第39話『潜む敵 ――裏切りと暗躍の影』
薄暗い王都の裏通り。
雨がしとしとと降り続き、石畳を濡らしていた。リュシアは結月とともに、静かに足を進める。
「情報は錯綜しているが、裏切り者は確実に王都の中にいる。だが、誰なのか掴めていない」
結月の声は低く、冷静だが、その目には焦りが滲んでいた。
「このままでは、王都は内側から崩れてしまう……」
リュシアは思わず拳を握りしめた。国の未来が揺らぐのをただ見過ごすわけにはいかなかった。
◇ ◇ ◇
一方、王都の宮廷奥深く。
密談の間には、黒い服を纏った保守派の重臣たちが集まっていた。彼らの顔は険しく、今まさに決定的な一手を話し合っている。
「リュシア王女とレクスの共闘は、我々の計画を完全に崩壊させる危険な動きだ。今すぐに阻止しなければならない」
太った男が声を荒げる。
「だが表立って動けば、民の反発は避けられん。ゆえに、裏から動くべきだ。裏切り者を内部から見つけ出し、彼らの動きを封じるのだ」
冷酷な目をした長老が静かに命じた。
◇ ◇ ◇
その頃、リュシアの側近たちの間にも不穏な空気が漂っていた。
誰が敵か味方か分からず、疑念の影が次第に広がっていく。
「信じられる者が少なくなるほど、状況は悪化する……」
若き騎士レオンは厳しい表情で言った。
「我々は王女様のために尽くす。だが、油断は禁物だ」
忠実な家臣カミラも、目を鋭く光らせている。
◇ ◇ ◇
夜が更け、王都の闇が深まる中、突如として一筋の刃が暗がりに光った。
音もなく忍び寄る者の影が、一人の人物に襲いかかる。
「ぐっ……!」
倒れ込んだその人物は、リュシアの側近の一人だった。だが、その目には恐怖と驚愕が宿っていた。
「裏切り者……なのか?」
倒れた者の口から零れた言葉は、暗躍する影の存在を確信させた。
◇ ◇ ◇
翌朝、王都の宮廷では緊急会議が開かれていた。
リュシアは重臣たちの間を歩きながら、事態の深刻さを改めて感じていた。
「我々は、敵を内部に持っている。誰もが疑わしい状況だが、ここで正体を見極めなければ、この国は滅びてしまう」
彼女の声は揺るぎなかった。
「この国の未来を守るため、真実を暴き出そう」
決意を込めてリュシアはそう言った。
◇ ◇ ◇
影が潜む王都で、果たしてリュシアは真の敵を見つけ出せるのか。
そして、その裏に潜む巨大な陰謀とは――。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
今回は、王都の内部に潜む裏切り者と陰謀の影が徐々に明らかになる緊迫した展開となりました。
リュシアたちの信頼関係が試される中、誰が味方で誰が敵か、その境界線が揺れ動きます。
物語はますます深く複雑な局面へと進みますが、読者の皆さまに最後まで楽しんでいただけるよう、一層丁寧に紡いでいきたいと思います。
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