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六角瞳  作者: 有寄之蟻
帰宅編
56/114

・56・その正体は

いつものようにぐっとココアを飲み干したキムは、にっこりとお礼を言う。


ミーは何か言われる前に、そのマグカップにココアを注いだ。


クッションのついでに、キム用のマグカップも買っていた。


自分のマグカップも出し、ココアを注ぐ。


そしてじっとキムに視線を向けた。


言葉にせずともミーの意図は理解したのだろう。


キムは僅かに苦笑すると、口を開いた。


「……灰原ウォーは、ヘキサだった、よ」


やっぱり、とミーはすとんと納得する。


ミー達六人に接触してくる者は、おそらく同じヘキサアイズだという事は、キムが言わずとも確信していた。


むしろ、それ以外にピンポイントでミーに声をかけてくる理由が見当たらない。


ミーは一度頷いて、続きを催促する。


「……でも、オレ達を誘拐した、やつの仲間…ではなかった」


……え?と、その予想もしなかった言葉に、ミーはぽかんとしてしまう。


え、いや、でも、私の事もキムの事も知ってたよ?と動揺しつつ問えば、


「……あいつは、別の組織……のヘキサ」


そこで少し、キムはココアを飲んだ。


それからキムが教えてくれた事は、ミーの想像を上回った話だった。


まずそもそも、この世界には人間以外の人外が存在する。


その一種がヘキサアイズだが、その存在は一般的に認知されていない。


それはなぜか。


簡単な話、そんなモノがいると知られれば、世の中が大混乱に陥るからだ。


人と異なる能力を持ち、身体能力も上回り、特殊な嗜好を持つ存在。


その上、人間に擬態し、紛れ込む事もできる。


もし自分が人間のままでヘキサアイズを知ったとしたら、確かに怖いかもしれない、とミーは思った。


実際大昔にーつまりヘキサアイズは昔から存在したという事だがーヘキサアイズと人間の間に争いがあり、人間からの迫害も起きた。


原因は複数あったようだが、絶滅を恐れたヘキサアイズ達は、人間からその存在を隠す事にした。


そして人間社会で正体を隠して生きていくための組織を創った。


それは通称《協会》と呼ばれているらしい。


ここで話は始めの疑問に戻り、あの灰原ウォーという男は、その《協会》所属のヘキサだったというのだ。

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