第29話『裏切りの刃 ――崩れる絆と新たな同盟』
王都の夜は冷たく静かだった。
しかし、その静寂の中で、誰もが感じ取れぬ深い亀裂が進行していた。
リュシアは執務室で重要な文書を確認していたが、突然、扉が激しく叩かれた。
「急報です、リュシア様!」
側近の結月が息を切らして駆け込む。
「近衛隊の一員が反逆の計画を練っているとの情報が入っています。しかも、連絡を取っている相手はセシル側の者のようです」
リュシアの顔に緊張が走る。
「裏切り者は誰だ……?」
◇ ◇ ◇
一方、セシル陣営でも不穏な動きがあった。
彼の側近の一人、カイルは密かに仲間を集めていた。
「リュシアの軍に情報を流し、戦いを有利に進めよう。だが、我々の狙いは王国の真の支配だ。表面上は協力しながら、裏では己の利益を追求する」
仲間たちは冷たい目で頷いた。
◇ ◇ ◇
リュシアはユウト、レオン、結月と秘密裏に会合を開いた。
「裏切り者をあぶり出し、王都の安全を守る。だが、動きは慎重に」
ユウトは静かに答えた。
「信用できる者だけを集め、情報網を強化する。裏切り者には必ず制裁を」
レオンが拳を握る。
「誰かが傷ついても、この国のために戦うしかない」
◇ ◇ ◇
しかし、そんな緊迫した状況の中、リュシアのもとに一通の密書が届く。
そこには、思いもよらぬ提案が記されていた。
『裏切り者を見つけ出し、共に新たな同盟を築こう』
差出人は――セシル。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
今回は内通者の存在が明らかになり、緊迫した状況がさらに深まりました。
そしてセシルからの意外な提案が、物語に新たな展開をもたらします。
リュシアたちは信じるべき相手を見極めながら、この難局を乗り越えられるのか。
次回の展開もぜひお楽しみに。
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