第21話『影の刃 ――裏切り者の正体』
ご覧いただきありがとうございます。
今回の第21話では、これまで信頼していた仲間の中から“裏切り者”が明らかになります。
信頼が試される瞬間と、彼らの信念の衝突。
物語は新たな局面へと進みます。重い選択の果てに残るものとは――ぜひご一読ください。
王都跡の薄闇の中、静かに揺れる焚き火の炎が緊張を映していた。
「仲間の中に裏切り者がいる――」
その情報がもたらされてから、ユウトたちの間には静かな不協和音が漂っていた。
そんな中、レオンが低く言った。
「動いたな。“影”が……」
◇ ◇ ◇
夜更け、監視の交代をしていた結月が、ふと人影を見つけた。
「……誰?」
月明かりの下、忍び足で離れていく小柄な人物。
結月は即座にユウトを呼び、二人でその人物の後を追った。
地下の古井戸を抜けた先。
そこにいたのは、まさかの人物だった。
「……イオ。君だったのか?」
ユウトの声には驚きと戸惑いが混じっていた。
イオ――王女の側近として忠誠を誓っていたはずの青年は、冷たい眼差しで振り返った。
「すまない、ユウト。だが、私は王国を“再建”させるつもりなどない。正すんだよ、間違った王の血統を」
◇ ◇ ◇
イオは語った。
この国が滅んだのは、王族の傲慢さと歪んだ統治のせいだと。
だからこそ、王女リュシアの命を狙っていたのだ。
「ならば、なぜ今まで……!」
結月が怒りを露わにする。
「君たちを使ったんだ。“帰還者”は、騒ぎを大きくするには都合が良かった」
ユウトの拳が震える。
「……その考え自体が、王族と同じじゃないか」
レオンが前に出る。
「ならば、私がその罪を断つ」
黒い剣が、静かに風を切った。
◇ ◇ ◇
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
イオの裏切りは、これまで築いてきた絆を根底から揺るがしました。
ユウトたちはこの断絶をどう乗り越えるのか。
次回、第22話では「断罪」と「決別」が描かれ、仲間たちがそれぞれの選択を迫られることになります。
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