表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
49/69

第49話 白君と愉快な仲間たちに新メンバー追加 その2

 悠真はスマホを手にしながら、グループチャットでのやり取りを思い返していた。


悠真:城山葵さんも勉強会に参加したいみたいだけど、みんな良いかな?

真琴:えっ??

菜月:えっ??

美咲:えっ??

悠真:なんで全員が「えっ?」から始まるの(笑)

真琴:いやいやいや、状況説明してくれる?

菜月:そうそう。なんでアイドルが勉強会参加希望してるの?

悠真:まあ、たまたま話してたらテスト心配だって言われてさ。

真琴:たまたま??

菜月:テスト心配??

菜月:白君は城山さんの知り合い??

美咲:……(疑惑の目スタンプ)

悠真:ボッチに知り合いないし・・・

美咲:(よしよしのスタンプ)

悠真:今日、たまたま廊下で会って、流れでそういう話になっただけ。

真琴:いやいや、それ普通じゃありえないでしょ。漫画の世界かよ。

菜月:これ、絶対「白君フラグ立てました」案件じゃん。

悠真:そんなのじゃないってば(笑)単純に勉強したいって言ってただけ。

美咲:……(考える顔スタンプ)

悠真:ねえ、橘さん、なんかスタンプだけで圧かけてくるのやめてくれない?


 教室では、この話題がまさに中心となって広がりを見せていた。


「いや、すごくない?美少女四天王の城山さんが加わるとか、豪華すぎじゃない?」

 真琴が机に頬杖をつきながら、目を輝かせて言った。


「確かに!でもさ、美咲、大丈夫?こ城山さんが参加なんて、プレッシャーじゃない?」

 菜月が美咲を覗き込むようにして心配そうに尋ねた。


「え、別に……私は何も気にしてないけど?」

 美咲はそっけない態度を見せつつも、どこか微妙に落ち着かない表情を浮かべている。


「えー、そんなこと言ってさ、本当は気になってるんじゃないの?」

 真琴がニヤリと笑いながら、美咲の肩をつついた。


「だから、全然気にしてないって!」

 美咲が声を張り上げると、教室の他の生徒たちが振り返り、彼女を見つめた。


「もしかして、ライバル心とか燃えてる?」

 菜月が興味津々な目を向ける。


「そんなのじゃないってば。ただ、勉強会がちゃんと機能するのか心配なだけ。」


「ふーん、それだけ?本当に?」

 真琴は疑わしげに美咲を見つめながら、からかうように笑みを浮かべた。


「もう……二人とも、いい加減にしてよ!」


「でもさ、美咲って普段から注目されるの慣れてるよね?その美咲がちょっと焦るくらい、城山さんの影響力ってすごいんだな。」

 菜月が感心したように言った。


「影響力って……別に比べる必要ないでしょ。勉強会なんだから、みんなで集中してやればいいだけ。」

 美咲は少し頬を赤らめながら、視線をそらした。


「ま、確かに。城山さんが来たからって、急にアイドルショーになるわけじゃないもんね。」

 真琴が同意するように頷いた。


「それにしても白君、何気にすごいよね。ボッチのくせに美少女四天王二人と接点を持つなんて、ちょっと信じられないんだけど!」

 菜月が大袈裟に腕を広げながら言った。


「それな!普通じゃ絶対無理だよ。ねえ、美咲、本当は白君に何か特殊能力があるんじゃない?」

 真琴が冗談交じりに話すと、教室全体に笑いが広がった。


「特殊能力って……そんなわけないでしょ。ただ、なんだかんだで優しいから、頼りやすいんじゃない?」


 美咲の言葉に、真琴と菜月が顔を見合わせる。


「え、美咲、妬いてる?」

「もしかして、白君が取られちゃうと思ってる?」


「違うってば!全然そんなのじゃないし!ゆ、悠真君の事信じてるし……」


 言葉を口にした瞬間、美咲は自分が何を言ったのかに気づき、ぱっと顔を赤らめた。その様子を見た真琴と菜月は、まるで猛禽類が獲物を見つけたかのように目を輝かせる。


「おーっと、出ました『悠真君のこと信じてる』発言!」


「美咲、今のセリフ、完全に彼女っぽくない?」


 真琴が両手を頬に当て、菜月がニヤニヤしながら美咲の顔を覗き込む。美咲はさらに顔を赤くしながら、ぷいっと横を向いて反論した。


「そんな意味じゃないから!ただ……その……勉強会で一緒にいるから、信じてるってだけ!」


「へぇ~、勉強会だけの関係なのに、そこまで信じるんだ?」


「菜月、聞いた?『信じてる』だって。」


 二人の追及に、美咲はますます焦る。手元のノートをぱたんと閉じて、半分立ち上がるような勢いで声を上げた。


「もー!なんでそんなにからかうの!?悠真君に何かあったら、私がちゃんとフォローするから心配しないで!」


 その発言に、真琴と菜月は一瞬目を丸くしたが、すぐに顔を見合わせてくすくす笑い出した。


「はい、確定。これ、完全にフラグ立ちました。」


「白君が美咲に感謝する未来が見えたよ~。」


「ちょっと!何の話してるの!?」


 美咲が抗議の声を上げると、真琴と菜月は軽く肩をすくめた。


「いやいや、美咲って可愛いなぁって話だよ。」


「うんうん、白君、絶対美咲のこと気づいてるよね~。」


「だから違うってば!」


 頬を膨らませる美咲。その様子に、教室の雰囲気が柔らかい笑いに包まれる。


筆者の励みになりますので、よろしければブックマークや★の評価をお願いいたします。温かい応援、よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ