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気になるあの子はヤンキー(♂)だが、女装するとめっちゃタイプでグイグイくる!!!  作者: 味噌村 幸太郎
第三十二章 女装のヤンキーと片想いのヤンキー

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お客様、車内でイチャつくのはやめてもらえますか?


 一週間後の日曜日。

 俺とアンナは、博多行きの電車内で待ち合わせすることにした。

 以前の花火大会で彼女の居住地がブレブレ設定になり、デートをする時はいとこのミハイルの家に遊びに来ている……ということに。

 いつも通り、地元の真島駅のホームで待つ。

 普通列車がゆっくりと到着し、自動ドアがプシューと音を立てて開いた。

 事前に指定されていた、前から三両目の車内に、その子はいた。


 Aラインの可愛らしいワンピースを着ている。

 胸元には彼女の象徴ともいえる大きなピンクのリボン。

 またハイウエストのデザインなので、自然と胸が目に入る。

 決してふくよかな胸ではないのだが。

 それでも視線が上にあがり、見ていると頬が熱くなってしまう。


 金色の光り輝く美しい長い髪は耳元でリボンを使い、左右に分けている。

 今日はツインテール美少女か。

 生きてて良かった。


 肩から小さなショルダーバッグをかけている。夏らしいカゴバッグだ。

 足もとは涼しげな厚底サンダル。

 透き通るような白い肌、細い2つの脚は国宝級だ。


「あっ、タッくん! おはよ☆」

 俺を見つけた彼女は車内から大きな声で、その名を叫ぶ。

 人目にも気にせず。

 だが、言われて嫌ではない。

 こんなに可愛い連れと仲良くしているなんて。

 むしろ誉れ高き男だ、と周囲にアピールしたいぐらいだ。

「ああ。おはよう、アンナ」

 軽く手を挙げ、車内に入り込む。


  ※


 電車が動き出すと、アンナが手に持っているものに気がつく。

 イチゴの形をした小型の棒……?

「アンナ。それ、なんだ?」

「これ? タッくん知らないの? 今若い子たちの間でバズってるんだよ☆」

 すいませんね。俗世とは無縁の若者で。

「すまん。知らん」

「フフッ、タッくんのそういうところスキ☆」

 なんて小さな口元に手を当てて嬉しそうに笑う。

 あれ? 今告白された?

「?」

 俺が首を傾げていると、アンナは何を思ったのか、自身の胸をグッと俺の腕に押し付ける。

 ピッタリと身体を身体を合わせて、持っていた棒のボタンを押す。

 次の瞬間、ふわ~っと冷たい風が頬にあたる。

「どう? 涼しいでしょ☆ これは扇風機なの」

「おお……これはすごいな! あのバカデカイ機械をここまで小型にし、尚且つ携帯できるとは」

「ホントに知らないんだね、タッくんたら☆ 一台しか持ってないから二人で仲良く使おうよ☆」

 ギュッと俺の左腕に自身の右腕を絡めてくる。

 これは……肘パイというやつか。

 しかし、そう称するには余りにも硬すぎる。

 だが、それでいい!


 大の男が二人でベッタリとくっついて、車内でイチャついているこの光景。

 カオスじゃないですか。

 しかし、俺の肩に小さな顔を乗っけるパートナーに、周囲の人間は誰一人として違和感がないようだ。

 むしろ仲のいい俺たちを見て、睨みつける奴らが多い。


「リア充が! 夏なのにくっついてんじゃねーよ!」

「私だって去年は彼氏いたし……」

「この電車、脱線させようかな」

 最後のやつ、テロリストじゃねーか!


 この空間、嫌いじゃないです。

 むしろ心地よく、いつまでも……時を止めて欲しいぐらいだ。

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