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六角瞳  作者: 有寄之蟻
捕食編
71/114

・71・意味深

悩みが増えた。


ミーは何度目か分からないため息をつきながら思った。


現在、大学後のいつものバイト中だ。


ミーは大学から15分程の通り沿いのファミレスで、ホールのバイトをしている。


その日の最終講義にもよるが、大抵午後6時から9時半までのシフトで働いていた。


高校時代からもう6年程働いていて、バイト仲間の中ではベテランだ。


注文を取るのも、掃除もほぼ無意識で行えるため、最近はバイト中に考え事をする事が多くなっていた。


前からあった悩み。


自分は本当にヘキサアイズかどうか、といもの。


誘拐された時の事を思い返すも進展はない。


実はヘキサだったらしいリリにさえ気づかれなかった事が、さらにミーに追い打ちをかけた。


そして、最近増えたもう一つの悩み。


それは、キムの意味深な発言の事だ。


そもそも、初めて言葉を交わした時から、キムはそんな物言いをしていた。


ミーには理解できない、またはすぐには分からない言い回し。


さらには、尋ねたとしてもごまかして、教えてくれない事も多い。


リリがヘキサだとミーに伝えた次の日に、キムはもう一度リリに会った。


そして連絡先を交換して、そこからミーはどんな展開があったのか分からないが、リリはミーに話しかけてこなくなった。


いや、正確には見かければ挨拶をするようになって、しかし、一定距離には近づいてこなくなった。


連絡先を交換して後、バイト先にミーを降ろしたキムは、


『……後は、オレが対処するから。……ミーはもう、あいつと関わったら…だめだ、よ?』


にっこりと笑ってそう言った。


圧力を感じるそれに、ミーは頷くしかなく、自分から声をかけることはしてない。


リリの態度を見るに、言葉通り何かしたのだろう。


けれど、ミーはいろいろと納得ができていなかった。


気になる事がたくさんあるのだ。


キムに言われた言葉。


『……ミーは、おいしそうなんだよ?……しかも、とっても』


『……あいつは、オレを狙ってるんじゃない。……ミーを、狙ってるんだよ』


以前キムが泣きそうな雰囲気を出した時、ミーの事を『おいしそう』とこぼした。


しかし、おいしそうと言われても、ミーは食べ物ではないのだ、どういう意味か全く分からない。


キムをどう悩ませているのか、ミーには検討もつかなかった。


そして、なぜミーがおいしそうだと、リリがミーを狙うのだろうか。


いや、そもそもミーを狙うという事自体意味不明だ。

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