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第1話 『ブラック企業で死にかけた俺、異世界に転移して賢者になった』

こんにちは、はじめまして!この作品をご覧いただきありがとうございます。


ブラック企業で心を折られかけた主人公が、異世界でスキルを磨き、現代に帰ってきて逆転無双していく物語です。


異世界×現代×ざまぁ×成り上がりのハイブリッドストーリーを目指してます!


「異世界帰りの賢者」が、今度は現代社会でどんな風に暴れまわるのか?ぜひお楽しみください!

 午前3時、終電どころか始発さえまだ来ない時間。

 俺は冷たいアスファルトの上に膝をつき、吐きそうなほど苦い胃液を飲み込んでいた。


「……あのクソ上司……絶対ぶっ殺す……」


 吐き捨てるような呟きが、無人の都内裏通りに虚しく響いた。

 だが現実は、何ひとつ変わらない。俺がどれだけ無能と罵られ、深夜まで働いても、給料は手取り14万。怒鳴られて、蹴られて、それでも「すみません」と頭を下げるしかなかった。


 名前は神谷ユウト。24歳。ブラック企業勤務、特技は忍耐。

 ……まあ、そろそろ限界だった。


 そのときだった。


 視界の隅で、空間が“ひしゃげた”。

 まるでテレビの画面がノイズを帯びるように、世界が一瞬だけねじれた。

 次の瞬間、俺の身体は地面を離れ―――


「!? お、おい待てッ―――!」


 暗闇へと、真っ逆さまに落ちていった。


     ◇ ◇ ◇


「転移対象:確認完了。資質分析中……適正職業:賢者。スキル付与を開始します」


 目の前に浮かぶ、透き通った青いウィンドウ。

 ゲームか……?いや、これは……


 【獲得スキル:解析LVMAX、創造LV5、精神耐性LV8、言語習得(全)】


 頭に直接知識が流れ込んでくるような感覚。

 気づけば俺は、見知らぬ森の中にいた。空は赤く、木々は巨大。まるで西洋ファンタジーの絵本のような景色だった。


「……まさか、本当に異世界転移なんて……」


 だが、不思議と怖くはなかった。


 この森の毒草も、この大木の樹液も、この大地に生きる魔物の構造さえも――

 俺は“視るだけで理解できる”ようになっていた。


 スキル《解析》の力だ。


 魔法の構造、武器の仕組み、果ては人間の感情パターンまで、

 すべてが透けて見える。まるで人生のチートシートを手に入れたようだった。


     ◇ ◇ ◇


 それから俺は、この世界で5年を生きた。


 盗賊に襲われ、魔物と戦い、奴隷になりかけた日もある。

 だがスキルと知識を活かし、やがて王国の魔導顧問にまで上り詰めた。


 俺の設計した魔導兵器は戦争の流れを変え、

 俺の育てた孤児たちは王都で商業ギルドを築いた。


「……異世界でなら、俺は必要とされるんだな……」


 そんな想いが、かつての現実を忘れさせてくれた。

 あのゴミみたいな生活も、絶望も、すべて過去の話になると思っていた。


     ◇ ◇ ◇


 ――だが、ある日。


「転移対象:帰還条件、達成。強制送還を開始します」


 そんな声と共に、俺はまた世界を落ちていた。


     ◇ ◇ ◇


「……あ?」


 気づけば、俺は見覚えのある駅前のロータリーにいた。

 人混み、コンビニ、排気ガスの匂い。

 全部―――帰ってきてしまったんだ、現代日本に。


「……あの5年、なんだったんだよ……」


 でも、俺は知っている。

 もう“何もできない俺”じゃない。


 解析スキルはまだある。創造スキルも、精神耐性も。

 異世界で叩き込んだ知識と経験は、この身体に残ってる。


「だったら……今度は、現実で無双してやるさ」


 俺を馬鹿にした上司。見下してきた同級生。

 俺をいらないと言ったこの社会。

 全部、見返してやる。


 今度は、俺が世界を“攻略”する番だ。

最後まで第1話をお読みいただき、ありがとうございました!


今回は主人公・ユウトの転移と異世界での始まりを描きました。

このあと彼が異世界で何を得て、現代でどう“ざまぁ”を果たしていくのかが物語の軸になります。


ざまぁ要素や現代無双、ちょっと皮肉の効いたギャグやスカッと展開が好きな方にはぜひ続きも読んでいただけると嬉しいです!


次回、第2話は「現代社会でいきなり起業⁉元上司と再会しての一手」からスタート予定です。


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