第100話『決戦 ――運命を切り拓く者たち』
王宮の広間は、炎と瓦礫で荒れ果てていた。
天井から差し込む月明かりが、血と影を照らし出す。
悠真は立ち上がり、深く息を吸い込んだ。
目の前にはなお立ちはだかる黒衣の男。その背後に、未だ縛められた王女の姿があった。
「――ここで終わらせる」
低く呟いた声には、もはや迷いはなかった。
剣を構える悠真。その横に並んだのは、傷だらけのハルベルト。
かつては刃を交えた仲間が、今は再び肩を並べる。
「借りは返す。お前がまだ信じるなら……俺も、もう一度信じよう」
ハルベルトの言葉に、悠真はわずかに頷く。
直後、轟音が響いた。
黒衣の男が放った闇の魔力が、波のように押し寄せる。
床がひび割れ、空気が震える。
「来いッ!」
悠真は剣を振り抜き、ハルベルトは槍で闇を切り裂いた。
交錯する光と闇。
リナが必死に詠唱を重ね、仲間たちが支援に回る。
王宮全体が戦場と化し、力と力がぶつかり合う。
――だが。
黒衣の男は不気味に笑い、なおも余裕を崩さなかった。
「お前たちの戦いなど、運命の流れには逆らえぬ」
その瞬間、悠真の脳裏に異世界での師の言葉が蘇る。
“運命は定められたものではない。切り拓くために、力と心を磨くのだ”
悠真は剣を握り直し、全身の魔力を解放した。
異世界で培ったすべての経験、知識、技術――そして仲間たちとの絆をひとつに束ねる。
「俺は諦めない。運命は、俺たちが切り拓く!」
光が迸った。
闇をも切り裂くその輝きは、王宮の残火を押しのけ、夜明けのように差し込んだ。
仲間たちの声が重なり合う。
「行け、悠真!」
「ここで決めろ!」
――運命をかけた決戦が、今、始まった。
ここまで読んでいただき、本当にありがとうございます!
ついに第100話まで到達しました。最初の一話から追ってくださっている方、最近読み始めてくださった方、すべての読者さまに心から感謝します。
今回はまさに大きな節目の戦いを書かせていただきました。
これまで積み重ねてきた仲間との絆や、異世界で培った経験がついに「運命」と真正面からぶつかる瞬間です。執筆しながらも胸が熱くなりました。
物語はまだ終わりません。
むしろここから先はさらに加速し、敵の真の目的や、悠真たちが歩む未来が大きく揺れ動いていきます。
ぜひこれからも一緒に見届けていただけると嬉しいです!
ブックマークや評価、感想をいただけると執筆の励みになります。
100話という区切りに、もし「ここまで読んでよかった」と思っていただけたなら、ぜひ応援をよろしくお願いします!
次回、第101話では決戦の続きを描きます。
いよいよ核心へ――どうぞお楽しみに!




