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気になるあの子はヤンキー(♂)だが、女装するとめっちゃタイプでグイグイくる!!!  作者: 味噌村 幸太郎
第二十八章 ハチャメチャ水族館

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あざとい誘惑


 入口を抜けると、すぐにマリンワールドのスタッフのお兄さんとお姉さんが二人立っていて、チケットのもぎりをしていた。

 半券を返されたところで、ゲートをくぐると、すぐに別の男性スタッフから声をかけられる。

「ようこそ、マリンワールドへ! 記念に写真撮影をしていきませんか? 無料であとから一枚写真をプレゼントさせていただきますので!」

 それを聞いたひなたは大喜び。


「センパイ! 撮ってもらいましょうよ」

 なんて肩を引っ張るから、俺は言われるがまま、スタッフの指定した位置で、ひなたと横に並ぶ。

「じゃあいきますね~ もっとお二人とも寄って寄って~ カップルなんでしょ?」

「いや、俺たちは……」

 否定しようとした瞬間、代わりにひなたが答える。

「あ、そうです♪ まだ付き合って間もないカップルなんですぅ~ だから彼ったら恥ずかしがり屋さんでぇ~」

 俺が小声でひなたに突っ込みを入れる。

(おい……なにウソついてんだよ?)

(設定ですよ。こういうのがラブコメに必要だと思いますよ♪)


 仕方ないと、俺は腹をくくり、カップルという設定で二人仲良く肩をくっつけて写真を撮ることに。

 ひなたなんか、余裕ぶって、俺の左腕に胸を擦り付けてきやがる。


「はい、チーズ!」


「イエ~イ!」

「い、いえ……い」

 苦笑いで撮られてしまった。


「では、お帰りの際に受け取ってください。一時間ぐらいしたら、現像されてますので。あと、それとは別にまた有料の撮影も出口付近でやってますんで。良かったらどうぞ」

 なんだ。そのための勧誘か。


「センパイ! なんかホントにカップルぽいことしてません? 私たち!」

「そうか? 俺は付き合ったことなんてないから、分からんな」

「もーう。センパイったら! な~んか乗り気じゃないですねぇ。そうだ。テンションあげるために、イルカショーを見に行きましょ♪ 可愛いイルカさん見たら、センパイもイチコロです!」

 そう言って、俺の心臓辺りを人差し指でチョンと突っつく。

 あのやめてくれます? 乳首ドリルしてますよ。


「わかった。じゃあ行くか」

「はい、二階から行きましょう! 私、一番いい席知っているんですよ」


 俺たちがその場から離れようとした瞬間だった。


 ドカン! となにか大きな音が館内を響き渡った。


「チッ……クソアマ……」


 先ほど、受付で見かけたハンチング帽のサングラス女だ。

 近くにあったゴミ箱を蹴り続けている。


「あざとい、あざとい……調子乗りやがって……」


 なんだあの人。めっちゃ機嫌悪そうだな。

 家族やカップルが多い日曜日に、一人であんな格好で水族館なんて変わった女だ。

 よっぽど、イルカやペンギンが好きなのか?

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