味しかったわよね」


「なんだか、あの地方特有のパンらしいですよ」


と、エイミーがバスケットから包みを出そうとした瞬間、

ガタッと大きく馬車が傾いた。


「レオノーラ様!」とエイミーが支える。


「トーマス、大丈夫?!」と御者台を見る。


「すみません。レオノーラ様!

お怪我はございませんか?

車輪がぬかるみにはまってしまったようでして」


大きく傾いた馬車から出てみると、なるほど、という状況。

初老男性一人、女性二人。

馬車を押してぬかるみから出られるかどうか・・・


3人で途方にくれていたら、


「助けてやってもいいぞ」


と後ろから声がした。


振り返ると小さな黒い犬。

あの時王宮で見た犬!

ん?狼の子供かな、どっち?


いやとにかく幻覚じゃなかった、

そしてやっぱり喋ってるじゃない!


「レ、レオノーラ様、こ、この犬は?」


「あ、エイミーにも見えるのね。よかった。私の幻覚かと思ったわ。」


その小さな黒い物体は、

後ろ足で耳を掻いて、ぶるぶると体をゆすって座り直した。


「ちょっと、あなた何者なの?

助けるってどうやって?しかもどこから来たのよ。」


「ふん、そのサンドイッチをくれたら、助けてやる」


「レオノーラ様!まず喋ってる時点で怪しんでくださいよ。

なに思い切り順応してるんですか!」


「え、エイミー、でも敵意はなさそうよ。態度は悪いけど。」


「レオノーラ様、もしかして魔獣の子供ですかね?でも魔獣って喋れるんですか?」


「トーマス、確かに魔獣の可能性はあるわね。でもこんな魔獣見たことある?」


「ごちゃごちゃ言ってないで助けて欲しいならそう言え。でもまずはパンだな」


「ええ・・・パン?」


エイミーがおそるおそるバスケットから取り出したサンドイッチを差し出す。


それを黒い犬が口にした瞬間。

黒いモヤの中から大きな黒い狼が現れた。


「うむ、なかなか美味い」


「え? フェンリル?」


「レオノーラ様、でも黒いフェンリルなんて聞いたことないですわ。」



その黒い狼は、我々の話はスルーしつつ、

のしのしと馬車に近づいた。


何が起きるかと見守っていたら、


大きな体を傾いた馬車にあてて、

よっこらしょと戻して、

ぐいっと押した。


轍から車輪がすぽっと抜けた。


「ほら、元通りだ」


得意げな謎の生き物。


「「「え?」」」


3人の声が揃った。


「そこはフェンリルだったら魔法でパーっと直すんじゃないの?

ねぇ、力技?物理なの?」


「文句あるか?」


(いやないけど・・・)


「レオノーラ様、いやここはもう少し警戒した方が」と、トーマス。


「でも助けてもらったんだし、大丈夫じゃない?」


黒いフェンリルに向き直り、

「ありがとう、あなた、名前は?」


「ふん、アーヴェルだ」


「こっちから聞いてなんなのだけど、立派な名前ついてるのね。人間みたい。

アーヴェル、アーヴェルね、うーん、じゃあヴェルね。

そしてありがとう。あなたのおかげで助かったわ。

なんだかよくわからない生き物だけど、よかったら一緒に来てくれる?お礼もしたいわ。」


「でもその姿だとちょっと目立つわね」


「レオノーラ様、目立つ、目立たないの問題ではないのでは?」

トーマスは冷静だ。


「あ、大きいから馬車に乗れないとか?」


(そうじゃなくて!)という二人の視線を浴びていると、


また黒いモヤが出て、

小さな犬サイズに小さくなったヴェルがいた。


「これなら問題ないか?」


「そ、そうね。じゃあ馬車に乗りましょうか?暗くなる前に領地に到着したいわ」


ということで、


フェンリル?らしき魔獣「ヴェル」と

領地に向かうことになったのだった。

読んでいただきありがとうございます!感想、ブクマ、レビューをいただけますと嬉しいです!

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― 新着の感想 ―
毒舌モフモフ! しかもパン好きなのですね。魔法も使えるのか、力技だけなのか・・・ たくさんパンが必要なのでしょうか。
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