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六角瞳  作者: 有寄之蟻
帰宅編
52/114

・52・示唆された可能性

真剣な目つきのウォー、きょとんとしたミー、反応のないキム。


三人のテーブルは奇妙な沈黙に包まれた。


どこまでご存知なのか、とは一体どういう事なのだろうか。


というより、何について、と言うべきか。


ミーがキムに語られたとある可能性とは、六人を誘拐したヘキサアイズの仲間が接触してくるかもしれない、というものだった。


大きな洋館の地下に、かなり広い地下施設を持ち、かつ大量の薬品を所持していた事や、医療的な道具があった事から、あの誘拐犯は相当な財力があると思われた。


しかし、個人の研究だと思えばそうだが、もしそれが組織的なものであり、あの男は誰かから出資されていたとしたら。


その場合、出資者に研究の報告を行う義務があるはずで、男の生死が分からずとも、被験者が逃げ出したとなれば、それはまずい自体だろう。


誘拐犯がヘキサだった事、人間からヘキサアイズへの変化の研究だった事を考えれば、出資者もおそらくヘキサアイズと仮定できる。


被験者にベラベラと被害を主張されれば色々と困るはずなのだ。


そしてそこから導き出される選択肢として、まず逃げ出した被験者を探すだろう事、そして必ずその動向を探るだろう、とキムは語った。


実際のところ、ミー達は沈黙を選択したわけで、あの事件の事は六人の秘密になっている。


そして、ヘキサアイズは同種を匂いで見分ける事が可能。


それを見れば、とりあえず隠していると判断されて、接触を図ってくるんじゃないか、とキムは考えたようだ。


そのために、キムはミーのそばにいたがった。


この事は、ミーの家に行く前にユンとオルにも話したらしく、ヒロとスズにも伝わって、スズはヒロが、ユンはオルが見守る事になっていた。


ミーがキムの提案を受け入れた理由は、相手にはミーがヘキサだと分かっても、なぜか判別できないミーには相手がヘキサかどうか分からないからだ。


それと、単純に知らない人間が突然話しかけてきたら怖いな、と思ったのもある。






ーーそして案の定、灰原ウォーという男が接触してきた訳なのだが。


そこは、ヘキサアイズなんですよね、とかじゃないの?とミーは不思議に思った。


誘拐犯の関係者であるなら、そう問うのが当然なのではないだろうか。


何も言わない二人に苛立ったように、ウォーの片眉がピクリと痙攣した。

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