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気になるあの子はヤンキー(♂)だが、女装するとめっちゃタイプでグイグイくる!!!  作者: 味噌村 幸太郎
第三章 はじめてのがっこう

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ミハイルのターン!


「おい! タクト、あいつは誰なんだよ!?」

 ミハイルが上目遣いで頬を膨らます。

 なんか、しかも涙目になっている。


「タクト! 聞いているのか!?」

「え……あいつは赤坂 ひなた。全日制コースの生徒だ」

「どこで知り合ったんだよ!」

 なんでそこまでムキになるんだ? そんなにあのパンティーのデザインが気に入ったか?


「この前、宗像先生に質問があってだな……その時に玄関で『不法侵入者』と因縁をつけられてな」

「んで? それでなんで、タクトの名前を知ってんだよ?」

「なぜと言われてもな……やつも俺と同じ白黒ハッキリさせたい性分らしいのだ。それで互いに生徒手帳を見せあったからな」

「……ッ」

 ミハイルはなぜかその場で顔を真っ赤にして、床を蹴り続ける。

 俺がしばらくその行為を見届けると、何を思ったのか、ミハイルはポケットから何かを取り出した。



「これ……」

「え?」

 目の前に出されたのはミハイルの生徒手帳。

「なんのつもりだ?」

「タクトがあいつと……その、白黒ハッキリさせたんだろ?」

「まあな」

「だから……オレもダチだから」

 ええ!? いつからダチ認定したの?

 意味わかんな~い。


「まあ古賀がそう言うなら……」

 俺は希望通り、まじまじとミハイルの証明写真を見つめてやった。

 ふむ、この時は髪を下ろしているな。やっぱ女にしか見えん。

 抱きたい、マジで。


「そんなに見るなよ……タクト。もういいだろ……」

 なぜ目をそらす?

「いや、もう少し見せてくれ」

「も、もういいでしょ……」

 ダーメ!

「いや、まだ見終わってない」

「まだ……なの?」

「もう少し」

「い、いやっ……恥ずかしい……」

 そんなエロゲみたいな声を出すな!

「まだまだ……」


 ガンッ!


 鈍い音が頭上で響く。

「なにをやっとるか! 馬鹿者が!」

 ズキズキと痛む、頭を摩りながら振り返ると……。


「宗像先生……」

 めっさ睨んでるやん。

 そういえば、体育と日本史を兼任しているんだったか?

 恐らくスポーツウェアなのだろうが、正直いって水着に近い。

 スカイブルーのランニング、ブルマ……?

 へそ出し、気持ち悪い巨乳のおまけつきだってばよ。

 これが今流行りの環境型セクハラというやつか。


「さっと着替えんか! 新宮、古賀」

「そ、それがですね……ここって男子更衣室ですよね?」

「は? そうだけど」

「なんか、さっき全日制の女子が着替えて、大変だったんですよ」


「だぁっはははははは!」


 相変わらずの下品な笑い方。

 しかも笑うたびにお乳がボインボインしてるから超キモい。


「結構! 結構! ラッキースケベ大勝利だな!」

「いや、顔見てわかりません? 殴られたんですよ? むしろ、こっちが被害者であることを訴えたいですね」

「どうしてだ? 女の裸を見たんだろ? それぐらい、なんてことないだろが!」

 と言って、爆笑する痴女は酒臭い。

 この教師は仕事とか言いつつ、事務所で酒飲んでじゃねーのか?

 あ、わかった。コーヒーに混ぜているな!


「とりあえず、着替えろ。たぶん、その女子は時間が間に合わなかったのだろうな」

「間に合わない?」

「ああ、以前も言ったように、我が一ツ橋高校は校舎がなく、更衣室が全日制と逆なんだよ」

「はぁ!? なんでそうなるんですか?」

「知るか! んなもん、こっちが決められる立場じゃないんだよ。だから今度からはあんまり早くに来て更衣室をのぞくなよ~?」

「のぞきませんよ!」

 

 隣りに目をやると、ミハイルは顔をまっかかにしている。

 ふむ、思春期とはわからぬものよ……。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 20話くらい読みました。つかみもギャグもレベルが高いしテンポ早いストーリー展開で飽きさせませんでした!
[良い点] ハイテンションコメディーに+αな感じ?ですかね。 いい作品だと思います。特に言い回しが好みです 投稿頻度がアレでもお釣りが返ってくるくらいなので無理せず頑張ってください! [気になる点] …
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