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六角瞳  作者: 有寄之蟻
捕食編
84/114

・84・そして明かされる『隠し事』

そういえば、自分のを触られた事はあるけど、こんなにテールをしっかり触ったの初めてだ、とミーは小さく興奮する。


自分のもこんな感じなのだろうか、後で確かめてみよう、などと思いながら、いつまでも振られる腕がちょっと痛くなってきて、どうしようと困る。


知らず眉が下がっていたミーの表情に勘違いしたのか、リリはテールを引っ込めると、


「ゴ、ゴメンね!き、気持ち、悪い、よね!なんかウネウネしてるし、ゴメンね…。調子乗ってゴメンナサイ……」


だんだんと落ち込み、完全に俯いてしまった。


ミーはいつもの流れで、そんな事ないよ!と否定しそうになるが、自分がヘキサアイズを初めて知る『人間』という設定を思い出して、なんとか踏み止まる。


しかし、リリが落ち込んでいるのは、慰めてあげたい。


それに、ミーはそもそも自分もヘキサなため、どういう反応をすべきが分からなかった。


やはり、気持ち悪がるべきなのか。


驚くのか、恐がるのか。


ミーは自分のテールを初めて見た時を回想する。


びっくりして思考が止まり、コレを使えば脱出できる!と操作の練習をした。


……改めて思い出して、そんなに驚かなかったな、と思った。


ミーはリリの肩を叩いて顔を上げさせ、ちょっと驚いただけだよ、気持ち悪くないよ、と伝える。


すると、リリは若干涙目になりながら、何度かほんとに…?と確認し、ミーはうんうんと肯定してあげた。


一応立ち直ったのか、リリは後ろ手にもじもじしながら話を再開する。


「…そ、それでね、えっとー、なんでアタシのをバラしたかっていうと……あ!そ、そう!ミーちゃん聞いて!」


がしっ!とミーの両肩を掴み、ぐっと迫るリリ。


その勢いに仰け反りながら、う、うん、何?と尋ねれば、


「あのね、あのイケメンキムさんね…………アタシと同じ、ヘキサなの」


至極真剣な声音でリリはそう言った。


うん、知ってる。とミーは内心で即答した。


そして同時に、やっぱりリリのいうキムの『隠し事』は、ヘキサアイズという事だったのか、とがっかりしていた。


キムがあんなに警戒してミーに怒るくらいだから、キムがミーに隠してる事を知っているのかと考えていたが、リリとキムがヘキサだという事はとっくに知っている。


これじゃ私の怒られ損じゃん、とリリに対してほんのりと怒りがわいた。


その感情に気をとられて、ミーはその情報を初めて知った『人間』のフリを完全に忘れてしまった。

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