第7話『学園革命、最高潮!裏切りと真実が交錯する時』
第7話をご覧いただき、ありがとうございます!
今回はいよいよ理事会との直接対決。
学園に蔓延する腐敗と権力構造に、ユウトと美咲が“異世界仕込み”の知略で切り込んでいきます。
仲間の裏切り、隠された真実、そして黒幕の嘲笑――怒涛の展開をお楽しみください!
校舎の屋上に吹く夜風は、まるで時代の転換を告げるように冷たかった。
俺――神谷ユウトは、学園理事会の不正を暴くべく仕掛けた情報戦の余波を見つめていた。
匿名の告発から始まった連鎖は、すでに学園の生徒たちの間で騒動となり、SNSでは「理事会の闇」というタグがトレンド入りしている。
「予定どおり、波は動き始めたな」
小声で呟いたそのとき、携帯にメッセージが届いた。
──“裏切者が出た。警戒を。”──
送り主は、美咲。
桐生財閥の令嬢であり、今回の革命の同志でもある。
◇ ◇ ◇
放課後、図書館の奥の個室で彼女と落ち合う。
「情報、回ってきたわ。理事会の一部メンバーが、君の個人情報をマスコミに売ろうとしてる」
「それが“裏切り”ってわけか」
「……そう。味方のはずの理事会改革派の一人、佐伯先生が情報を漏らしたの」
思い返す。佐伯は、俺に改革の協力を申し出てきた教育者だ。
「裏切った理由は?」
「どうやら“脅された”らしい。家族が、理事長代理・吉川に人質に取られてるのよ」
俺は深く息を吐いた。
「つまり、黒幕はまだ動いていないようで、ちゃんとコマを使ってる」
「……これ、正面からぶつかるしかないわね」
◇ ◇ ◇
翌日、理事会臨時総会。
美咲の名義で、正式に“理事会改革決議”が提出される。
その会議室の前、俺は美咲に封筒を手渡した。
「これが、吉川が隠していた不正契約と金銭授受の証拠ファイル。最終兵器だ」
「これがあれば……彼らを引きずり下ろせる」
「だが使いどころを誤れば、こちらも潰される」
そのとき、ドアが開いた。吉川が姿を現す。
「ほう……ついに踏み込んできたか、桐生の娘さんよ。そして、“元異世界の賢者”だとかいう君も」
彼の声は冷たく、しかし余裕に満ちていた。
「だが勘違いするな。学園は、理想で動いていない。動かしているのは“現実”と“力”だ」
「だから俺が来た」
俺は静かに答えた。
「異世界で、力だけの世界を見てきた。でも、最後に勝つのは知恵と誇りだ」
◇ ◇ ◇
総会が始まる。
俺たちは、理事会の前に“証拠”と“改革案”を提示する。
一部の幹部が顔色を変える中、吉川が不敵に笑った。
「ハッ。素人の情報戦ごっこで、私を倒せると?」
だが次の瞬間、後ろのモニターに表示されたのは――吉川の隠し資産の海外送金記録。
生徒たちの前に晒されたそれは、動かぬ証拠だった。
「な……何故!?」
「異世界の賢者は、監視魔法じゃなく、監視アプリで全てを視ていたよ」
◇ ◇ ◇
会議は騒然とし、吉川の失脚が決定した。
混乱の中、美咲がそっと俺の腕を取った。
「……ありがとう。あなたがいなければ、私はここまで戦えなかった」
「まだ終わっちゃいないさ。腐敗は、根を断ちきらなきゃまた生える」
彼女は強くうなずいた。
「私たちで、学園を変えるの。そう、“異世界式”に」
最後まで読んでいただき、本当にありがとうございます!
第7話では、ついにユウトと美咲が理事会の黒幕に証拠を突きつけ、大きな一歩を踏み出しました。
けれど革命はまだ始まったばかり。次なる敵は、学園の外――“国家”の影もちらつき始めます。
物語はさらに加速していきますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
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