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飽きた。


......つらい。疲れてしまった。

もう、かれこれ、1時間ほど座りぱっなしだ。今日はよく分からないけど九条さんという人の家に遊びにきていた。でっかい家である。

いや、お屋敷?

まお、そんなでっかいお屋敷のお庭でティータイムを嗜んでいる3人の奥様方。そのうちの1人が我が母である。名前は西園寺真由美。美人である。


お母様に今日はお行儀良く居るのよ、と言い付けられてお利口さんに座っていたのである。

そして、母に合わせておほほと笑うのである。

10分もしないうちに飽きてしまい、いつ、ケーキが出るのだろうともんもんとしながら、母が笑おうとした瞬間にハッとなりおほほと笑うを繰り返していた。

4歳児には苦行すぎる...。



.........よし、もう、無理だ。私は充分頑張った。

じっとしてられん。遊びたい!

意を決して隣で、おほほっと笑っている母に声をかけた。


「おかあさま、おにわをみてきてもいいですか?あの、おはなをちかくでみたいです。」と薔薇のある方を指さす。


「あらあら、そうね、とても綺麗ですものね。いいわよ。でも、行くなら陽翔と一緒にいってらっしゃい。あと、お庭から出てはだめよ?わかった?」


「わかりました。おにわからはでません。」


「うん、江理華ちゃんはお利口さんね!

それでは、陽翔、江理華ちゃんの事お願いね。」


「はい。...じゃあ、江理華行こうか? 」と、私の自慢のお兄様は手を差し伸べてくれた。まじ紳士!そう、私の自慢の兄は完璧なのだ。勉強させりゃ、全国1桁、運動させりゃ、すぐに上達。なのに、それを鼻にかけない性格の良さ!しかも、紳士!!さらにさらに、西欧のどこかの国の出身の父の血を色濃く継ぎ(お父様はなかなか家に帰って来ないのでよく分からない。)、サラッとふわっとしてる髪は色素が薄く、目鼻立ちはハッキリしていて睫毛は長い!手足は長いし肌も白い綺麗!微笑むとやばい。イケメン!ハンサム!



お兄様最高と考えていると近くで似たような会話が聞こえた。


「おかあさま、わたくしもえりかさまといっしょにおにわに行ってもいいですか?」


「そうねえ。それじゃあ、江理華ちゃんと陽翔くんと一緒に行くのよ?危ないからお庭から出てはダメよ?」


「ほんとうですか?おかあさまありがとうございます。おにわからはでません。では、えりかさまといっしょにいってまいりますね!」


そして、こちらを向いてニコッと笑った。

その子は...

とてつもない和風な美幼女だった。


「こんにちは、えりかさま、ごいっしょしてもよろしいですか?」


ニッコリ笑っている和風な美少女を前に私はとても動揺した。やばい美少女。サラサラでツヤツヤな黒髪は胸のあたりまであり、前髪はぱっつん。あどけない大きな瞳はキラキラとしていて見ていて眩い。頬はうっすらと桃色がさしこんで色白な肌によく映えている。ふっくらとした唇はさくらんぼ色でプルプルだ。やばいわー。ハアハア。挨拶の時はケーキに意識を持っていかれてしっかり顔を見ていなかったし、近くにいたのにお母様におほほを合わせるのに必死で顔を見ていなかった。なんて、馬鹿なの江理華。自分を殴りたいわ!あっ、待って、名前、名前はなんかこう、和風な、、あっ、和奏さまね!



お兄様が肩をとんとんと叩き、

「江理華、お返事は?」と囁き。そこで、私はハッとなり、慌てて返事をした

「こんにちは、わかなさま。もちろんです。ぜひごいっしょしましょう?」と何とか返せた。



「あらあら、女の子はやっぱり良いわねぇ。うちの子もやっぱり部屋から連れ出そうかしら?」


「まあ、雅人君ですか?確か、3人とも4歳でしたわよね?同じ学校に入るのが楽しみですわ」


おほほほほ



そんな会話は

はあはあ、やばい、隣に、すぐ近くに、美少女が!!...と阿呆な事を考えている私の耳には入らない。なんて可愛いのだ、と和奏ちゃんに萌えていると


和奏ちゃんは蝶々を見つけたらしく、

「あっ、きれい!」といって、フラフラと追いかけて行っしまった。


そのまま、蝶々の後ろを追っているのを、美少女は、何しても絵になるなー、考えながらぼーっとしていた。そして、私は気付いてしまった。話しかけて仲良く出来たら近くで美少女を観察できるのでは?!と。よし、思い立ったら行動あるのみ!


繋いでいた兄の手を引き、「お兄様、わかなさまの所にいきましょう!私も蝶々を追いかけたいです!」と鼻息荒く語った。


「もう、仕方ないな、江理華は。いいよ、行こうか?」

きゃあああぁぁ、お兄様は今日も優しカッコイイ!


かなり急いで和奏ちゃんの所に行った。



くそ、この庭広すぎだろ!

最初の方で力尽きた私をお兄様が引っ張ってくれる。

ゼーハーゼーハーとなった息を整えて、和奏ちゃんに声をかけた。


「わかなさま、...」


と言ったところで焦った。

和奏ちゃんは蝶々を追って門から出てしまっていた。おいいいいい、散々でないように言われてたのに!うわ!あぶな車がきてる!


「わかなさま!危ない!車がき...」

と叫んでいるうちに和奏ちゃんはお兄様に捕獲されていた。2人の元に駆け寄ると和奏ちゃんはお兄様に諭されていた。頭ごなしに叱らないあたり優しいし最高だとおもう。本当に。


「いい?危ないから言われたことはしっかり守るんだよ?あと、怪我をしたらいけないから周りもしっかり見るように注意するんだよ?わかったかな?」


「...はい。もうしわけありません。きちんときをつけます。」


ああー、しょんぼりしている美少女も良いなー。

と駆け寄っていたがお兄様に確保されたのをみてその光景を目に焼きつけるため2人から少し距離のある門の近くでにへにへしていると、後ろから口元を押さえられた。


「もが、もごがが」

えっ、ちょっっなに?!


もがもがしているとふわっと身体が宙に浮き誰かに抱き抱えられた...。


えっ?


と、思っているうちに何故だか意識が遠のいていく......









......はっ。うーん?目を開けたはずなのに何も見えない。何故だ?!顔を触ろうと手を動かそうとして気付いた。手を拘束されてる?えっ?なんで??てゆうかここどこ?





…まあ、いいや、とりあえず眠たいし寝よう。あとの事は起きたら考え...

...zzz






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