第102話『真実 ――裏切り者の仮面の下』
王都を揺るがす激戦の最中、悠真の剣とハルベルトの槍が火花を散らす。互いに一歩も引かない攻防の裏で、王宮の最奥では黒衣の男が不気味な微笑を浮かべていた。
「やはり……お前がすべてを操っていたのか」
悠真が睨みつけると、黒衣の男は仮面に手をかけ、静かに外す。現れた顔に、場の全員が息を呑んだ。
「まさか……お前が……!」
それは、かつて異世界で共に戦った仲間の一人――いや、悠真がもっとも信頼していた“戦友”だった。
「裏切ったのか? なぜだ!」
悠真の叫びに、男は冷笑を浮かべる。
「裏切り? 違うな。俺はようやく“正しい側”に立っただけだ。異世界でお前が賢者と呼ばれ持ち上げられる一方、俺は影に追いやられた。だがこの世界では違う。俺こそが王となる資格を持つ」
ハルベルトも言葉を失い、槍を下ろした。彼が敵対していた理由もまた、この男の策略にあったのだ。
「悠真……俺は、騙されていたのか……」
「……ああ。けれど、まだ終わっていない。取り戻すんだ、俺たちの誇りを!」
悠真は剣を握り直し、立ち上がる。背後では仲間たちも戦意を取り戻し、それぞれ武器を構えた。
黒衣を脱ぎ捨てた“元仲間”は、両手を広げ嘲るように笑う。
「さあ来い。過去を断ち切れるかどうか、試してやる」
夜明け前の王都を舞台に、真実を知った者たちの決戦が幕を開けた――。
ここまでお読みいただきありがとうございます!
第102話ではついに“裏切り者”の正体が明かされました。予想していた方もいれば、驚かれた方もいたのではないでしょうか。
異世界で共に戦った仲間が、現代に戻ってから最大の敵として立ちはだかる……。物語はさらに緊迫した展開に突入していきます。
次回は、その真実を受け止めた悠真たちが、どう動くのか。そして“決戦”に向けて物語が大きく動き出します。ぜひ楽しみにしていてください!
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