8話
「よし!今日はこの依頼に決めた!」
今日も冒険者ギルドに来てお金を稼ぐために依頼を探していた。
そしてたくさんある依頼の中から僕は一枚の依頼票を手に持ち受付のラネさんのところへ向かった。
「今日はこの依頼にするのね」
「はい!今日はこの依頼にしよう思います!」
僕は手に持っている依頼票をラネさんへ渡して依頼の登録をしてもらった。
今日僕が受けた依頼とは探索依頼だった。探索依頼とは探索してほしい場所に向かってとにかく探索してほしいと言う依頼だ。
「それじゃ気をつけてね!」
「は~い!」
依頼の登録が終わり、探索依頼を達成するために現地へと向かうと冒険者ギルドを出ようとしたその時に僕はあることを思い出した。
「あ、忘れてました!」
「ん?何を忘れたの?」
僕はラネさんに渡したいものがあったのだ。そのために受付をしているラネさんのところに戻っていった。
「これです!これはショートケーキって言ってすごく甘い食べ物なんですよ!」
僕は昨日『ガラガラ』で出て来たショートケーキをラネさんに渡した。昨日ショートケーキを食べている時にいつもお世話になっているラネさんにも食べてほしいと思い残しておいたのだ。
「ん!美味しそうね!ありがとうね!」
「はい!それじゃ今度こそ行ってきます!」
ショートケーキを渡すことができたので今度こそ忘れていることはないことを確認して僕は依頼を達成させるために冒険者ギルドを出た。
「ここから探索していくのか~」
僕は探索依頼が出されていた場所へ到着した。
「ここは何か出そうだな~」
僕が今回受けた探索依頼の指定場所とは深い霧に包まれた森だった。深い霧に包まれているので辺りを見渡すこともできず1度森の中へと入ってしまうと自分がいる場所がどこかわからず迷子になり元の帰ってこれなさそうだ。
「どれだったけな~?」
今回なぜこんな依頼を受けたかと言うと今回の依頼に役立ちそうなアイテムが僕のマジックポーチの中に入っていたからである。
「あ、あった、あった、これだ!」
僕がマジックポーチから取り出したのは《磁石磁針》だ。
《磁石磁針》とは大きな赤と青の石がセットで1つのアイテムだ。このアイテムは青の石が赤の石に引っ付くと言う効果があるアイテムだ。
そのため今回のような場所に行かなければならない時に迷子にならないようにするために必須になるアイテムだ。
「よし!ここに赤の石を置いておこう!」
僕は森の入り口に赤い石を置いた。これにより赤の石に引っ付く青の石を僕が持っていることで赤の石を置いたこの場所へと迷うことなくここへと戻ってくることができるのだ。