第23話『王女の決断 ――玉座を継ぐ者』
静けさを取り戻した王都跡の廃墟。
イオの裏切りという衝撃の余韻を残しつつ、夜は明けた。
新たな一日が始まろうとしていた。
リュシアは古びた玉座の間に立っていた。
割れた柱、剥がれた紋章、朽ちた王冠。
それでも彼女の目は、まっすぐ前を見据えていた。
「私に、この国を背負う資格があるのか……?」
傍らに立つユウトは静かに答えた。
「資格なんてものは、誰かに与えられるものじゃない。自分で掴むものだろ?」
リュシアは微笑む。
「あなたはいつも、そうやって背中を押してくれるのね」
◇ ◇ ◇
王国再興の意思を明確にするには、宣言が必要だった。
再び玉座に座る――それは、リュシア自身が“王”になる覚悟を固めるということだ。
だが、王宮の地下では、なおも反乱軍の残党が動いていた。
かつてイオと繋がっていた兵の一部が、王女の即位を阻止すべく動いているとの報告が入る。
「……時間はないわね」
リュシアは振り返り、皆に告げた。
「私が玉座に座るには、私自身が“戦う意思”を示す必要がある。
王は、ただ祈るだけではいけない。血を流してでも、未来を選ぶべきなのよ」
彼女の瞳に迷いはなかった。
◇ ◇ ◇
宣言の場は、壊れた大広間に用意された。
かつての臣下たちの子孫、民の代表、“帰還者”たち――
多くの人が、リュシアの前に集まっていた。
「私は、王女リュシア・オルディネ。先代が滅ぼしたこの国の責任を背負い、未来を築く覚悟があります」
ざわめく民の声をよそに、彼女は進む。
「今日、この玉座に座り、王として――皆と共に歩むことを誓います」
足元は血と涙に濡れた石畳。
それでも彼女は一歩一歩、力強く進んだ。
◇ ◇ ◇
玉座に腰を下ろしたその瞬間、
ユウトははっきりと見た。
彼女はもう、“ただの王女”ではなかった。
戦う者として――王として立ったのだ。
最後までお読みいただき、本当にありがとうございました!
リュシアの決断――それは、物語の中でも大きな転機となる瞬間でした。
王女から“王”へと歩み出す彼女の姿を、少しでも胸に響かせることができたなら嬉しいです。
これから物語は、より深く、より激しく展開していきます。ぜひ次回もお楽しみに!
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