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第86話『裂ける大地 ――決戦の余波と新たな脅威』

リュウジとヴァルトの刃が幾度も交差し、周囲の大地はひび割れ、空気は震えていた。

剣と魔力の衝突音は、雷鳴のように響き渡る。


「ヴァルト……! 本当に、お前はもう戻れないのか!」

リュウジの叫びは、最後の望みにも似ていた。


だが、ヴァルトは冷徹に剣を振り抜きながら答える。

「戻る場所など、最初からなかった。俺が信じるのは――影の主だけだ!」


その言葉と同時に、黒い瘴気が吹き荒れる。地面から漆黒の槍が無数に生え出し、リュウジの行く手を阻む。

それは異世界でしか見たことのない、禁忌の魔術だった。


「これは……まさか……!」

リュウジの瞳に驚愕が走る。


瘴気の中心から、禍々しい声が響いた。

『愚かな賢者よ。お前の世界はすでに手のひらの上だ』


その瞬間、ヴァルトの身体が大きく揺らぎ、まるで操られているかのように膝をつく。

「……っ、やめろ……俺は……まだ……!」

苦悶するヴァルトの姿に、リュウジは気づいた。

――これは、単なる裏切りではない。ヴァルト自身もまた、影に囚われた犠牲者なのだ。


「ヴァルト……! お前を、必ず取り戻す!」

リュウジは決意を込めて剣を構え直す。


しかしその時、王都全体を揺るがすほどの轟音が響いた。

遠方の地平線が真っ赤に染まり、巨大な黒い塔が地面を突き破って出現する。


「これは……影の拠点……!?」

背筋に冷たいものが走る。新たな脅威が、ついにこの世界に姿を現したのだ。


戦いの余波により大地は裂け、瓦礫の中で人々の悲鳴が木霊する。

リュウジはヴァルトを抱え起こしながら、決して折れぬ眼差しで塔を睨みつけた。


「必ず……この闇を断ち切ってみせる」


そう誓った刹那、黒塔の頂から禍々しい影の軍勢が溢れ出し、王都に降り注ごうとしていた――。

ここまでお読みいただきありがとうございます!

第86話では、ついにヴァルトの真実と「影の主」の存在が深く関わってきました。

彼の裏切りは単なる意思ではなく、もっと大きな力に操られていた――そんな要素を入れることで、物語のスケールがさらに広がっていきます。


そして、ついに現れた黒塔。

これはまさに今後の大きな舞台装置であり、王都を飲み込む影の脅威の象徴でもあります。

リュウジたちがどう立ち向かっていくのか、次回からの戦いはますます苛烈になっていくでしょう。


もし「続きが気になる!」と思っていただけましたら、ぜひブックマークや評価で応援していただけると嬉しいです!

感想も大歓迎ですので、リュウジの覚悟やヴァルトの葛藤について皆さんのご意見をお聞かせください。


それでは、次回もどうぞよろしくお願いします!

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