第33話『残響 ――告白と誓いのはざまで』
王都の廃墟のような地下水路を抜け、ようやく外の光が差し込んだ。
戦いが終わり、リュシアは体中に疲労を感じていたが、同時に胸の中にはかすかな安堵が広がっていた。
それでも、心の中に残るのは戦いの傷だけではない。
「リュシア様、大丈夫ですか?」
ユウトの声が、遠くから聞こえる。
リュシアはゆっくりと振り向き、笑顔を見せた。
「うん、少し疲れただけ。だけど……私たちは勝ったのよ」
彼女の言葉に、ユウトも安堵の表情を浮かべる。だが、彼の目には一抹の不安が宿っていた。
「でも、この後に待つのはもっと厳しい戦いです。私たちの決断が、どれほど大きな意味を持つか……」
リュシアは深く息を吐き、目を閉じた。
「知っているわ。でも、もう引き返すことはできない。私たちが歩んだ道を信じるしかない」
その時、遠くで足音が近づいてきた。
それは、レオンと結月だった。
「すべて終わったわけじゃないわね」
結月が、暗い表情で言った。
「うん……これからが本当の戦いだ」
リュシアの言葉に、レオンが静かに頷く。
◇ ◇ ◇
その夜、リュシアは一人で静かな部屋に座り、窓の外を見つめていた。
月の光がほんのりと彼女の顔を照らしている。
「……私は、本当に間違っていないのかな?」
ふと、心の中で疑念が湧き上がる。
それは、これまでの戦いの中で自分がどこまで正しい判断をしてきたのか、という問いだった。
だが、答えは見つからない。そうしている間にも、時は流れ、状況は変わっていく。
「リュシア様、少しお話ししても?」
声がかかり、振り向くとカミラが立っていた。
彼女の瞳には、どこか決意が込められている。
「どうしたの?」
カミラは少し躊躇しながらも、しっかりと目を見つめ返す。
「私、あなたに誓いたいことがあるんです。あなたが戦ってきた意味を、私は理解しました。そして、私もあなたと共に戦いたい。共に歩んで、最後まで……」
リュシアは静かにその言葉を受け止め、そして微笑んだ。
「ありがとう、カミラ。あなたの気持ちを無駄にしないように、私も全力を尽くすわ」
その言葉に、カミラは少しだけ安心したように頷く。
その時、リュシアの心に新たな誓いが芽生える。
「これからも、共に進んでいこう――」
第33話を最後までお読みいただき、ありがとうございました。
今回は、激戦を越えたあとの静かな時間――仲間との絆を再確認するエピソードを描きました。
派手な戦闘の裏で、それぞれの胸の内にある葛藤や、これからの決意が形になっていく回です。
少しずつ仲間たちの想いが一つになり始め、物語は次のステージへと進んでいきます。
第34話では新たな作戦と敵の動きが見えてきますので、ぜひお楽しみに。
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それでは、次回もどうぞよろしくお願いいたします!




