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六角瞳  作者: 有寄之蟻
帰宅編
37/114

・37・ヒロ、帰宅と別れ

スズの家からそれなりに歩いた場所に、ヒロの家はあった。


大通りからすぐ裏のマンションで、オートロック仕様だった。


どうするんだろう!?とミーが考えていると、ヒロが知り合いらしき住民を捕まえて管理会社に連絡を入れ、数十分後にはヒロの部屋に入る事ができた。


そこで分かった事が一つ。


ヒロはおよそ十日間ほど行方不明になっていたようだ。


意外な事に、と思ったミーは割と失礼だが、ヒロは近所付き合いをちゃんとしていた。


同じフロアの人はもちろん、管理会社の人とも親しげで、それなりの交流をしていたらしい。


そんな彼女がある日ピタリと姿を見せなくなった事に、住民達はすぐに気がついたという。


とはいっても、ヒロは仕事で何日が家を空ける事があり、それかと始めは考えた。


しかしそういう予定もいつもならちゃんと周囲に伝えるのに、今回は急だったのかな?などと住民達は思ったらしい。


しかし、三日経ち、五日経ち、一週間経ってもヒロは現れず、かといって家の中に気配もなく、これは何か変だぞ、となった。


管理会社の人を呼び、様子を見てくれとヒロの部屋を見てもらったが、綺麗に整頓された人が暮らしている部屋で、引っ越しの気配などはない。


隣人もヒロが帰ってきた様子は全くないと言い、もしや何かの事件にでも巻き込まれたのでは!?という可能性もあがった。


しかし、住民達はあくまで同じマンションに住んでいる住民という関係であり、捜索願を出す、というのも違うだろうと、心配しながらも何もできないでいたそうだ。


そんな所に男二人に女の子と少年を引き連れて帰ってきたヒロに住民達は心配五割、興味三割、野次馬(ごころ)二割で次々とヒロの部屋を訪ねてきた。


その応対が長引きそうだったため、ヒロは後日あらためて説明するので、今日はそっとしておいてほしいと伝え、やっとこさ五人は落ち着いた。


ヒロは素早く自分のスマホに四人の連絡先を入れ、スズに五人の写真を送った。


そして、


「いい年した大人に構ってないでいいから、アンタ達もさっさと帰りな!」


と追い出すように四人をマンションから連れ出した。


エントランスで腕を組むヒロに一度頭を下げて、ミーはマンションを出た。

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