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第83話『邂逅 ――廃駅に響く足音』

深夜零時。

都市の外れにある「夜明けの廃駅」は、今では列車が通ることもなく、寂れ果てたコンクリートの残骸と錆びた鉄骨が残るだけの場所だった。


リュウジと仲間たちは、警戒を強めつつその暗闇へと足を踏み入れる。


「……ここで待ち合わせだというのか?」

警戒心を隠さないカナメが低く問う。


「情報は確かだ。だが、奴らが仕掛けてくる可能性も高い」

リュウジは答えながら、腰に収めた異世界製の短剣に手を添えた。


夜気が冷たく張り詰める中、突然、鉄骨の影から複数の足音が反響する。


「やはり来たな……」


次の瞬間、暗闇から姿を現したのは黒い外套を纏った一団だった。その先頭に立つ男の顔を見た瞬間、リュウジの心臓が跳ねる。


「……お前は……!」


そこにいたのは、かつて異世界で肩を並べて戦った戦友――だが、その瞳にはかつての光はなく、冷酷な闇が宿っていた。


「リュウジ。ようやく会えたな。俺たちを置き去りにして、ひとりだけ“帰還”した賢者よ」


彼の声には恨みと皮肉が混じっていた。


「どういうことだ……なぜお前がここに……!」


仲間たちが戸惑いに沈黙する中、男は静かに右手を上げる。その合図で、背後の黒衣の兵たちが一斉に武器を構えた。


「俺たちは、灰色の賢者に導かれた。真の未来を掴むためにな……そしてそのためには、お前という“異端”を排除する」


リュウジは奥歯を噛みしめ、視線を逸らさずにその瞳を射抜く。


「……ならば、避けられぬ戦いだな」


刃が抜かれ、緊張が極限まで高まる。

廃駅の暗闇に、ついに“過去と現在”が交錯する戦いの幕が上がろうとしていた――。

ここまでお読みいただきありがとうございます!

第83話では、ついにリュウジの過去を知る人物が姿を現しました。

異世界での戦友が、まさか現代で敵として立ちはだかるとは……。

「裏切り」なのか、それとも「別の真実」が隠されているのか。

次回にかけて大きな転換点となる回になりました。


もし「続きが気になる!」と思っていただけましたら、ぜひ ブックマークや評価 をしていただけると励みになります!

感想もとても力になりますので、気軽に一言いただけると嬉しいです。


次回、第84話『陰謀 ――灰色の賢者の導き』をお楽しみに!

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