表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

98/200

第98話『慟哭 ――揺らぐ心と断ち切れぬ絆』

地下牢を抜け、悠真たちはさらに奥へと進んでいた。

薄暗い通路は湿り気を帯び、遠くからは水滴が落ちる音だけが響いている。その静寂の中に、不意に鋭い声が突き刺さった。


「……そこまでだ、悠真」


現れたのは、鎖をまとった青年。かつて異世界で共に戦った仲間、ハルベルトだった。

彼の双眸には懐かしさはなく、代わりに狂気に似た光が宿っていた。


「ハル……どうして、お前が……」

「裏切ったのはお前の方だろう? 俺たちを置いて、この世界に逃げ帰ったのだからな」


その言葉は、刃となって悠真の胸を抉った。

確かに――異世界から帰還した時、悠真は全てを捨てた。仲間を、戦場を、そして自らの役割を。


「……俺は、逃げたんじゃない。帰るべき場所を選んだだけだ」

「言い訳をするな!」


ハルベルトの怒声とともに、鎖が唸りをあげて襲いかかる。悠真は即座に身を翻し、魔力障壁で防ぐ。しかし衝撃は重く、足元の床石が砕け散った。


「やめて! 二人とも!」

間に割って入ったのは、リナだった。涙を浮かべ、必死に叫ぶ。

「私たちは、もう一度一緒に歩けるはずだよ! こんな風に争うなんて、間違ってる!」


だが、ハルベルトの鎖は止まらない。彼の心は憎悪に縛られ、リナの声すら届かないようだった。


悠真は拳を握りしめる。

仲間だった彼を斬ることは、本能が拒んでいた。しかし同時に、今のままでは仲間を守れない。


「ハル……たとえお前が俺を憎んでも、俺は仲間を守る。それが、俺の選んだ道だ!」


決意の言葉とともに、悠真の魔力が爆ぜた。

光が通路を満たし、二人の衝突は避けられぬ運命として幕を開ける――。

ここまで読んでいただきありがとうございます!

第98話では、ついに悠真と元仲間ハルベルトとの衝撃的な再会と衝突が描かれました。かつて共に戦った仲間だからこそ、彼の言葉は悠真にとって鋭い刃となって胸に突き刺さります。


仲間としての絆、裏切りと誤解、そして「それでも守りたいもの」。

この三つのテーマが、次回以降大きなうねりを生むことになります。


第99話では、二人の戦いの行方、そしてリナの叫びがどう響くのか――物語の核心に迫る展開を予定しています。ぜひ楽しみにしていてください!


もし「続きが気になる!」と思っていただけましたら、ブックマークや評価で応援していただけると励みになります。感想も大歓迎です!


それでは、次回もどうぞよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ