第11話 奇妙な一致
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朝だ。
なんともしっくりこない報告書をまとめた。
敏腕監査官(自称)がなんたること・・・
昨日の宴の後から、
徹夜で調書、報告書をまとめた。
朝日が眩しい。
徹夜したのは、報告書を書いていたのもあるけれど、
実際は眠れなかったのだ。
なんだか得体の知れない何かに巻き込まれている感じがする。
私の本能がそう言っている。
根拠はないが、私の勘は外れないのだ。
ノックがされた。
「おはようございます。レオノーラ様」
「エイミー、おはよう。」
「朝食の準備ができました」
焼きたてのパンとソーセージの香りがする。
これって幸せの香りよね。
「報告書、徹夜で作成されたんですか?」
てきぱきと食事のセッティングを進めるエイミー。
「ええ、なんとか完成したわ。
きっと今日は馬車の揺れを感じないくらい熟睡できると思うわ。」
う〜ん、と伸びをした。もう体がガチガチだ。
「今日は濃いめの紅茶をおねがい」
「どうせ馬車で寝るなら、
渋いお茶で目を覚まさなくてもいいんじゃないか?」
そんなヴェルも昨晩は寝れないようだった。
寝たふりをしていたけれど。
「やった。今日はフワフワのパンだぞ。
サムはオレの気持ちわかってるな」
ほくほくしながらパンを食べるヴェル。
はぁっとため息をついた。
ぱんっと両頬を叩いて気合いを入れる。
考えても仕方ない。今日は出発だ。
まずは隣町まで向かおう。
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「....様! レオノーラ様!」
「ん...」
「隣町に着きましたよ。ほんっとーうによくお休みでした」
「あの揺れでよく眠れるな」
「さぁさ、宿に着きましたよ。往路と同じパンの美味しい宿ですよ」
まだ眠いけれど、なんとか馬車を降り、宿の部屋に入る。
もう外は薄暗くなっている。
お昼も食べずに眠っていたらしく、お腹が空いた・・・
今日はエイミーと私が同室。
となりの部屋に御者のトーマスがいる。
コンコン。
ドアの外から
「夕食はお部屋でとられますか?それとも食堂で?」
「食堂に行くわ。すこし話もしたいから奥の個室のテーブルを準備してもらえるかしら?」
「承知しました。それではお待ちしています」
食堂の奥の席に、皆で座る。
お腹空いて倒れそう...まずは食事...と思ったら。
ノックの音が。
「失礼します、レオノーラ様にお客様です」
扉から姿が見えたのは、騎士団長のキースだ。
急いできたのだろう、息が上がっている。
「キース、どうしたの?何があったの?」
「はい、レオノーラ様、
テイラー補佐官の目撃情報がありました。」
どういうこと?キースは黒いモヤになって消えたはずでは?
「部下がその街へ向かっていますが、まずはレオノーラ様に急ぎご連絡と思い追いかけてまいりました」
「そう、ありがとう。まずは座ってちょうだい。
誰か水を。単騎でかけてきたのでしょう?」
「恐れ入ります。」
『ヴェル、どういうことだと思う?』
『フン、想定内だな』
「まずは、もう少し詳しく話を聞きたいわ。
これから夕食だから、キースも同席して」
さて、改めて食事を、というところで、
もう一度宿の支配人が来た。
今度は何?
「レオノーラ様、もう一人、お客様が。
至急の王都からの使いとおっしゃっております」
えええ、なんで王都に帰るのに今、使いが来るのよ。
ぐぬぬと思いながらも、
「そう、すぐに通してちょうだい」
話を聞いてみると、王都からの使い曰く...
「レオノーラ様におかれましては、至急ルミナーラへと向かうよう、勅命でございます」
「え、今回の報告と報告書は?」
「私が王都に報告書を持ち帰れとのことです。」
えええ...
「こちらがルミナーラでの調査、監査依頼です」
と分厚い資料を差し出してきた。
「では私はこれで」
とあっけなく王都からの使いは去っていったのだが・・・
テーブルに向き直ると、
前のめりに何か言いたそうなキースが。
「キース、どうかしたの?」
「レ、レオノーラ様、実はテイラー補佐官が目撃されたのは、
今お話があったルミナーラなのです!」
奇妙な一致。
『フン、想定内だ』
とヴェルの声が頭の中に響いた。
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