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ガチャ



「おー、おー、こりゃ、えらくきれぇな嬢ちゃんだな。」


「ど、ど、どれ、ぼ、僕にも見せて!」


渋いおっさんと何だか肉付きが良くて若そうな声が聞こえてきた。


フッフッフッ、このまま会話を盗み聞きしてやるわ!


「あー、でも、間違いだな。誘拐を頼んだのは、確かに黒髪の美少女だが、こんな洋風じゃなくて和風な子だよ。小手鞠家の娘を頼んだはずだぜ?」


渋い声が抜かした......



...おい、まて、まさか、

......間違いで私は攫われたのか!?

あと、黒髪の美少女は嬉しいけどこんな洋風、こんな、とか言わないでほしい...。

私だってお兄様みたいな色素の薄い髪に洋風な顔か、お母様の様に黒髪の和風な美人さんに生まれたかったのだ......。

ぐすん。



ふむ。まあ、和奏ちゃんに害が無くてラッキーと思っておこう。私は美幼女を守ったのだ。

えっへん。


「はあ、はあ、た、確かに和奏たんもよかったけど、こ、この子もこの子で良いと思うんだ」


太っていそうな若い方の声


......あぁ、こいつロリコンか...




「おい、起きろ」


と肩を揺すぶられた。

どうしよう。起きた後の態度どうしよう。

とりあえず、恐がっておくか...

そう思いながら目を開ける

「...ん?、...っっひ」


「お。おはよーさん。ん?おい、ほっぺたどうしたんだ?」

こいつがおっさん声の正体か、やつは男性にしては長い髪をゴムで結んでいた。日に焼けていて黒い。身長は180位か?

「...ほっぺた?」観察しながら問い掛けられた言葉を反芻し、どうかしたのかと触ろうとしたけど縛られていて触れなかった。

すると、かなり太めのロリコン野郎が近付いてきて

「ハアハア、だ、だいじょうでちゅうか?あ、赤くなってまちゅよ?」

と、あろう事かロリコン(かなり贅肉だるだるなご様子で眼鏡を掛けている)が私の頬を触ってきた

赤ちゃん言葉やめろ


「.っいや」

と身をよじるがそのまま撫でられる

ぎもぢ悪い


「全く、幼女を傷付けるとは許せん!!」

ふんすーっと鼻息荒く語っているが

鼻息当たってるし不用意に触れて怖がらせるのもどうかと思うのだ。私の自論では幼女は触らず怖がらせず愛でるものだ。

そう、愛でるものだ!!


なので、早くその手を離して欲しい...


「ほ、他にはどこか触られなかったかな?」


息が荒い!!

私の体をまさぐるな!


くっ!こいつ、膨らみのない胸を触り始めやがった...

そして服の中に侵入しようとしてきて...


「触らないでっっ!!」

ヤバいと思い

キッと睨み思いっきり声を上げるとビビったのか途端にサッと手を離した。


あぁぁぁぁ気持ち悪い。全身今すぐ洗いたい。


すると先程まで静観していたおっさん。

...いや、助けろよ、おい!

おっさんならぬじじいは

「...嬢ちゃん、年は幾つで名前はなんてゆう?」


アァん?

んなこと答えると思ってんのか?

この状況で!


「......」

だんまりを決めこむ。


「大人しく答えた方がいいと思うぞ?」

と立てた親指をロリコン糞野郎に向けた

後ろにいたそいつはてをワキワキと動かし始める...


うげええぇぇぇ


「......山田花子」


ぷいっと顔を逸らす。


「ぶっ、はははっそうか、花子ちゃんと言うのか、それで?歳は?」


「....4歳」


けっ


名前が嘘なのは明白なのにそのまま聞いてきたじじい、歳は多少なら誤魔化せると思うがまあ、いいやと思っていった。


「ふむ。...4歳ね。それが本当なら、あの九条家の個人的なお茶会に呼ばれる、仲の良い家、4歳のガキがいる大きな家、五大家で絞ると九条、橘、小手鞠、後は...西園寺か。」


ぎくっ、こいつ。

くそう、容易に歳など言うものでは無い...こんな直ぐに後悔する羽目になろうとは...。


「で、その中の九条と橘は男児、小手鞠家は、和風美少女な和奏ちゃん、残るは」


「...西園寺家の江理華さま、ってか?」


ちっバレたか。

不敵に笑い

「......あら?おわかりになるのですね?」


虚勢を張ってみる

たぶん、こいつがリーダー、後ろの変態は依頼人か何かなのだと思う...たぶん。

そして私に危害を加えたやつは下っ端でドアの前で見張りでも、していたのだろう。


「まあ、普通は狙ってるやつの周りの事も調べるだろ?今回頼まれたのは小手鞠家に復讐するため、だったらしいが、仕方ない。」

いかにも仕方なさげにそういうとじじいは

「とりあえず、自己紹介とでも、洒落こもうや。俺はこうゆー案件を専門に扱っているグループのリーダーだ。で、後ろのデブは参謀的なやつかな?パソコン系に強い。」


な、なんだとっ、絶対デブが金に物言わせて幼女を攫ってきたと思ったのに....。

それにしても、

「で?西園寺のお嬢様は?」

とニヤニヤ笑いで言ってくる。何だろう、思い切り顔を踏んで顔に足跡付けたいくらいイラッとする。


「...はあー、自己紹介と言いながらこちらの名前は把握しているにも関わらず貴方は名前すら仰らない、なのに私には自分の事を話せと言いますの?」

やれやれといった感じに言ってみる。

虚勢を大事にいく。


少し悩んだ様子を見せると

「うーん、そうだな。ここでお嬢ちゃんが自分の事について話していたら名前くらいは教えたかもな?」


イラッっ。


「まあ、そうゆうこった。...で?」


「...まず、質問をさせて下さいますか?それに答えて頂けたら考えます」


「うーん、そうだな、答えられそうなやつならいいぞ」


言ってみるものだ。

気になっている事3個を質問する。

「では、3つほど。...和奏様を誘拐する予定、だったみたいですがなぜ、和奏様をさらおうと?貴方達の雇い主は?そしてこれから私はどうされるのでしょうか?」


「あぁ、最初の2つはこたえらんねぇな」


「...そうですか」まあ、無理だろうなとは思っていた。


「で、最後の質問だが...そうだな。まだ、決めかねてると言ったところかな」


「なるほど。では、想定している全ての対応を教えて下さい。」


「うーん、そうだな。まずは、...」


ガチャ!

「た、大変です!狭山さん!!ここの場所を嗅ぎつけられたみたいで!まわりを囲まれてます!」

慌ててノックもせずに金髪に鼻と耳にピアスをつけたチャラい奴が入ってきてそんな報告をした。


成程、さやま。ね。覚えたわ!

まあ、偽名かもしれないけど...。



「あぁん? サツか?」


「そうみたいっす!あと、何人か内部に侵入してきたみたいで、ふ」

ドカッ


と、目の前にいた奴が崩れた。

すると、後ろから見覚えのあり過ぎる人。黒髪のポニーテールの、スラリとしたアスリート体型。

お手伝いさんの田中さんが現れた。

はっと思い、ローリングしながら田中さんの元に向かう。(手足を縛られてるため)


受け止めてくれた彼女、田中さんは

「どこかお怪我をされてますか?」心配そうに問い掛けてきた。首を振り「大丈夫です」そう言うと良かったと言われる、その間にも縄をどこかに忍ばせていたナイフでサッと切る。有能だなぁ。

「もう、大丈夫ですからね?」そう笑い、

そして私を後ろに下がらせた。


ホッとして、先程いた部屋を見ると

モクモクと、煙がではじめ

煙幕か!っと、叫ぶ田中さんの声が聞え抱き締められた。私もひしっとしがみつく。


暫くして煙が無くなると、そこにはデブがお縄にかかって座り込んでいるだけでおっさんもとい、じじいの姿はどこにも無かった…。


「......忍者かよ」

思わずそう呟いた私は悪くない。そう思う。

呟いた時、田中さんがびくっとしたけど言葉遣いが悪かったから怒ろうとしたけどこの状況では言えないと思ったのだろう。


しばらく、呆然としていると後ろからドカドカと足音が聞えた。


「警察の方がいらしたみたいです。私が対応するのでお嬢様はそのままでいいですよ?」

そう言って抱き締めてくれる。そっと顔を埋めると暖かく、その温度に安心したのかいつの間にか私は眠ってしまったらしい。


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