第12話『世界は知った。政府公式発表と「異世界」』
ご覧いただきありがとうございます!
第12話では、ついに「異世界帰還者の存在」が日本政府によって公に発表されます。
これは世界観における大きな転換点であり、これまで裏で進行していた“異世界との干渉”が表舞台に躍り出る瞬間でもあります。
ユウトたちは、新たな協力者とともに動き出しますが、それと同時に政府の手が静かに迫ってきて……。
緊迫する社会情勢と、帰還者たちの信念が交錯する回。どうぞお楽しみください!
──速報──
『本日午後、首相官邸にて異例の記者会見が行われ、内閣官房副長官・神保光昭氏が「異世界との接触および帰還者の存在」について初の公式見解を発表しました。』
◇ ◇ ◇
「……嘘だろ、マジかよ……」
ファミレスのTV前で呆然と立ち尽くす男たちの隣で、俺・神谷ユウトはコーヒーを飲みながらその映像を睨んでいた。
〈我々政府は、昨年12月、東京湾岸にて“異常重力現象”を観測。
その後の調査で、それが“異世界に通じる空間接触”である可能性が示唆されました〉
「……いよいよ表に出たか」
隣に座る結月は、冷めた目で呟く。
「利用する気ね、あの男。私たちの“異世界”を」
「だからこそ……俺たちは止める」
◇ ◇ ◇
その夜、俺たちは仲間の一人・美咲のアパートに集まった。
「テレビでもネットでも“異世界”のワードが溢れてる……今や隠せないわ」
美咲が指差したタブレット画面には、こんな見出しが躍っていた。
『異世界帰還者=新たな兵器? 政府の“管理下”で進む実験計画』
『一般人でも門を通れる!? 都内で新たな“微振動”検出』
「このままだと、“帰還者狩り”が始まる」
俺の言葉に、結月が頷く。
「すでに一部の帰還者が失踪してるわ。“消された”のか、“再利用”されたのか……」
「だから俺たちが先に動く。残ってる帰還者を“解放”する」
「反政府組織を立ち上げる気?」
「いや、“レジスタンス”じゃない。“真実を知る者”として世界に問いかけるだけだ」
◇ ◇ ◇
翌日。
秋葉原の廃ビルで、俺たちは“ある男”と接触する。
「……君が噂の“賢者”か」
「……お前は?」
「諫早レン。元・陸幕調査本部の分析官だ。“異世界の力”を研究してた。だが神保に逆らって、追放された」
「協力するか?」
「条件がある。“門”を破壊してほしい。異世界がこれ以上、汚されないために」
俺は無言で頷いた。
◇ ◇ ◇
――その夜。
NHKの“緊急ニュース枠”で、政府が次なる発表を行う。
『来週、国際首脳会議にて“異世界接触”の正当性を各国と協議。将来的には異世界との“相互支援条約”の締結を目指す』
……世界は、確実に変わり始めていた。
そしてその裏で、“帰還者たち”の戦いは、次なる段階へ。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
今回は世界そのものが揺らぎ始める、物語の大きな節目を描きました。
「異世界と繋がっていた」という事実が人々に知られることで、社会も、国家も、そして“人間関係”も、次々と変化していきます。
今後は、政府の“異世界利用”に対抗するため、ユウトたち帰還者が水面下で動き出すことになります。
次回、第13話では、“帰還者の牢獄”と呼ばれる地下施設に潜入し、かつての仲間との衝撃の再会が描かれます。




