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第14話『帰還者の牢獄・第弐区 ――王女奪還作戦』

お読みいただきありがとうございます!


第14話では、物語の中でも大きな転機となる「王女奪還作戦」を描いています。


主人公たちが再び政府施設に潜入し、かつて異世界でともに戦った仲間を救う――という展開は、これまでの“帰還者としての葛藤”と“現実世界での戦い”が重なり合う重要なシーンです。


異世界の絆、そしてそれを脅かすこの世界の現実。


手に汗握る展開をお楽しみください。

都内某所、夜。

霞ヶ関地下実験施設のさらに深部、「第弐収容区」――通称・黒牢。


そこには、かつて異世界〈ティエラ〉で“光の王女”と呼ばれた女性、リュシア・アーデルハイトが拘束されていた。


ユウトは深く息を吸い、夜の風に身を晒した。


「行くぞ。今回は……失敗できない」


背後には、リクト、結月、そして新たに加わった帰還者・カナエ。

彼女は施設の設計図を記憶しており、内部構造に精通していた。


「王女は“階層D7”にいるはず。記録によれば“思念遮断拘束”をされてる」


「つまり、彼女は助けを呼べないし、こちらからも探知できないってことか」


「その代わり、魔力遮断フィールドの中に“魔力干渉痕”が残ってる。そこをたどれば──」


「……そこに、彼女がいるってことか」


ユウトの声に、仲間たちが頷く。


 


    ◇ ◇ ◇


 


深夜2時、施設南側排気路から侵入。

監視カメラを結月の魔術で遮断しつつ、ユウトたちは階層を降下していく。


途中、パトロール兵とのすれ違い、異常感知センサー、気圧変化による偽通路など、複雑なセキュリティを次々と突破。


「……階層D7。ここが……」


分厚い隔壁の向こうに、王女がいた。


拘束具に包まれた姿は痛々しかったが、その表情は静かで、気高かった。


「リュシア……!」


ユウトの呼び声に、王女の目がわずかに開く。


「……ユウト……」


 


    ◇ ◇ ◇


 


だが、そのとき。


「動くな!」


複数の照準光が彼らを包み込む。


「包囲された! カナエ、転送魔術はまだか!?」


「あと10秒! 防壁を維持して!」


リクトが咆哮を上げながら前に出る。


「王女を渡すわけにはいかねぇんだよ!」


バチィィィッ!


リクトの拳が地面を撃ち抜くと、雷の痕が走った。

その瞬間、カナエの詠唱が完了する。


「今よ! 全員、触れて!」


まばゆい光に包まれ、ユウトたちは転送された。


 


    ◇ ◇ ◇


 


廃倉庫の中、転移先。


王女はうっすらと目を開けた。


「……ありがとう……ユウト……あなたたちが……」


「無事でよかった。だが……まだ始まったばかりだ」


ユウトは王女の手を握りながら、静かに言った。


「奪還した命に、意味を持たせる。そのために……この世界の在り方を、俺たちが変えるんだ」

最後までご覧いただき、ありがとうございました!


今回の王女リュシアとの再会は、異世界編を読んでくださっていた方にとっては特に感慨深いものになったのではないでしょうか。


彼女の存在が、現代編でも大きな意味を持ち始めます。そして、ユウトたち“帰還者”に課された使命と世界の秘密が、いよいよ明かされていきます。


次回、第15話では王女が語る“異世界の真実”と“政府の本当の目的”が明らかになります。物語はさらに深く、シリアスな局面へ――。

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