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六角瞳  作者: 有寄之蟻
帰宅編
33/114

・33・不安

こんなに長く歩いたの初めてかも、とミーは思っていた。


正確な距離など分からないが、とりあえず5キロ以上は絶対に歩いている。


運動など授業以外では積極的にしなかった今までなら、確実にへたり込んでいただろう。


しかし、ヘキサアイズになった影響か、わずかに足底が熱を持っているだけで、疲労感はさほどない。


身体能力はほとんど変わらないと思っていたが、どうやら体力は向上したようだった。


オルが改めて全員の住所を聞き、六人のいる位置から最も近い人の家から向かう事になった。


どうやらそれはスズの住所のようで、その次にヒロ、キム、オル、ミーとなり、ユンが最も遠い。


スズは最初だが、ユンは最後になるため、オルが遠周りしてユンを見送ると申し出た。


ユンは遠慮したが、未成年を無責任に一人で帰らせる事などできない、とオルが強く主張し、ユンも受け入れる。


また、皆にスマホは持っているかを尋ね、今後何かあった時のために連絡先を交換する事も決定した。


反対するものはおらず、皆真剣に賛成する。


ミーもそれは当然のように思った。


彼女自身、不安がある。


自分がもう人間ではないと気づいてしまったが、幸い見かけだけなら隠す事ができる。


ミーは大学生だ。


家族のいない一人暮らしで、生活も学業も結構なギリギリ加減で暮らしている。


その上に人外になった事まで加わってしまえば、これからの生活がどうなるかなど想像もつかなかった。


さらに言えば、ミーはヘキサアイズの事をほとんど何も知らない。


なぜかミーにはヘキサの本能というものがないようで、自分の能力も分からない。


同族を見分ける嗅覚はない事ははっきりしているが、それ以外は全くの未知数だ。


暗視能力と単純な視力の向上、またテールが使える事、寒暖の変化に強くなった事、体力が上がった事は分かっているが、自身の特殊能力は不明。


クエン酸のように、五人も知らない事はあったが、ミーよりは遥かにヘキサについて知っている事は確実だ。


もし何かヘキサに関して問題が起こった時、頼れる人がいればどれだけ救われるだろう。


考えを巡らせてうんうんと頷いていると、ぽんとキムに頭を撫でられ、首を傾げた。

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