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第107話『揺れる心 ――篠原の選択』

 静まり返った作戦本部の空気の中、篠原は一人、窓辺に立っていた。

 かつて同じ机を並べ、同じ夢を語った悠真――その名を口にすることさえ、今の立場では裏切りに等しい。


「……俺は、本当にこの道を選んで良かったのか?」


 ガラスに映る自分の顔は、どこか疲れきっていた。

 加納の掲げる理想は壮大で、確かに惹かれる部分もある。

 だが、そのために犠牲となった人々の姿を思い出すたび、胸がざわついて仕方がない。


 そのとき、背後から声がした。


「まだ迷っているのですか、篠原さん。」


 現れたのは、加納の腹心である高柳だった。冷徹な視線が篠原を射抜く。


「あなたにはもう退路はありません。ここで立ち止まれば、待つのは破滅だけです」

「……わかっている。だが――」

「だが、何ですか? 悠真のことを思い出しているのですか?」


 痛いところを突かれ、篠原は言葉を飲み込む。

 その沈黙を見逃さず、高柳は小さく笑った。


「甘いですね。彼はもう敵です。あなたが迷えば迷うほど、彼に斬られるだけ」


 突き放すような言葉に、篠原は拳を握り締めた。

 ――本当にそうなのか? 悠真ならば、まだ自分の迷いを受け止めてくれるのではないか?


 揺れる心を振り払うように、篠原は顔を上げた。


「……俺は、俺の答えを見つける。たとえ裏切り者と呼ばれようとも」


 その瞳に、一瞬だけ決意の光が宿る。

 しかし、それが加納に従う未来か、悠真のもとへ戻る未来か――

 まだ誰にもわからなかった。


 そして夜は更け、次なる決戦の幕が上がろうとしていた。

第107話をお読みいただきありがとうございます!


今回は篠原の心の迷いを中心に描きました。

これまで敵として立ちはだかってきた彼ですが、心の奥にはまだ「人としての葛藤」が残っている――その部分を少し掘り下げてみました。


敵として徹底して描くか、それとも揺らぎを持たせて読者の皆さんに「もしや……?」と思わせるか、作者としても悩みながら書いています。篠原がどんな答えを出すのか、次回以降に注目です。


もし少しでも続きが気になる、面白いと感じていただけましたら、ブックマークや評価で応援していただけると嬉しいです。作者の励みになります!


次回もぜひお楽しみに!

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