表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

32/200

第32話『暗闇の戦い ――咆哮と選択の刻』

地下水路に響く剣戟の音。火花が飛び、血が滲むたび、誰かの覚悟が試されていた。


「リュシア様、後ろッ!」


結月の叫びと同時に、リュシアは振り返り、迫る刃を受け止めた。重い衝撃が腕に走る。それでも――彼女の目は揺るがない。


「ここで退くわけにはいかない……この国を変えるって、誓ったから!」


反王政勢力“黒い手”の兵士たちは、顔を覆い、名も名乗らぬまま襲いかかる。誰が敵で、誰が味方か。だが、その混沌の中でも、守るべきものは明確だった。


 


  ◇ ◇ ◇


 


「リュシア、時間を稼ぐ!」


レオンが前に出た。剣を水平に構え、敵の壁に突っ込む。

背中を預ける――それが彼なりの信頼の証だった。


「私は、未来のために戦う。君の信じた未来が、ただの夢じゃないって証明するために」


リュシアはうなずき、奥へと走る。目指すは、地下区画の中央制御室。ここを制圧できれば、王都への侵入経路を封鎖できる。


 


  ◇ ◇ ◇


 


制御室へ到達すると、そこには一人の少女がいた。

セシル側から派遣されたカミラ――だが、彼女の手には短剣が握られていた。


「なぜ、ここに……?」


「ごめんなさい、リュシア様。これが、私の選んだ答えなの」


カミラの瞳は揺れていた。けれど、それでも彼女は刃を突きつける。

この国の未来のために。違う信念のために。


 


  ◇ ◇ ◇


 


「それでも、あなたを……信じたい」


リュシアは剣を下ろした。


カミラは一瞬、表情を曇らせた。そしてその短剣を、ゆっくりと床に落とした。


「私は……間違っていたのかもしれない。あなたのように、誰かを信じる強さが、私にはなかった」


「今からでも、遅くないわ。一緒に……変えよう、この国を」


暗闇に灯る一縷の希望。

それはやがて、地下水路の制御盤が作動し、侵入経路が閉じられた瞬間に繋がる――。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。


第32話では、戦闘の緊張感と、それぞれの「信じる力」が交錯する展開を描かせていただきました。

敵か味方か――誰もが迷いながらも、自分の信念と向き合い始めています。


特にカミラの行動は、この先の物語に大きな影響を与える伏線でもあります。

彼女の選択が意味するものを、ぜひ今後も見守っていただけたら嬉しいです。


お気に召していただけた方は、評価・ブックマーク・感想などで応援いただけると励みになります!

あなたの応援が、物語の先を描く力になります。今後ともよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ