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アニメは少年を救う。  作者: ありま氷炎
メリークリスマス
7/9

アメリカへ行こう!

「パパ!アメリカのクリスマスについて教えて」


 桜子とヤシマことマックスは、付き合って初めてのクリスマスを迎えようとしていた。

 一度帰国したマックスだが、二か月前に日本に遊びにきた。

 もちろん、目的は桜子だ。

 配信では、彼女ができたなど、そういう話をしていない。

 それに関して、桜子は複雑な心境だ。

 彼の登録者達に既に彼女がいるので、変なちょっかいを掛けないでほしいと思う気持ち。

 あと、紹介されても少し困るという気持ち。

 動画のコメントなどで、ヤシマのことを好き、I love Yashimaなどのコメントを見ると桜子はわざわざ登録者のページに行ったり、検索してしまい、自分でも怖いと思っていた。

 なので、こんなことをしているなどど、マックスには言っていない。


 付き合って初めてのクリスマス。

 日本ではクリスマスは恋人たちのイベントだ。

 だけど、映画や今までの経験からアメリカ人のクリスマスは日本の年末のように家族が揃うイベントのような気がしていた。それを改めて父親に確認しようと思ったのだ。


「そうだな。家族全員揃い祝うものだな。普通」

「やっぱりそうなんだ。パパもアメリカに帰ってお祝いしたい?」

「それはないな。今の家族はお前たちだから」

「うん。そうだね。うん」


 余計なことを聞いたなと思って、桜子を慌てて返事した。


(そうなると、マックスがクリスマスに来ることはないよね。残念)


「……そうだな。たまにいいか。桜子、クリスマスはアメリカに行くか?」

「へ?いいの?」

「学校も休みだし、いい息抜きになるだろう。弟も喜ぶかもしれない」

「お母さんは?」

「私は、だめね。急に休みはとれないわ。二人で行ってきなさい」

「真由子、やっぱりだめか」

「ごめんなさいね。あ、でも、どうせなら、二週間くらい滞在できる?それなら途中で合流できそうだわ」

「そうしよう。で、いつから合流できそうなんだ」

「26日が仕事納めだから、その日に飛んで翌日にはつくわね」

「弟に連絡する!」


 桜子が置いて行かれる勢いで、父と母によってスケジュールが組まれていく。


(……マックスにも連絡しよ。二週間くらいいるなら、一日、二日は会ってくれそう)


 クリスマスは家族一緒という話を聞いたので、桜子はあまり期待をもたずそれくらい薄い希望で考えることにした。


 そうして、一家はクリスマスから年始にかけて、アメリカに旅行にいくことになった。

 この時期の航空券は高い。

 その上、取りずらい。

 けれども、桜子の父は頑張って航空券を取った。

 弟のハリーも久々の兄の帰国に大喜びで、部屋を用意することになった。

 

 

 「ハイ!ヤシマチャンネルです!」


 ヤシマの配信日時は1週間に2度。

 日本のアニメに加え、ゲームプレイの配信もしている。

 桜子はゲームには興味がなかったのだけど、ヤシマの影響でゲームもし始めた。

 いつかうまくなってヤシマと一緒にプレイしたいと思っているけど、まだまだ初心者の域を出ないので、ヤシマことマックスには秘密にしていた。

 今日の配信は、アニメ『キンニク』だ。

 魔法を使えない主人公が筋力だけで乗り切っていく物語。

 いじめられている少年を救ったり、スカッとする系のアニメだった。

 アメリカでのアニメ配信は日本より遅い。その上、動画編集までするので、桜子が見た話は三日後くらいヤシマチャンネルで配信される。

 ヤシマが反応するところ、そのコメントに頷きながら、今日も桜子は最後まで満足して見切った。

 コメントしたいのだけど、彼女になってからコメントもなかなかしずらい。

 その反面、動画を鑑賞し終わると、メッセージを送るようにしていた。

 毎日メッセージのやり取りをして、たまにビデオ電話もする。

 ヤシマの恰好のままだったり、いつものマックスの状態だったり、彼の恰好はマチマチだ。

 正直ヤシマの時は、見惚れてしまいそうになるので、普通のマックスの素の状態が落ち着いて電話をできていた。

 

 航空券を父が予約してから、桜子はマックスに連絡した。

 すぐに電話がかかってきた。

 音声だけの電話だ。


「桜子。アメリカ、しかもフロリダにくるんだね!嬉しい。ウィリアムの弟のところへ泊まるの?」


 最初はMRスミスと呼んでいたが、スミスは桜子の苗字でもあり、最終的に桜子の父のことは名前で呼ぶことになった。

 口調も以前よりフランクになっていた。

 

「うん。叔父さんのところに泊まるの。少し会えるかな」

「もちろん。色々案内したいところがある。空いてる日程全部教えて。毎日会いたいくらいだよ」


 マックスは素の状態でも、気持ちを素直に伝えるので、しかも電話越しだとかなり直接的で、桜子はいつもドキドキさせらていた。

クリスマスもあるし、家族でイベントがあるからあまり会えないと思っていたので、桜子はマックスの言葉が嬉しかった。


「後で日程送るね。沢山、会えると嬉しい」

「僕もだよ」


 マックスの言葉に桜子は酸欠状態になりそうだった。

 ヤシマの声は大好きで、もちろんマックスはヤシマだから、そんなこと言われると悶えて気絶しそうになるのが桜子だった。



 

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