第11話『再会、もう一人の帰還者 ――現代に舞い降りた風使い』
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第11話では、ユウトの過去が再び姿を現します。
異世界で命を共に懸けた“仲間”が、現代日本に現れた――。
彼女の名は結月。かつて風を操る魔導士として異世界の王国に仕えていた彼女が、現代に“帰還”していた事実が明らかになります。
物語は、“帰還者同士の再会”と、“政府の監視網”が交錯する緊張の一幕へ。
ぜひご覧ください。
東京湾岸での“次元門事件”から三日後。
俺は警視庁公安部からの尾行を撒きながら、ある高層ビルに足を運んでいた。
その場所は、異世界でもよく見かけた「魔素が揺らぐ空間」――つまり、“扉の痕跡”が残っているエリアだ。
「やっぱり、あの日……門は“閉じきって”いなかったか」
その瞬間、耳をつんざくような風のうねりと共に、空気が切り裂かれた。
ゴォオオ――ン!
突風が吹き荒れ、俺はとっさに体を伏せた。
「誰だ……!」
そこに立っていたのは――銀の髪、深紅のマント、鋭い視線を宿した“あの女”。
「……やっと見つけたわ、ユウト」
「……結月!?」
俺の声が震えた。
それは、異世界で共に戦い、そして俺よりも先に“死んだ”はずの――風の魔導士・結月だった。
◇ ◇ ◇
「どうやって、ここに……お前は“あの戦い”で……」
「死んだ? ふふっ、そう思ったでしょ。でもね、あの“魔王の転移魔法”は、死よりもずっと残酷だったわ」
結月の瞳が、苦痛と怒りに揺れる。
「私は異なる時空に飛ばされた。そして、ここに“落ちて”きたの。……日本よ、ここは」
「じゃあ、お前も……帰還者なのか」
彼女は小さく頷いた。
「ただし、私の記憶は徐々に“上書き”されていった。気づいたら、この世界で別人として生活していた……。でも、異世界の記憶が戻った瞬間、私は“探した”。あなたを、そして……敵を」
「敵?」
「異世界を滅ぼした“あの魔王”……あいつの残滓が、この世界にも潜んでる」
◇ ◇ ◇
そのとき、美咲からの通信が入った。
『ユウト、大変よ。国防省のデータに異常なアクセスログがあったわ。座標情報が……あなたの位置に一致してる!』
「……来るのか、奴らが」
結月が微笑む。
「久しぶりね、“背中合わせでの共闘”」
俺も笑った。
「相変わらず、命知らずだな」
「ふふ、あなたが“俺の盾になる”って言ってくれたから、私は今も立っていられるのよ」
その瞬間、上空に黒い飛翔体が現れた。
――ドロォオオオオオオン!!
国防省の無人兵器部隊。そしてその背後にいるのは……国家の黒幕・神保。
「さあ、やろうか。今度は“帰還者”が、現代日本の秩序を変えてやる番だ」
◇ ◇ ◇
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
第11話では、物語のキーパーソンとなる“結月”が再登場。
彼女は、単なる回想のキャラではなく、現代日本で再びユウトと肩を並べる重要人物として描かれていきます。
異世界帰還者がひとりではない――。この事実が、政府にとっても世界にとっても、大きな波紋を生みます。
次回は、国家権力が「異世界との接触」をついに“公式発表”する衝撃の展開へ。




