第77話『裁き ――揺れる正義と下される宣告』
王宮の大広間は、静寂に包まれていた。
玉座の上から鋭い眼光を向ける王と、その両脇を固める重臣たち。
そしてその中央に立つのは、リュシアとアキト、そして仲間たちだった。
「……リュシア姫。あなたが我らに隠していた真実、それをどう弁明する?」
王の声は冷たく、重く、場を圧した。
突きつけられたのは、王宮を揺るがす禁断の陰謀の証拠。
それはリュシアの母、かつて王妃であった人物が密かに進めていた計画に関わるものだった。
「私には……隠すつもりはありませんでした。ただ、あまりに重すぎる真実で……」
震える声で答えるリュシアに、重臣たちの視線は厳しい。
アキトが一歩前に出る。
「王よ、責めるべきは彼女ではない。真実を隠し、陰謀を進めていたのは別の者だ!」
しかし、その言葉を嘲笑うように、一人の影が大広間の奥から現れた。
それは――かつてアキトと共に異世界で戦った仲間、ユリウスだった。
「ようやく気づいたか、アキト。だが遅い。お前が信じる正義は、すでに腐っている」
ユリウスは冷笑を浮かべながら、証拠を掲げる。
それはリュシアに不利な情報を徹底的に並べ立てたものだった。
「ここで姫を裁けば、王国は救われる。だが庇えば、共に堕ちるぞ」
大広間に重苦しい沈黙が落ちる。
仲間を守るか、国を守るか――。
その板挟みの中で、アキトは剣を抜いた。
「俺の正義は、仲間を見捨てるものじゃない。どんな真実であろうと、守るべきものは決まっている!」
その言葉に、リュシアの瞳に涙が浮かぶ。
一方でユリウスは冷たく剣を構えた。
「ならば――裁き合おう。どちらの正義が生き残るのか」
二人の刃が交わる瞬間、大広間は緊張の極みに達した。
それは、王国の未来をも揺るがす裁きの戦いの幕開けだった。
ここまでお読みいただきありがとうございます!
第77話では「正義とは何か」を大きなテーマに据えて描いてみました。
仲間を守るのか、国を守るのか――。
アキトの選択は迷いがなく、彼の成長や信念がしっかりと表れた回になったと思います。
そして、かつての仲間ユリウスが敵として立ち塞がることで、物語はいよいよ大きな転換点へと進んでいきます。
次回は激しい剣戟、そして正義のぶつかり合い。
ぜひ引き続き楽しみにしていただけたら嬉しいです!
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それでは、次回もどうぞよろしくお願いします!




