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アニメは少年を救う。  作者: ありま氷炎
メリークリスマス
8/9

紹介しようか、どうしようか。

 マックスの心は踊っていた。

 桜子がアメリカの、しかもフロリダに遊びにくるのだ。

 2週間も滞在予定なので、沢山会えるとワクワクしていた。


 ビデオ動画で顔を見て会話もできるけど、やはり会うのは特別だった。

 初めてできた彼女。

 自分の気持ちを伝え、友達からと最初言われた時はがっかりした。

 だけど経験値が少ない彼は、どうにか自分を納得させた。

 焦っては駄目だし、ずっと動画を見てもらったとはいえ、数日で好きになってもらおうというのは虫が良すぎる。

 マックスが初めてちゃんと話した女性、それが桜子だ。

 登録者と交流することはない。

 女性の登録者はいるけど、直接言葉を交わしたことはなかった。

 実生活では、ナードと呼ばれる外見。

 女性から声を掛けられることはない。


 そんな彼に積極的に接してくれ、優しくしてくれた桜子。

 マックスが彼女を好きになるのは自然なことだった。

 そして桜子がマックスを好きになることは……難しいとは理解していた。

 友達にはなってくれたので、それで納得していたのだけど、帰国する直前に彼女になってくれると言われ、マックスは天国に召されるかと思ったくらいだった。

 勢いでぎゅっと抱きしめてしまい、その後桜子の父のウィリアムから小言ももらった。

 一度帰国してから、もう一度渡日。

 桜子の計らいで彼女の家に一週間泊まった。

 知れば知るほど、マックスの彼女への気持ちは強くなっていく。

 だけど、ウィリアムが随時監視するように見ているため、世に言う恋人らしいことはまだだ。

 関係がゆっくり進んでいけたら、マックスはそう願っていた。


「マックス!何を笑ってるの?気持ち悪いんだけど」


 二つ下の妹がリビングに顔をのぞかせ、冷蔵庫から飲み物を取っていく。


「別なんでもない」


 彼女ができたことは家族の誰にも伝えていない。

 だけど、この機会に家族に紹介してみようかと思っていた。

 けれども妹の冷たい視線を受け、迷い始めていた。

 家族は彼のネット活動に冷たい。

 絶対身元がばれないようにと強く言われている。

 カラーコンタクトレンズ、髪型、服装、すべてが違うので、今のところ、彼の本名や住所などはバレていないはずだった。

 桜子が彼をヤシマだと見破ったことは本当に稀で、アメリカに戻ってきたときは周りにばれているのではないかとドキドキしたこともある。

 けれども、ヤシマになってから三年、彼の正体は誰にもバレていないようだ。

 桜子以外には。


「……家族に紹介したほうがいいよね」


 クリスチャン以外でもクリスマスは世界中で祝われている。

 日本ではどうやら、恋人たちのイベントとしても有名らしい。

 自分には関係ないと思っていたが、今彼は恋人がいる。 

 クリスマスは家族で過ごすものだけど、彼女をクリスマスに家に招待して紹介したほうがいいのかと、マックスは迷い始めていた。


 迷ってるうちに、桜子が到着する三日前、彼は諦めた。

 その代わり、クリスマス以外で色々予定を作ってみた。

 一番はやはりディズニーランドだ。

 早めに予約をいれたほうがいいので桜子にはすでに日程を聞いて、チケットを購入済。

 ユニバ―サルスタジオのチケットも翌日に取っている。

 それからケネディ宇宙センター。

 宇宙センターはマックスも一回行ったことがなく、ワクワクしていた。

 ディズニーランドとユニーバーサルスタジオは子供の頃に行ったきりで、何か新しいアトラクションが増えていないから、確認済だ。

 桜子のおかげで久々にテーマパークに行くことになり、マックスは感謝していた。妹は高校生活をエンジョイしている陽キャラで、マックスとは水と油のような違いがある。子供の時は一緒に遊んでいたが今は会話することも少ない。

 そんな状態なので、一緒に行動することもない。

 テーマパークなど一人で行くものでもないし、あまり興味をそそられていなかった。

 だけど、フロリダといえば、ディズニーランドは外せない。

 だから、桜子を連れて行くのは当然で、マックスも自分自身久々に楽しめたらいいなと考えていた。


 そうして桜子の到着する日がやってきた。

 ウィリアムの弟とは顔見知りになっていて、事前に彼から電話もあったので、空港まで連れて行ってもらうことになった。

 ウィリアムの弟ハリーは、兄と双子ではないかと思うくらい、よく似ていた。

 警察官でもあるハリー。

 その険しい視線にドキドキしながら、マックスは助手席に座らせてもらい、空港へ向かった。



 

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