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第105話『対峙 ――裏切り者の刃と黒幕の影』

王宮の広間は、血と炎の匂いに満ちていた。

天井を這うように広がった魔術の痕跡、崩れ落ちた石柱、戦士たちの呻き声――まさに決戦の舞台だった。


悠真は剣を構え、目前に立つ男を睨みつける。

それはかつて異世界で幾度となく背中を預け合った仲間、剣士・篠原だった。


「……篠原、お前が……裏切ったのか」

「裏切り? 違うな、悠真。俺は“真実”に目覚めただけだ」


篠原の剣先から滴る赤黒い魔力が、床を焦がす。

その気配は明らかに異世界で禁忌とされた“魔王の残滓”だった。


「なぜだ、俺たちは一緒に……!」

「一緒に? 異世界ではそうだったかもしれない。だが、この世界では違う。お前だけが称賛され、力を誇示し、俺は影のままだった。ならば――俺は己の道を歩む」


言葉と同時に篠原が斬りかかる。

悠真は受け止めるが、その一撃は以前の彼を遥かに超えていた。異世界の遺物と魔王の力が混ざり合い、篠原を異形の存在へと変えつつあったのだ。


「篠原……っ!」

火花が散り、衝撃波が広間を揺るがす。


そこへ、さらに低く冷たい声が響いた。


「――実に見応えのある再会だ」


崩れた玉座の奥、闇の中から一人の影が歩み出る。

漆黒のローブをまとい、その手には王家の秘宝“星辰の宝珠”が握られていた。


悠真の心臓が強く脈打つ。

その人物こそ、長きにわたり裏で糸を引いていた黒幕――王国宰相・加納だった。


「加納……! お前がすべての元凶か!」

「そう憤るな。すべては必要なことだ。篠原も、私と同じ理を見た。愚かな王と腐った国を焼き払い、新たな秩序を築くためにな」


篠原が狂気を帯びた笑みを浮かべる。

悠真の剣先が震える。かつての仲間を斬らねばならない現実と、黒幕の存在――その狭間で、彼の覚悟が試されようとしていた。


「俺は……絶対に譲らない。仲間を守り、この国を守る! たとえ相手が誰であろうと!」


広間に鳴り響く剣戟。

篠原と悠真の衝突の火花が、王宮決戦の幕をさらに大きく開け放つのだった。

ここまでお読みいただきありがとうございます!

第105話では、ついに裏切り者である篠原との正面衝突、そして長きにわたり影で動いていた黒幕・加納が姿を現しました。物語の核心にぐっと近づいた回となりましたね。


かつての仲間と刃を交える葛藤、そして黒幕の陰謀……悠真にとってはこれまで以上に厳しい戦いになっていきます。次回はさらに緊迫した展開をお届けしますので、どうぞ楽しみにお待ちください!


もし「面白い」「続きが気になる」と感じていただけましたら、ブックマークや評価をいただけると執筆の大きな励みになります。

応援のひとつひとつが、この物語を最後まで描き切る力になりますので、どうぞよろしくお願いします!

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