第66話『決裂 ――裏切り者との対峙と揺れる想い』
王宮の中心部、戦いの余韻が残る廊下に、リュシアと裏切り者は向かい合って立っていた。
互いの視線は鋭く交わり、言葉よりも重い沈黙が二人の間に流れる。
「……なぜ、こんなことを?」
リュシアの声には怒りと悲しみが混じる。
かつて信頼していた上司の裏切りが、心に深い傷を残していた。
「君にはわからないさ。世界を変えるには、力が必要だと……私は信じた」
裏切り者は冷静だが、どこか虚ろな目をしている。
その言葉には、権力への執着と歪んだ信念が混じっていた。
◇ ◇ ◇
リュシアは剣を握り直す。
「信念の名のもとに人を傷つけるのは、もうやめろ!」
光の刃がほのかに揺れ、廊下の影を引き裂く。
「君がそう言うなら……ここで終わらせるしかない」
裏切り者も魔力を解き放ち、王宮の空気が張り詰める。
力と力のぶつかり合いは、二人の想いの衝突でもあった。
◇ ◇ ◇
戦いの最中、リュシアはふと立ち止まる。
「……でも、あなたはかつて仲間だった。完全に憎むことはできない」
その言葉に、裏切り者も一瞬ためらう。
人間としての未練と理想の間で揺れる彼の心が、戦いに微妙な影響を与える。
「……君の言葉が、少しだけ届いたのかもしれないな」
裏切り者の声に、迷いが混じる。
だが、揺れた隙にリュシアは決意を固め、最後の一撃を放つ準備をする。
◇ ◇ ◇
光と影が激しく交錯する中、二人の戦いは次第に王宮全体を巻き込む規模となった。
仲間たちは離れた場所で援護に回り、リュシアの判断を信じて行動する。
信頼と裏切り、友情と憎しみが交錯する緊迫の瞬間。
「……これで、終わる!」
リュシアの力は頂点に達し、ついに裏切り者の陰謀を砕く光が放たれた。
しかし、戦いの果てに残るのは、完全な勝利ではなく、複雑な心の傷だった。
王宮の闇に沈む陰謀の残滓と、揺れる想い――リュシアの前には、まだ多くの課題が待ち受けていた。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございます。
第66話では、リュシアと裏切り者の直接対決が描かれました。信頼と裏切り、友情と憎しみが交錯する中、戦いだけでなく心の揺れが物語を深めています。
皆さんがリュシアたちの葛藤や仲間との絆を感じながら楽しんでいただけていれば幸いです。
物語を応援していただける方は、ぜひブックマークやコメントで感想をお聞かせください。
皆さまの応援が次の展開を描く大きな力になります。
次回も、傷を抱えながらも前に進むリュシアたちの姿をお楽しみに!




